2023年4月19日
建材卸売業界の動向とは?M&Aを行うメリットについて業種別に紹介
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住宅や施設の建設に欠かせない「建材卸売」に興味がある人もいるのではないでしょうか。建材卸売業界では、企業間でM&Aを行うケースが増えています。

建材卸売業界への参入を検討するのであれば、業界の今後やM&Aのメリットについて把握することが大切です。本記事では、建材卸売業界の基礎知識から現状、動向、M&Aのメリットまで幅広く解説します。

建材卸売業界の特徴

まずは、建材卸売業界の基本事項について把握しておきましょう。建材卸売業界の概要や特徴について順番に解説します。

建材卸売業界について

建材卸売は、建設に用いる材料(建材)を仕入れて、工務店やハウスメーカーなどに販売するビジネスです。建設業界の企業が住宅や施設を建設するうえで、建材卸売業界の存在は欠かせません。

ただし建材卸売業界といっても、建材卸売に関わる企業(以下、建材卸売企業)の種類は多く存在します。具体的には、材料メーカーから建材を仕入れる商社、建設会社へ建材を販売する建材店、商社の建材を各建材店へ届ける流通会社、これらは全て建材卸売企業です。

このように、建材卸売業界は複数の企業が連携して建材を販売する性質上、多層構造を形成する特徴があります。

建材卸売業界の契約形態は主に3つ

建材卸売業界の契約形態は、主に次の3つです。建材卸売企業によっても、契約形態は異なります。

・製造委託契約

建材の購入側が、仕様を指定して製造を委託する契約形態です。建材をオーダーメイドしたい場合に交わされます。

・購買契約

決まったルールに沿って製造された規格品を売買する契約形態です。

・材工一式契約 建材の手配だけでなく施工もセットで委託する契約形態です。

建材卸売業界では取り扱う商品の種類が多い

建材卸売業界には、取り扱う商品の種類が多いという特徴もあります。これは、建材を求める顧客や施主(建設の依頼主)の多様なニーズに応える必要があるためです。建設する建物に合った素材や形状の建材を提供するために、さまざまな商品を用意しておかなければなりません。

商品の管理だけでなく、多くの仕入れ先・販売先を管理する必要があり、多くの人件費がかかります。

市場は地域ごとのリフォーム・新設住宅着工数に左右される

建材卸売業界は地域密着型の傾向があり、その地域の仕入れ先や販売先と取引するケースが多いです。そのため市場も地域ごとに形成され、建材卸売企業の需要も地域の市況に大きく左右されます。

地域の工務店やハウスメーカーの住宅着工件数が増えれば、それに呼応して建材卸売企業の注文数も増えるでしょう。一方で、住宅着工件数が減れば建材卸売企業の注文数も減ることになります。

建材卸売業界の現状

建材卸売業界への参入を検討するうえで、現状の需要や市場規模を把握することが大切です。ここでは、建材卸売業界の現状についてお伝えします。

資材・製品の需要

建材の代表といえる木材の需要について、林野庁のデータを基にお伝えします。木材の需要が高ければ高いほど、建材卸売業界にも多くの注文が入る可能性が高いでしょう。

林野庁の「木材需給表」によると、2021年における建築用木材の総需要量は約3,647万立方メートルです。これは総需要のうち約44%にあたり、半数近くの木材が建材卸売業界の取り扱い対象となっていることがわかります。一方、木材の国内自給率は約48%であり、半数以上は輸入品です。

引用:林野庁|木材需給表

また、建材の総需要量は2013~2021年で年ごとに軽微な前後がある結果になっています。しかし、2013年の総需要量が約3,982万立方メートルであると考えると、わずかな減少傾向にあるといえるでしょう。

新設住宅着工から見る建材業界の市場規模

業界の市場規模も大きくなります。 林野庁の「都市等での木材利用・木材輸出の展開」によると、令和元年時点の新設住宅着工戸数は約91万戸です。ここ10年あたりの推移としては、おおむね横ばいとなっています。なお、新設住宅のうち木造の割合は約6割弱で安定しています。

出典:林野庁|都市等での木材利用・木材輸出の展開

細かい前後はあるものの、上記の結果を見ると建材卸売業界全体の市場規模は安定しているといえるでしょう。

建材卸売業界の今後の予測動向

昨今では新型コロナウイルスやロシアの軍事侵攻など、世界情勢における不安も少なくありません。建材卸売業界が、こうした変化の影響をどれだけ受けるのか疑問に感じる人も多いでしょう。ここでは、建材卸売業界の現状を踏まえたうえで、予測される今後の動向について解説します。

木材の需要が高まる環境の整備

政府では木材の需要拡大を図るべく、さまざまな環境整備に取り組んでいることから、

今後は需要が徐々に高まっていくことが期待されます。

木材の国内生産量は増加傾向にある一方で、その必要性は消費者や民間企業に浸透していません。そこで政府は次のような取り組みを行い、消費者や民間企業の意識改革を図っています。

