2024年1月30日

学習塾におけるM&Aの動向とは?実施するメリットや成功事例

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学習塾におけるM&Aの動向とは?実施するメリットや成功事例

近年、学習塾業界では、AI・IoT技術の導入や、個別指導塾の増加など、多くのニーズに応えることが求められています。M&Aはこれに対応するための有効な手段ですが、その動向について詳しく知りたい人もいるでしょう。また、学習塾業界におけるM&Aを検討している人のなかには、事例について気になる人もいるかもしれません。

今回は、学習塾業界におけるM&Aの動向や実施するメリット、事例について解説します。また、M&Aの売却価格の相場も解説するため、学習業界のM&Aについて気になる人は参考にしてください。

学習塾業界の現状について

学習塾業界の現状について

学生塾業界におけるM&Aの動向について理解するには、業界の現状を把握しておくことが大切です。まずは、学生塾業界の現状について解説します。

少子化の進行による生徒数の減少

昨今、社会問題である少子化は、さまざまな業界に影響を与えています。学習塾業界も同様であり、少子化により子どもの人数が減ったこと で、学習塾の生徒数も減少している状況です。特に地方の学習塾で生徒数の減少が顕著であり、経営改善を行っても生徒を集められないと懸念されています。

生徒数が減少することで利益が得られず、設備費や人件費、教材費などの固定費を支払えなくなり廃業する学生塾も存在するでしょう。さらに、学習塾業界は参入障壁が低いため、生徒数に対して学習塾の数が多く、他社との競争も激化しています。

人件費の向上に伴う利益率の低下

近年、学習塾では、優秀な講師を確保するために待遇改善を行っており、人件費が上昇傾向にあります。 その結果、生徒数が増え売り上げは増加しているものの、利益率が低下しているというのが現状です。

学習塾業界全体の人件費の上昇は、塾の利益率に悪影響を及ぼしており、収益性と教育品質のバランスが重要な経営課題の1つとして挙げられます。

AI・IoTの普及や新しい学習範囲への対応

AIやIoTなどのテクノロジーの進化は、さまざまな業界に変革をもたらしています。学習業界においては、AIを活用した「オーダーメード学習」がその一例です。オーダーメード学習とは、各生徒の得意・不得意をAIが分析し、その人に合った学習カリキュラムを提供する方法のことを指します。AIやIoTの技術を導入した学習塾は、今後も増えていくでしょう。

また、近年では学校での学習範囲が広がり、学習塾はこれに対応することが求められます。例えば、「新学習指導要領 」の実施により、小学校での英語教育が必修化されました。さらに、プログラミング教育を導入している学校 もあり、学習塾はこれらに対応しなければなりません。

個別指導塾の増加

近年では、生徒と講師が「1対1」で指導する個別指導塾が増えています。以前は、講師1人に対して、多くの生徒を指導する集団指導が一般的でした。しかし、昨今では生徒それぞれの理解度やニーズに応じた指導を重視する傾向が強まり、個別指導塾が主流になりつつあります。

個別指導塾が増加した背景には、子どもの将来を重要視する家庭が増えたことにあるでしょう。実際に、国が調査したデータによると、子どもの人数は減っているものの、1人当たりの教育費は増加傾向 にあります。

eラーニングへの対応

近年では、オンライン上で指導を行う「eラーニング」を導入する学習塾が増えています。これまでは、各地に学習塾を開きその地域の生徒を集めるのが一般的でした。しかし、eラーニングを導入すれば、生徒を全国各地から集めることが可能です。そのため、子どもが少ない地方の学習塾であっても、安定して生徒を確保できるでしょう。

また、オンライン授業を録画していれば、いつでも復習を行えるため、学習効率の向上にも期待されます。

学習塾におけるM&Aの動向

学習塾業界は、生徒数減少や新たな学習塾の在り方などへの対応が求められており、M&Aを実施する動きが活発化している状況です。ここでは、学習塾業界におけるM&Aの動向について解説します。

