不動産業のM&A Real estate M&A
不動産業のM&Aの動向 Trends
Trends of Real estate M&A
競合企業が多く、生存戦略の一環として
M&Aを選択する企業が増加
2008年のリーマンショック以降、不動産業界は企業規模に関係なく倒産が相次ぎました。2012年以降、東京オリンピックによる建築物の需要拡大、金融緩和による低金利により成長に転じていますが、業界全体が中長期スパンでは縮小傾向にありつつも、不動産業の法人数は右肩上がりとなっています。そのような状況で生き残りをかけ、サービスラインナップの拡充やエリア拡大に活路を見出す必要性が指摘され、M&Aニーズは一定数は維持している状況と言えます。低金利の影響で不動産の購入や投資ニーズが高い状態を維持している間は、企業価値も評価されやすい状況です。

国内不動産業のM&A件数推移

不動産法人数及び全業種に占める割合の推移

業界ニュース
不動産業のM&Aのポイント Point
Point 01 展開地域の特性
不動産の中小企業の強みは、特定の地域に強いコネクションを持っていることです。特定の地域に強みを持つ企業を譲受することで、短期間で売上の伴ったエリア拡大が可能です。
M&Aによるエリア拡大を検討する場合は、地域の人口推移や、エリアの地域性、不動産仕入ネットワークなども確認したいポイントです。また、地価の上昇予想を踏まえ、不動産ニーズが高い地域の企業とM&Aを行うこともポイントです。

Point 02 人員構成
不動産鑑定士や土地家屋調査士、宅地建物取引士、ビル経営管理士など、不動産の難関資格の保持者がどれだけ在籍しているかもポイントです。特に宅地建物取引士は事業所への設置が法律で義務づけられており、できる限り多く確保しておく必要があります。
また、不動産売買仲介では実績が豊富な人物がいるか確認が必要になります。市場状況や売主の意向を踏まえて売却額を設定する必要があり、経験豊富な担当者がいることは売上に直結します。

Point 03 オーナー社長への依存度
オーナー社長の事業依存度を確認する必要があります。例えば、不動産仕入は社長の人脈で行っていたり、社長がトップセールスマンとして売上の大半を稼ぎ出しているケースがあります。M&Aによりオーナー社長が退任した後も、継続的に事業継続ができるか、どの程度、収益力が下がる恐れがあるか、事前に確認が必要です。

不動産業のM&Aのメリット
譲渡企業
- メリット
後継者不足による承継問題の解決
借入金の個人保証の解除
人材採用の活性化
サービスラインナップの拡充
規模拡大による信用性の向上
譲受企業
- メリット
取引先の獲得に伴う収益拡大
事業ノウハウの獲得
資格保持者など優秀な人材の獲得
不動産仕入ネットワークの獲得
管理物件の増加
短期間での商圏拡大