2023年7月26日

介護業界のM&Aの相場は?費用や失敗しないポイントを解説

MABPマガジン編集部

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介護業界のM&Aの相場

介護業界では、高齢化の進行を背景とした需要の高まりと働き手不足を理由に、M&Aを行う事業者が増加しています。

しかし、介護業界でM&Aを行う上で必要な費用が分からず計画を立てられないと悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、介護系の企業がM&Aをする際に必要となる費用の内訳や相場について詳しく説明します。

また、介護系M&Aで失敗しないためのコツについても解説するため、具体的にM&Aを検討しているのであれば、より確実な方法を探れるでしょう。

介護業界のM&A相場と費用とは

介護業界のM&A相場と費用とは

介護業界M&A相場は、ある程度決まっています。

項目別に掛かる費用を確認し、費用感を理解しておきましょう。

ここでは、介護業界のM&A相場と項目別に掛かる費用を解説します。

 

介護業界のM&A相場

介護業界には訪問介護、デイサービス、老人ホームなど多様な形態の事業があります。いずれにせよ売却価額は経営状況に左右されるため、一概にいえないのが現状です。

一般的には、3~5年分の営業利益と時価純資産額を足した額相場目安とされています。

例えば、1年間の営業利益が1,500万円、時価純資産額が3,000万円だった場合、4年分の営業利益として計算した計算式は以下のとおりです。

・6,000万円(営業利益)+3,000万円(時価純資産額)=9,000万円

ただし、介護業界は人材の数が収益を左右する不安定な事業です。また、賃貸物件でも開設可能なため不動産資産も必要がないことから、事業所の規模や資産の有無によっては、譲渡価格は相場目安より大きく下回ることもあります。

その一方で、地域への密着の度合いや、自治体ごとに異なる介護報酬の加算割合によっても価格が大きく左右されるため、都道府県や立地によって相場も変動するのも介護M&Aの特徴です。買い手が希望するエリアとのマッチングによっては、営業利益が赤字であっても高値での売却につながるケースもあるでしょう。

 

介護業界のM&Aに掛かる費用

介護業界に限らず、M&Aを自分で成立させようと思うと、買い手・売り手を探し双方の希望を擦りわせるために、多大な労力が求められます。

事業価値に見合ったM&Aを、スピード感を持って成功させるためにも、M&Aを専門に請け負う仲介業者に依頼するのが一般的です。

買い手が支払う買収金とは別に、仲介業者に依頼した場合に必要となる主な費用には、以下のような項目が挙げられます。

・相談料:正式に依頼する前の相談段階で発生する費用

・着手金:依頼した際の最初の契約時に掛かる費用

・仲介手数料:M&Aの進行に対して掛かる各種費用

・仲介手数料① 成功報酬:正式にM&Aが成立した時点で掛かる費用

・仲介手数料② 月額報酬(リティナフィー):人件費・実費として毎月掛かる費用

・仲介手数料③ 中間報酬:基本合意書の作成時点で掛かる費用

・バリュエーション費:売り手企業の価値評価に掛かる費用

・デューデリジェンス費:買い手側が行う価値やリスクの調査に掛かる費用

相談料は無料としているM&A仲介業者が大半です。最近は着手金も無料としている仲介業者が増えつつあります。さらに、中間報酬と成功報酬を分けずに、M&Aに成功した場合のみ報酬を受け取る完全成功報酬システムを取る仲介業者も昨今は多くなっています。

M&Aの仲介手数料は取引金額に応じて、報酬料率が徐々に減っていく「レーマン方式」が一般的です。

ただし、この手数料・報酬の計算は契約内容によって算出基準となる数字が移動総資産か企業価値かによってまったく異なります。仲介業者を選出する際には、料金システムだけでなく、報酬の計算方法についても必ず確認の上、依頼しましょう。

介護業界の現状と課題

介護業界の現状と課題

介護業界M&Aで失敗しないためには、介護業界の現状と課題を把握しておくことが常に重要です。

なぜ昨今、介護業界のM&Aが増えるに至ったのか、介護業界が置かれている状況から解説します。

 

介護が必要な高齢者が増えている

2022年の統計調査によると、日本の65歳以上の高齢者数は過去最高の3,627万人となり、総人口に占める割合は29.1%となりました。

また、厚生労働省の介護保険制度に関する調査結果によれば、今後要介護者割合の多い75歳以上の後期高齢者が人口に占める割合はますます増加し、2025年頃には約18%に達すると見込まれています。

また、2000年の介護保険制度創設以来、介護サービスの利用者も3.4倍に増加しています。今後、介護を必要とする後期高齢者が一層増加するのに伴い、介護業界のさらなる発展が望まれているでしょう。

 

人手が不足している

高齢者が増加し介護事業の需要が高まる一方で、介護業界の人手不足は深刻化しています。

厚生労働省の発表では、2025年時点でも約243万人、2040年には約280万人もの介護人材を確保しなければならないとされています。

介護業界は、需要増加が見込まれ成長している業界であるにも関わらず、既存事業の中には人手不足を理由に事業継続を断念する事業者も増加傾向です。

東京商工リサーチの調査によれば、2022年の老人福祉・介護事業の休廃業・解散・倒産の総計は過去最多の600件台を超え、中小事業者の割合の多い介護業界の全体的な経営力強化が求められています。

 

