製造業のM&A Manufacturing M&A
製造業のM&Aの動向 Trends
Trends of Manufacturing M&A
世界経済の動向に左右されるが
効率化を図った設備投資は依然高水準
製造業全体の利益の伸び率は2012年にプラスに転じており、2016年に減速したものの、2017年には持ち直しており、世界的に経済が復調し、堅調な設備投資額を背景に、国内の製造業も徐々に力を取り戻しつつあります。その一方で、物流や生産の効率化を狙ったM&Aや、仕入先及び販売先への影響力の拡大を狙ったM&Aは依然として多くあります。
また最近では商社が高い付加価値を有するメーカー機能を求め製造部門を買収するケースも目立ちます。そのような背景の中で、製造業のM&Aは高い水準を維持するものと考えられます。

製造業のM&A件数推移

設備投資額と営業利益の推移

業界ニュース
製造業のM&Aのポイント Point
Point 01 生産設備の状況
製造業の大きな特徴の一つに、生産するための設備及び土地建物を保有していることが挙げられます。そのため、土地建物の評価に加え、生産設備の状況も見る必要があります。
古くなっている機械をメンテナンスして使用している場合、設備更新の際にどの程度の投資が必要になってくるか、最新設備を入れた場合、どの程度の効率化が図れるのか、なども譲受企業が注目するポイントになります。

Point 02 製造技術・生産能力
どの程度の製造技術・生産能力を有しているのか、といった点もポイントとなります。技術力に裏付けをされた有力な製品がある場合はM&A後も成長が見込め、大きな売上増が期待できますが、それらを生産する人的な余力、設備的な余力を精査する必要があります。
またM&Aにより製造技術や生産能力が統合された結果、「より高い付加価値のある製品を製造できるようになるか」「独自性に優れたビジネスモデルに変革できるか」もポイントになります。

Point 03 販売先・仕入先の状況
どのような販売先、仕入先と取引をしているかという確認が必要になります。新たな口座を開設して取引を始めることより、双方が有する取引先を活用する方がメリットがあります。
また取引先が同様のケースでも、数量の増加による影響力拡大が期待できますので、より良い条件での仕入・販売が可能なります。注意すべき点は両社が一緒になることで、取引が無くなる場合もありますので、その点は慎重な議論が必要です。

製造業のM&Aのメリット
譲渡企業
- メリット
承継問題の解決
借入金の個人保証の解除
設備投資の拡充
製造及び物流の効率化
仕入先、販売先への影響力の強化
譲受企業
- メリット
自社には無い技術力、ノウハウの獲得
製造及び物流の効率化
仕入先、販売先への影響力の強化