2023年11月16日

M&Aを失敗する要因と失敗を防ぐための方法と対策

MABPマガジン編集部

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M&Aを失敗する要因と失敗を防ぐための方法と対策

M&Aを実施する企業が増え続けるなか、「M&Aは必ずうまくいくのか?」と疑念を抱いた人もいるでしょう。

実際にM&Aは必ず成功するものではなく、失敗するリスクもあります。

これを防ぐためには、失敗する理由や、回避する方法などを把握しておくことが大切です。

この記事では、M&Aの失敗の定義や理由について解説します。

また、失敗を回避するための方法についても解説するため、M&Aを成功させたい人は参考にしてください。

M&Aにおける失敗の定義とは?

M&Aにおける失敗の定義とは?

M&Aは、シナジー効果の発揮や競争力強化など、さまざまな効果を得るために多くの企業実施している戦略です。

しかし、その成功の裏には数々の失敗例も存在します。

ここでは、M&Aの失敗の定義について解説します。

 

のれんの減損損失

M&Aの失敗の定義の一つとして、「のれんの減損損失」が挙げられます。

のれんとは、事業価値やブランド力、人脈など、M&A実施後にも収益が出る可能性がある無形資産のことです。のれんは、企業価値を算出する際の重要な項目の一つであり、この企業価値を基に、M&Aの買収価格が出されます。

M&Aを実施した際に支払われるのれん代は、実施後長期にわたり減価償却していくものです。そのため、適切な金額を算出するのが難しく、予定よりもシナジー効果が得られなかったり、成果がなかったりした場合、のれんの減損損失になる可能性があります。

 

投資対効果が見合わない

投資対効果が得られず、M&A実施後に買収金額を回収できない場合があります。これも、M&Aが失敗したといわれるケースです。

例えば、買収候補として複数の企業が一つの企業を奪い合っている場合、競争が激化し、買収金額が上昇する傾向があります。買収価格が高額すぎると、投資対効果が釣り合わず、実施後の回収が難しくなるケースもあるでしょう。

また、買収する企業の事前調査が不十分だと、実際の評価額よりも高い金額でM&Aが成立するリスクが高まるため注意が必要です。

 

企業イメージの悪化

M&Aにはさまざまなリスクがあり、場合によってはM&A実施後、企業のイメージが悪化する可能性もあります。

これもM&Aが失敗したといわれるケースの一つです。

例えば、コンプライアンスが欠如していたり、ハラスメント問題があったり、訴訟リスクがあったりなどの問題をかかえた企業があるとします。買収側の企業はこうした問題を確認せずに買収した場合、M&A後に買収側の企業のイメージが悪化するでしょう。

さらに、文化や宗教の違いがある海外企業とのM&Aでは、これらの問題がより顕在化しやすいです。

 

M&A後に粉飾が露呈する

M&Aでは買収側の企業が、売却側の企業に対して、財務状況や経営状況などを調査する「デューデリジェンス」と呼ばれる項目があります。

デューデリジェンスは、M&Aを成功させるうえで重要な項目であるため、専門家に依頼するのが一般的です。

しかし、稀に調査が不十分なことがあります。

その結果、M&A実施後に、不正会計や粉飾などが発覚し、買収側の企業の経営が悪化してしまうケースもあります。

M&Aが失敗する6つの理由

M&Aが失敗する6つの理由

ここでは、M&Aが失敗してしまう理由について解説します。

M&Aの目的が不明瞭

M&Aを実施する際には、明確な目的を決めるでしょう。

しかし、M&Aには、検討してから統合するまでに数か月と長くかかります。そのため、実施する最中に目的を見失い、M&Aそのものを目的となってしまうこともあるでしょう。これが、失敗の原因になる可能性があります。

M&Aは、企業のビジョンや目標を達成するための手段の一つです。

目的が不明瞭なままM&Aを進めると、経営資源を無駄にするだけでなく、企業の方向性も曖昧になってしまう恐れがあります。事業の拡大や利益の向上のためには、しっかりとした目的意識を持ち、計画的にM&Aを進めることが大切です。

 

デューデリジェンスが足りない

M&Aを進める際、売却側の企業の隠れたリスクや価値を探るためにデューデリジェンスは欠かせません。

このデューデリジェンスが不十分だと、期待するシナジー効果を大きく見積もりすぎて、企業価値を見誤って評価してしまうことがあります。

対策としては、デューデリジェンスの徹底を意識するほか、契約時に偶発債務に関する証明保証条項を設けるとよいでしょう。

 

過大評価による価格設定

M&Aの際の価格設定は、成功のカギを握る要素の一つです。

しかし、企業評価の専門知識が不足していると、他社の前例を意識するあまり過大評価してしまう恐れがあるでしょう。このような過大評価は、金額交渉の際に大きな障壁となり、適切な価格設定が難しくなります。

特に、経営統合後のシナジー効果を過度に期待し、高額な買収を行ってしまうと、実施後の業績悪化のリスクが高まるでしょう。価格設定の際には、事前の十分な情報収集と専門家との連携が不可欠です。

 

従業員の流出

M&Aが進行する過程で、売却側の企業の従業員が不安や反発を感じることは珍しくありません。買収側の企業が高圧的な態度で接した場合、反発が強まり、結果として従業員の離職を招くことも考えられるでしょう。

事業のキーパーソンや多くの従業員が離職した場合、その影響は組織全体に及び、業績や生産性の低下を招く可能性があります。従って、M&Aの成功のためには、初期段階から従業員との適切なコミュニケーションが大切です。

M&Aは単なる事業の統合ではなく、人々の統合でもあるため、人間関係の構築と維持を大事にする必要があります。

 