・木材の利用効果やエビデンスの整理・発信

・木の積極利用を推進する「木づかい運動」

・クリーンウッド(合法伐採木材製品)の推進

このような取り組みが自治体や企業を巻き込んで行われていることから、木材の需要拡大が期待できます。木材の需要が拡大すれば、建材卸売業界の市場規模も連動して拡大するでしょう。

リフォーム業界における市場の拡大が見込める

新設住宅着工戸数は前述のように安定しているものの、増加はあまり期待できません。新型コロナウイルスの影響により、商業施設などの建設需要の低下が懸念されています。また、ロシアの軍事侵攻による輸入建材の値上がりも、建材卸売業界にとっては大きな痛手といえるでしょう。

そこで今後は、リフォーム業界における建材卸売の市場拡大が期待されます。林野庁の「都市等での木材利用・木材輸出の展開」によると、住宅リフォームの市場規模は2018年時点で約6.9兆円にものぼります。

引用:林野庁|「都市等での木材利用・木材輸出の展開」

昨今のテレワーク拡大に伴い、自宅をビジネス向けにリフォームするケースも増えてきました。住宅の新設よりもハードルの低いリフォームは、建材卸売業界にとっても市場開拓の余地があるでしょう。

木材輸出の拡大

政府は日本国内だけでなく、海外のマーケットも視野に入れた取り組みを行っています。2025年に718億円、2030年に1,660億円の輸出額を目指すとしており、具体的な取り組みとして、以下を例に挙げています。

・中国や韓国などへの国産製材・合板の輸出促進

・米国向けの高耐久木材・フェンス材の輸出促進

・輸出に取り組む企業への支援

木材の輸出が増加すれば、建材卸売業界の市場拡大にもつながる可能性があります。海外向けに建材を販売するチャンスが増えることは、建材卸売企業にとっても売上拡大が期待できるでしょう。

建材卸売業界におけるM&Aの動向・メリットとは

近年では建材卸売業界において、企業間でM&Aを行うケースが増えています。ここでは、建材卸売業界におけるM&Aの動向やメリットについて解説します。

M&Aによる事業の拡大が予想される

M&Aが盛んに行われることで、建材卸売業界における事業の拡大が予想されます。複数の建材卸売企業を1つに統合することで、双方が持つ強みを活かしやすくなるためです。

建材卸売企業には木材に強い企業、金属材料に強い企業など、それぞれ得意分野があります。こうした企業をM&Aで1つに統合すれば、双方の商品やサービスを共用することが可能です。例えば、木材専門の企業が金属材料も扱えるようになれば、より手広く受注できるでしょう。

また、自社の業務プロセスとは異なる建材卸売企業を取り込むことで、生産性の向上も可能です。例えば、建材を仕入れる商社と届ける流通会社をM&Aにより統合すれば、仕入れから各建材店への流通までを一元的にコントロールできます。

このように建材卸売業界がM&Aを行うことで、受注拡大や生産性向上など多くのメリットが得られます。こうしたメリットを享受することで、事業を拡大させる建材卸売企業は増えていくでしょう。

【業種別】建材卸売業界におけるM&Aを行うメリット

M&Aといっても、統合する企業の組み合わせはさまざまです。双方ともに建材卸売企業(建材調達・建材流通・建材販売)のケースはもちろん、建材メーカーや建設会社が統合相手となるケースもあります。また、市場拡大を図って建設系以外の卸売企業と統合するケースも少なくありません。

M&Aによって得られるメリットは、双方の業種によって異なります。業種別のM&Aを行うメリットを下表にまとめました。

業種の組み合わせM&Aを行う主なメリット
建材卸売企業×建材卸売企業(同業種)商圏の拡大/経営基盤の強化
建材卸売企業×建材卸売企業(異業種)連携の強化/サプライチェーンの安定化
建材卸売企業×建材メーカー連携の強化/サプライチェーンの安定化
建材卸売企業×建設会社連携の強化/サプライチェーンの安定化
建材卸売企業×リフォーム会社市場拡大/提案力の強化
建材卸売企業×建設系以外の卸売企業市場拡大/提案力の強化/リスク分散

また、業種の組み合わせによらず得られるM&Aのメリットとして、「後継者不足の解消」が挙げられます。後継者不足に悩む企業は、M&Aによって相手方の企業に事業を委ねることが可能です。このように、建材卸売業界がM&Aを行うことでさまざまなメリットが得られます。

まとめ

建材卸売は、建設に用いる木材や金属といった材料(建材)を仕入れて、工務店やハウスメーカーなどに販売するビジネスです。

建材卸売業界の市場規模は、それなりに安定しています。一方で、建材の総需要量が減少傾向であることや、世界情勢の悪化による建材の値上がりといった不安要素もあります。しかし、政府による木材利用の推進や、リフォーム業界への市場拡大なども行われるため、今後の動向に注目すべきでしょう。

また、建材卸売業界がM&Aを行うメリットは多くあります。建材卸売業界で事業拡大を図るのであれば、M&Aについてより理解を深めていきましょう。建材卸売業界のM&Aに興味がある人は、M&Aのエキスパートである、M&Aベストパートナーズへぜひご相談ください。

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