事業拡大やサービス向上を図る同業種間でのM&Aが増加

昨今の学習塾業界では、事業拡大やサービス向上を目的としたM&Aが増加しています。先述の通り、学習塾業界は生徒数が減少しており生き残るには、新たな生徒を確保することが重要です。そのため、同業種間でのM&Aにより事業拡大を図り、新たな地域の生徒を確保する動きが活発化しています。

さらに、競合が多く存在する学習塾業界において、他社との差別化を図ることは大切です。その一環として、M&Aにより優秀な講師を確保し、サービスの品質を向上させる動きがあります。生徒数が減少しているのに対し、競合が多い学習塾業界では、事業拡大やサービス向上を図る同業者間でのM&Aは今後も増えると予測できるでしょう。

学習塾と異業種企業によるM&Aも増加

近年では、学習塾と異業種企業によるM&Aも増加しています。先述の通り、学習塾業界ではAIを活用したオーダーメード学習や、eラーニングの導入などテクノロジーを活用した指導が増えている状況です。

しかし、こうした技術を自社のみで導入するのは難しいでしょう。そのため、IT企業とのM&Aを実施し、テクノロジー技術を導入する学習塾が増えています。生徒数の減少や多様なニーズに応えるには、テクノロジー技術の活用は欠かせません。そのため、こうした技術を導入する目的のM&Aは、今後も増え続けるでしょう。

【売り手側】学習塾におけるM&Aのメリット

【売り手側】学習塾におけるM&Aのメリット

ここでは、学習塾業界におけるM&Aの売り手側企業のメリットについて解説します。

後継者不足の解決

少子高齢化が進む昨今において、特に中小規模の学習塾では、後継者不足に悩まされている企業は多いでしょう。後継者が見つからず廃業した場合は、従業員の失業や在籍している生徒の学習スケジュールが崩れるなど、さまざまな影響を及ぼします。

後継者不足を解決し廃業を防ぐためには、M&Aが有効です。学習塾を存続でき、従業員の雇用継続や在籍生徒の学習を継続できるだけでなく、買い手側企業が大手の場合は従業員の待遇が向上する可能性があります。

譲渡利益の獲得

売り手側企業の経営者は、学習塾の売却により譲渡利益を獲得できます。

学習塾を存続できるうえ、譲渡利益によりまとまった資金を獲得できることは、経営者にとって大きなメリットでしょう。この資金は、セカンドライフを充実させるための資金源となるだけでなく、新しいビジネスへの再投資の機会をもたらします。

また、早期に売却すれば、財務的にもメリットが大きくより大きな譲渡利益を得られるでしょう。

教育レベルやサービスの向上

教育レベルやサービスの向上は、M&Aを通じて売却するメリットの1つです。新たな経営陣のもと資金・人材・ノウハウの面で充実し、その結果サービスの向上とより高いレベルの学習環境を生徒に提供できます。

専門的なノウハウを活用することで、これまで提供できなかった種類の授業や独自の教育プログラムも導入できるでしょう。

【買い手側】学習塾におけるM&Aのメリット

ここでは、学習塾業界のM&Aにおける買い手側企業のメリットについて解説します。

新規エリアへの進出

新規エリアに進出する際に、その地域でのシェアを広げるためにM&Aは有効な手段です。例えば、生徒を確保するために新規エリアへの進出を検討していても、その地域には既にほかの学習塾があり自社のみでシェアを獲得するのは困難でしょう。

M&Aにより、既にその地域でのシェアを獲得している学習塾を買収することで、そのまま活用できます。さらに、学習塾を開くのに必要な場所や、建物も既に揃っているため、スムーズに展開できます。