PMIの失敗

「PMI」は、M&Aが実施後にスムーズに統合するために必要な項目です。

このフェーズでは、企業の経営方針や制度、業務手順などを統一する作業を行います。しかし、事前準備が不十分だと、組織内での混乱が起こりやすく、シナジーを生み出すまでの期間が予想以上に伸びることもあるでしょう。

このような状態は、結果として業績の伸び悩みを引き起こす恐れがあります。そのため、M&Aの成功を目指すなら、PMIの過程での適切な計画と遂行が欠かせません。このようなアプローチにより、経営統合が円滑に行われて企業の成長を実感できるでしょう。

 

M&A進行中における売却側の大幅な業績悪化

M&Aのプロセスは通常、3ヶ月から12ヶ月ほど続きます。

この期間中、売却側の企業の業績が急激に下がることも考慮しなければなりません。例えば、交渉途中で売却側の企業が大切な顧客を失った場合、買収側の企業にも大きな痛手となる可能性があります。

そういったリスクを回避するため、M&Aが進行している間も、売却企業の業績の変動を把握し、必要に応じて交渉のアプローチを調整することが大切です。情報を逐一共有し、適切に対応することが、M&Aの成功へとつながります。

M&Aの失敗を防ぐための方法

M&Aの失敗を防ぐための方法

M&Aは企業の未来を大きく左右する重要な戦略です。それだけに、失敗したときのリスクは小さくはありません。M&Aの失敗を防ぎ損失を出さないためには、成立後を見据えてあらかじめ対策を講じる広い視野をことが重要です。

ここでは、M&Aを成功させるための方法を詳しくご紹介します。

 

M&A成立後の明確な統合ビジョンを持つ

M&Aの成功のためには、単に企業を買収するだけではなく、そのあとの方針や目標をしっかりと定めることが大切です。

自社の特長や課題を理解し、どの企業を選び、どのような資源を手に入れるかの明確なビジョンを定める必要があります。

ただし、どれだけ最善を尽くしてもすべてのM&Aがうまくいくわけではありません。ときとして、計画を見直す勇気も必要です。失敗による損失を最低限に抑えるには、しっかりとした統合ビジョンを持ったうえで、柔軟な判断を心掛けることが大切でしょう。

 

M&A成立後のPMIの実施

先述の通り、M&Aが実施後には、PMIを行う必要があります。これは、買収側の企業と売却側の企業それぞれの責務であり、その統合の成功がM&Aの真価を示す瞬間となるでしょう。

多くの場合、3ヶ月の期間で、企業同士のシナジーを取り入れた中期経営計画の策定が求められます。また、M&Aの実施後の1年間は、その成果が問われる重要な時期と考えるのが一般的です。

上場企業の場合、株式市場からの評価も厳しく、しっかりとしたM&Aの成果を示すことが期待されます。統合の過程での計画性と迅速な行動が、成功への秘訣となるでしょう。

 

専門家のサポートを受ける

M&Aのプロセスは多くの要因によって成否が決まる複雑な経営戦略です。M&Aの専門家は、その成功を助けるための重要な役割を果たします。

しかし、専門家を選ぶ際には、自社の業界に精通しているかの確認が必要です。専門家は、M&Aに関する知識だけでなく、得意とする業界の知識も持っています。そのため、自社に合った専門家を選ぶことで、交渉や相手企業の選定において大きなアドバンテージとなるでしょう。

このような適切な専門家のサポートを受けることで、M&Aが失敗するリスクを減少させ、成功の可能性を高められます。

 

企業価値算定を行う

企業価値算定には、さまざまな方法があり、自社に合う方法を適切に選び、組み合わせることで、正確な企業価値を算出できるでしょう。

企業価値を算定する方法は以下の大きく3つに分類されます。

・マーケット・アプローチ
同じ業界の企業や似たビジネスモデルを持つ会社の取引価格・株価を参考にして、企業価値を見積もる方法です。市場の動向を直接反映させやすい特徴があります。

・インカム・アプローチ
企業の未来の収益を今の価値にして評価する方法です。特に、将来的な成長や利益を重視する場合に向いています。

・コスト・アプローチ
企業が所有する資産の価値を基に評価する方法です。土地や建物、特許などの資産が中心の企業の評価に適しています。

 

双方の情報格差をなくす

M&Aの過程で大切なのは、買収側の企業と売却側の企業が共有する情報の透明性を確保することです。

この透明性を実現するための手段として、デューデリジェンスが挙げられます。

デューデリジェンスは、M&Aの際のリスクをあらかじめ把握し、トラブルを未然に防ぐ役割を果たすプロセスです。このプロセスでは、潜在的なリスクだけでなく、M&Aを通じて得られるシナジー効果や新たなビジネスチャンスの確認も行われます。

情報の透明性を高めることで、双方の信頼関係を築き上げれば、M&Aは成功に近づくでしょう。企業同士のオープンなコミュニケーションは、M&Aの成功を後押しするピースとなります。

まとめ

まとめ

M&Aは、必ず成功するというわけではなく、さまざま失敗のリスクがあります。

のれん代の減損損失や、実施後の企業イメージの悪化はその一例です。

M&Aが失敗する理由は、目的意識の希薄さや情報不足、分析ミスなどが多岐にわたります。このような要因を防ぐには、豊富な知識や経験を持つ専門家のサポートが欠かせません。

専門家を活用することで、M&Aの成功の可能性は大きく高まります。

M&A失敗のリスクを減らし、成功させたいと考えている人は「M&Aベストパートーズ」にご相談ください。

著者

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