従業員の待遇が悪い

介護業界の離職率は年々低下傾向にあるものの、現場の人材不足感は依然として高く推移し、市場拡大と需要の高まりに就職希望者の数が追いついていない状況です。

介護業界における人手不足の要因の一つは、従業員の待遇の悪さといわれています。

介護職員の給与は年々増加傾向にあるものの、シフト制の変則勤務や体力が必要な重労働などにより、待遇が悪いと感じる従事者もいるでしょう。

また、人手不足の事業所であれば休みも取りづらい環境である可能性も考えられます。

 

M&Aが増加している

介護業界の需要の増加を受け、事業拡大を目指す同業他社や、成長見込みのある市場への新規参入を考える異業種の大手企業を買い手としたM&Aは増加傾向にあります。

また、介護保険制度創設から20年経ち、事業承継を本格的に考え始める事業者が増えてきているのも増加理由の一つです。

さらに、後継者が不足していることや、人材獲得のための手段としてM&Aを利用する事業者も増えています。

売り手として大手の傘下に入りたい事業と、買い手として業界に新規参入したい企業それぞれが、介護業界の現状に基づいて動いた結果といえるでしょう。そこへさらに国による介護事業の大規模化・協同化を推進する力が加わっているのも介護M&Aを考える上で重要なポイントです。

介護業界のM&Aで失敗しないためのポイント

介護業界のM&Aで失敗しないためのポイント

多様な背景を理由にM&Aが増加中の介護業界ですが、動きが活発な時こそ、慎重に取引を進めることが重要です。

介護業界でのM&Aで失敗しないために、売り手側と買い手側それぞれに気を付けるポイントを解説します。

 

売り手側が気を付けるポイント

売り手側が気を付けるべきポイントは、主に以下の3点です。

・社員の流出や顧客が離れないようにする

・経営状況を細かくチェックする

・仲介業者を利用する

人材不足が問題となっている介護事業では、買い手側も人材確保を主な目的として買収先を探しているケースが増加しています。買取側が求めているような社員の流出を防ぐことが直接的に事業の価値を高め、M&A成功へとつながっていくでしょう。

社員だけでなくその施設やサービスを利用している顧客の獲得を図っているケースも多いため、契約締結までサービスの質を維持し客離れを防ぐのもM&A成功のポイントです。

また、事業の経営状況はM&Aの価格に明確に影響します。

事前に経営状況を細かくチェックし、事業の資産価値を正確に把握しておくことで、適切な希望価格を設定し有効なM&A戦略を立てることが可能です。

さらに、仲介業者の利用によってM&Aの成功につながりやすくなります。

M&Aには相手先の調査や財務状況の整理から最終的な統合作業に至るまでに、法律上の専門的な手続きを含むさまざまな工程があます。事業所の運営と並行してこれらすべてを行うのは困難です。

信頼できる仲介業者を見つけ、早くから相談しておくことで、戦略立案段階からスムーズにM&Aを進められるでしょう。

 

買い手側が気を付けるポイント

買い手になった際に気を付けるべきポイントは、以下の2点です。

・買収後の価値をあらかじめ予測する

・市場価値を把握した上で計画を立てる

買収時点での現状把握も重要ですが、買収成立後の将来価値を予測しておくことも大切です。

事業展開の進め方を検討しておくことで、買収に掛かった価格分を回収できるまでに必要な期間も想定できます。

また、介護事業者の市場価値を十分に把握した上で計画を立てることも重要です。

特に、事業収入の大部分を占める介護報酬の改定は、介護業界の市場動向を見極める上で必ず踏まえるべきポイントとなっています。介護報酬の改定は3年に1度行われることが決まっているため、念頭においてスケジュールを組み立てましょう。

介護業界のM&A仲介業者を選ぶポイント

介護業界のM&A仲介業者を選ぶポイント

買収側と売却側、いずれであっても仲介業者を利用することによってM&Aはスムーズに進みやすいです。

ただし、成功率も上げるためには、介護業界でM&Aを行うことを前提とした仲介業者選びが重要となります。

 

介護業界のプロを選ぶ

介護業界特有の事情や資産価値の算出方法を把握している専門性の高い仲介業者を選びましょう。

業界の事情に詳しい専門家であれば、顧客の相談を十分に聞いた上で、希望に沿った計画立案ができます。

専門性が確認できない場合には、介護業界のM&Aの成約実績を詳細に提示できているかどうかを目安にするのもよいでしょう。

 

料金形態が明確な仲介業者を選ぶ

M&Aには相談料や着手金をはじめ、発生するタイミングが違うさまざまな料金が存在します。

中には会社によって発生する料金・しない料金があるため、事前に確認が必要です。

同じM&A仲介業者であっても、報酬システムが大きく異なる場合もあり、決められた報酬システムがそのまま費用へと直結します。

契約後のトラブルを避けるためにも、料金形態、報酬システムをホームページなどで明確に説明している仲介業者を選びましょう。

まとめ

介護業界でのM&Aは、高齢化と人材不足を背景に増加傾向にあります。

人口動態や国の動向を踏まえて揺れ動く介護業界でM&Aを成功させるためには、専門的な知識を持った仲介業者選びが大切です。

M&Aベストパートナーズは、M&A・事業承継のエキスパートが在籍しており、プロによるサポートを受けられることを強みとしています。

「介護業界でのM&Aの方法が分からない」「仲介業者選びが難航している」とお悩みの人は、ぜひ一度M&Aベストパートナーズにご相談ください。

著者

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