低リスクで学習塾事業に新規参入できる

異業種から学習塾業界に新規参入する際もM&Aは有効な手段です。

学習塾を開くには、設備や講師、生徒などを確保する必要があり、これらを異業種企業が自社のみで行うのは困難でしょう。また確保できても、学習塾のノウハウがなく事業がうまくいかないリスクも十分に考えられます。

M&Aにより、既に学習塾を運営している企業を買収すれば、必要なものやノウハウを活用できるため、低リスクでの新規参入が可能です。また、異業種間でのシナジー効果を発揮し、さらなる利益の獲得にも期待できるでしょう。

人材を確保できる

M&Aにより優秀な人材(講師)を確保できるのもメリットの1つです。近年、学習塾業界は個別指導塾が一般的となり、生徒1人に対して講師も1人確保しなければなりません。しかし、それだけの講師を確保するのが難しく、大学生のアルバイトに依存している状態です 。

M&Aにより、学習塾を開いている企業を買収すれば、その企業の経営豊富で優秀な講師を確保できます。人材を確保できるだけではなく、育成する手間とコストが削減され、教育サービスの質を維持しながら事業を拡大できるでしょう。

学習塾におけるM&Aの価格相場

学習塾におけるM&Aの価格相場

学習塾業界におけるM&Aを検討している人にとって、売却価格の相場について気になる人は多いでしょう。

学習塾は小規模でも成立しやすい事業であるため、中小規模の学習塾でも数千万円程度 になり、特定の地域のみで展開している学習塾だと数億円程度 にまでなることがあります。

また、学習塾のM&Aの売却価格は、学習塾を開いている場所や、講師・生徒の人数によって大きく変動するのが特徴です。例えば、大学生アルバイト講師に依存している学習塾業界において、経験豊富かつ優秀な講師を複数人雇用している学習塾であれば、売却価格が高額になります。

このように、M&Aの売却価格は条件によって変動しやすいため、正確な価格を算出するためには、M&A専門家に依頼するのがよいでしょう。

学習塾におけるM&Aの事例

ここでは、学習塾におけるM&Aの具体的な事例について解説します。

同業種同士のM&A

同業種同士のM&Aでは、集団指導を得意とするA社と、個別指導を得意とするB社により、大きなシナジー効果が発揮されました。

買い手側企業であるA社は、小学生・中学生・高校生を対象とした進学塾を全国で展開している会社です。一方のB社は、個別指導を中心に行っている会社であり、A社と業務提携を結んでいました。

A社は今回のM&Aにより、集団指導と個別指導のシナジー効果の獲得や、B社のフランチャイズのノウハウを活かした事業展開、首都圏での個別指導塾の拡充などの狙いがありました。その後、A社とB社の合意のもとM&Aが行われて、A社が全株式を取得し、B社を完全子会社化しました。

異業種同士のM&A

異業種同士のM&Aでは、異業種であるC社と学習塾の事業を展開するD社が、それぞれのノウハウを活用することを目的として行われました。

買い手側企業であるC社は、美容事業や和装宝飾事業などを中心に展開している会社です。一方の売り手側企業であるD社は、関東圏を中心に個別指導塾を展開していました。

C社のM&Aの目的は、学習塾業界へ新規参入することでした。一方のD社は、C社の他店舗展開のノウハウを活用して、人材の採用難の課題を解消することが目的です。

その後、C社はD社の全株式を取得し、D社を完全子会社化しました。

まとめ

まとめ

学習塾業界では、生徒数の減少や多様なニーズに応えるために、同業種・異業種間でのM&Aを実施する企業が増えています。

M&Aを実施することで、サービスの向上や講師の確保など多くのメリットがありますが、成功させるには専門的な知識が必要です。そのため、M&Aを実施する際には、M&A専門家への依頼が不可欠でしょう。

「M&Aベストパートナーズ」では、さまざま業界におけるM&Aの実績と知識を持ったアドバイザーを複数雇用しています。学習塾におけるM&Aを検討している人は、「M&Aベストパートナーズ」にご相談ください。

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