M&Aストーリー M & A Story
株式会社山建重機

会社を畳むよりも、M&Aで一緒にやっていける同業者と

会社名
株式会社山建重機
業種
建設業
M&Aで達成した内容
後継者問題の課題

M&Aに至る背景実際に話を聞いてM&Aへの印象に変化。会社の資産価値が明確になり「ただ退職するだけでは意味がない」。

M&Aに至る背景
株式会社山建重機は1990年に創業し、土木工事を主軸に事業を展開してきた企業だ。創業者から継承されたこの会社は、取締役社長 山本浩貴氏の手によって継がれ、長年にわたって地域社会の基盤整備に貢献してきた。

山本氏は新卒で山建重機に入社し、一度は外の世界を見るために他社へ転職。半年ほどで山建重機へ戻り、その後、当時山建重機の代表取締役を務めていた山本氏の父が亡くなり母が社長職を引き継いだ。母が70歳で社長職を退くまでの間、母の下で、社長としての心構えや経営の知識を学んできた山本氏。そして、母の退任後に正式に代表取締役に就任した。

M&Aの検討は、元々計画にはなかったという。60歳で退職を前提としていた山本氏だったが、「ただ退職するだけでは会社に対して意味がない」と考えを改めることになる。この考え方は、本件担当をした当社アドバイザーとの出会いが関係している。アドバイザーからの話を聞く中で、M&Aという選択肢が現実的であり、また会社の未来をより良い方向に導く手段であると感じたのだ。

実際に会って話を聞いてみると、非常に紳士的な印象を担当アドバイザーから受け、会社の資産価値を正しく評価してくれたと山本氏は語る。これまで母が「怪しいものは受け入れない」と拒否していたM&Aだったが、印象が変わり、会社の資産価値が思っていた以上に大きいことがわかったのだ。それが後に、M&Aに進む決定的な理由となった。

「正直、我々の会社がそんなに高い価値があるとは思っていませんでした」と山本氏は語る。「会社の売却について、実際に価値算定を受け、それが会社の真の価値なのかと驚きを隠せませんでした」
山本氏は「その金額を聞いてからは、本格的に売却を考え始めました。ただ、売るにしても会社に利益を残してくれるような形でなければならないと考えています」と付け加えた。会社を売却すること自体が目的ではなく、社員や関係者の未来、そして会社がこれまで培ってきた技術と信頼を守ることが山本氏にとっての最優先事項であることが伺える。

さらに、M&Aは山本氏が直面していた大きな問題を打開することにも繋がった。会社を畳むと決めた場合、残された資産が税金で持っていかれてしまうリスクがあったのだ。山本氏は、「仮に会社を畳むとなったとき、会社にお金があったとしても、結局は税金で持っていかれてしまう」と説明し、これがM&Aを進める一因になったという。

税金面の解決策として、社員の雇用を60歳まで保証することで、会社の資産を有効活用する方法を模索。社員に対しても責任を果たすことができると山本氏は考えた。

M&Aを検討する過程で、家族からの反応を山本氏に尋ねたところ、妻は特に反対することなく、「別にいいんでない」とサラッとした反応を示し、山本氏の決断を支持。

山本氏は「ただ退職するだけでは意味がない」という考えから、会社の資産を有効活用し、社員の未来も守るために、M&Aという選択を進めることにした。これにより、山建重機は新たなパートナーとの統合によって、さらなる成長と発展を目指すこととなった。

M&Aの決断長期的視点で同業者のなかでも元請けでやっているところが決め手に。

M&Aの決断
山建重機のM&Aは、同業他社との戦略的な統合という形で進行した。M&Aの決断に至るまでの背景として、特に重要だったのは、相手方企業の代表者像とその事業運営のスタイルだ。

山本氏は、M&Aを検討し始めた当初、相手方として株式会社永賢組を選んだ主な理由の一つとして、永賢組が同業界内で元請けとしての地位を確立している点を挙げている。元請けとしての立場からは、プロジェクトの主導権を握り、安定した事業運営が期待できるため、山建重機にとっても有利な統合が見込まれたのだ。

「永賢組は、業界内でしっかりとした地位を築いており、仕事を出す側の人たちとしての役割を果たしているため、これからも一緒にやっていけると確信しました」と山本氏は語る。この確信は、M&Aの検討を始めた初期段階で持っていたものだ。

また、M&Aのプロセス中には、デューデリジェンスや監査が行われ、一時は心配や不安が生じる場面もあった。「本当にまとまるのか」という不安が最も大きかったと山本氏は語る。一方で、永賢組との交渉は比較的スムーズに進み、2024年2月9日に最終的な契約を交わした。M&Aベストパートナーズとの初回打ち合せ日から約5ヶ月後のことだ。

初回TOP面談は2024年10月30日に行った。最初に永賢組の代表取締役社長 永草孝憲氏と会った際の印象について、山本氏は「若くてしっかりしており、同じような境遇で事業を行ってきたことから、心が温かいと感じた。これが決め手となった」と振り返る。このような人間的な繋がりも、M&Aの成功には不可欠な要素だ。

M&Aの振り返りと展望社員の“長い雇用”を第一に、協力してやっていきたい。

M&Aの振り返りと展望
手前側左:株式会社永賢組 代表取締役社長 永草孝憲氏
手前側右:株式会社山建重機 代表取締役社長 山本浩貴氏
山建重機のM&Aは、主に社員の長期的な雇用維持を目的として進行した。スタートしてからの振り返りと、今後の展望について聞いた。

M&Aが実施されてからの変化について尋ねると、山本氏は「そんなに変わらなかったけど、もっと口出しされると思っていたが、そんなことはありませんでした」と永草氏の印象を述べた。

M&Aの決定後、従業員に対しては「このまま変わらずに進めていく」というメッセージを伝えた。山本氏は、資本提携による子会社化が行われた後も、基本的な運営方針や文化は変わらないことを説明。社員からの質問も特になく、「長い雇用のためにやっている」という意図が理解されていることが確認できたようだ。

また今後の展望について、「どこまで行っても、永賢組の元請けとしての地位を生かし、共に売上を伸ばして長く続けていくことがメインの目標」と山本氏は述べた。この共同の目標に向けて、双方が協力して長期的な関係を築くことで、安定した雇用と成長を実現することに期待を寄せている。

M&Aの過程を振り返り、山本氏は経験を通じて学んだ教訓として、互いにリスペクトしながら効率的に事業を運営する重要性を強調した。M&Aによる組織の統合は多くの不安と疑問を伴うが、双方の協力と理解によって乗り越えることができる。今後も永賢組との協力関係をさらに深め、社員のために持続可能な成長を目指す方針を述べた。

M&Aストーリー

M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。

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