2024年5月27日

【投資・融資・出資】事業資金の調達方法を徹底解説!

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【投資・融資・出資】事業資金の調達方法を徹底解説!

事業を運営する上で、資金はひとつの核です。特に新しい事業を始める際や、既存事業を拡大するためには、効果的な資金調達方法の選択が重要になります。

この記事では、投資、融資、出資の各手段を深掘りし、それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説します。

どの方法が事業のビジョンにもっとも適しているか、具体的な事例とともに掘り下げていきましょう。

投資、融資、出資の定義と違い

事業資金の調達手段としてよく用いられる「投資」「融資」「出資」。これらの言葉は、それぞれ異なる意味合いを持ち、企業にとっての影響も異なります。

ここではまず、それぞれの定義を明らかにし、どのように異なるのかを詳細に掘り下げていきましょう。

投資とは

投資とは、将来の利益を期待して、個人や企業などの第三者に資金を提供する行為を指します。この概念はもともと、企業への「資本」提供を意味していましたが、現在ではより広い意味で使われるようになりました。

投資者は、自らの資金を活用して他者の事業に対して資本を入れ、その事業が成功した場合には、投資した金額以上のリターンを得ることを目的としています

融資とは

融資は、金融機関や個人が利息を得る目的で他者にお金を貸し出す行為を指します。

この方法では、受けた側は借入れた資金に対して、約束された期間と利率に基づき利息を支払う必要があります。

融資を利用する主な理由は、資金を確保し、事業拡大や運転資金の補填、新たな投資機会への対応などが考えられるでしょう。

出資とは

出資とは、投資家が企業の発展と利益を見込んで、企業の株式や他の所有権を引き換えに資金を提供する行為です。この方法により、企業は必要な資金を確保することができ、投資家は企業の成長に伴う利益の一部を得ることを期待します。

出資者は通常、企業の株式を購入することにより、その企業の一部の所有者となり、利益分配や経営に対する発言権を持つことができます。これにより、投資家はただ資金を提供するだけでなく、企業の運営に積極的に関与する機会も持てるのです。

特に新興企業や拡大を目指す企業にとっての手段となることが多く、返済の必要がないため、資金繰りに柔軟性が増します。

投資、融資、出資の違い

投資は一般に、企業に対して直接資金を提供し、その成長に伴う収益を期待する行為です。

融資は、金融機関などが一時的に資金を貸し出し、定められた期間内に利息と共に返済を求める形式です。

一方、出資は、投資家が企業の株式を購入することで資金を提供し、企業の所有権の一部を取得することを意味します。

以上の特徴から、融資、出資ともに投資の一部ともいえるのです。

投資のメリット・デメリット

投資には多くのメリットと、それに伴うわずかなデメリットがあります。

ここでは、投資による資金調達が事業にもたらす様々なメリットとデメリットを、投資をする側と受ける側にわけて詳細に解説します。これらのポイントを踏まえ、投資の全体像を把握し、適切な調達方法を選択するための知識を得ましょう。

投資する側のメリット

株式投資の場合、多くの投資家にとって魅力的な選択肢です。その理由は主に以下の四つのメリットに集約されます。

まず、もっとも直接的な利益として、株価の値上がりから得られるキャピタルゲインがあります。

次に、配当金の受領も大きなメリットです。多くの企業は利益の一部を株主に配当として分配します。これはインカムゲインとして知られ、定期的な収入を求める投資家にとって魅力的なのです。

加えて、株主優待です。企業が株主へ提供する特典で、商品の割引やサービスの提供などが含まれます。この優待は、投資家がその企業の製品やサービスをより身近に感じる機会を提供し、企業への親近感を深める効果も期待できます。優待の内容は企業によって異なり、時にはその魅力が投資の決め手となるでしょう。

最後に、株式投資の重要な側面として、会社の意思決定への参加があります。株主は投票権を通じて、企業の重要な決定に影響を与えることができるようになるのです。

投資を受ける側のメリット

投資を通じて資金を調達する最大のメリットのひとつは、返済義務がないことです。

主にベンチャーキャピタルから投資を受けるのが一般的ですが、貸し付けではないため、返済を求められることはありません。これは通常、資金提供者が事業の株式を購入する形で投資を行うため、企業の成功とともに投資家が利益を得る構造になっているからです。

ただしベンチャーキャピタルは投資金額が大きい分、対象企業のビジネス計画や市場でのポテンシャルを厳しく審査するため、事前の準備が欠かせません

投資する側のデメリット

投資において、少額から始められる株式ミニ投資などの選択肢も増えていますが、一定以上の資金が必要となることは覚えておくべきポイントです。株式への投資の場合、その企業に合った資金を用意する必要があり、特に対象企業の規模が大きいほどそのリスクも植えていきます。また、市場の動きや経済状況により株価が下がってしまい、投資した莫大な資金が減少、あるいは倒産してゼロになってしまうかもしれない点にも注意が必要です。

投資を受ける側のデメリット

代表的なのは、経営権を握られるリスクです。株式などを通じて多額の資金を提供された場合、しばしば経営参加を求めることが考えられます。このため、創業者や現経営陣が事業の方向性について自由に決定することが難しくなるかもしれません。

また、必要な資金額の調達が難しい点も重要なデメリットでしょう。投資家は投資のリターンを求めるため、期待する成果が見込めないプロジェクトへの資金提供はしません。さらに、株式投資であれば、提供される資金に相当する株式を交付するため、株価が低いと、調達できる金額も小さくなってしまい、目的の金額を達成できない可能性が出てきます

融資のメリット・デメリット

次に、融資のメリットとデメリットを紹介します。

融資する側のメリット

融資のプロセスでは返済できる可能性が高い企業を選定します。財務状況が健全で、収益性の高い企業に対して融資を行うことで、貸し出した資金が期日までに確実に返済されるようにするのです。そのため、損するリスクはかなり小さいと考えられます。

また、融資を実行する際には、しばしば担保や保証人の提供を求めることが一般的です。これにより、万が一返済が困難になった場合でも、提供された担保から債権を回収することができるため、リスクがさらに低下します

さらに、利息収入を通じて安定した収益を確保できることも、融資する側の大きなメリットです。

融資を受ける側のメリット

融資を受ける際の主なメリットのひとつは、資金提供者が原則として経営に介入しないことです。経営者が自社のビジョンを曲げることなく事業を進めることができ、外部からの不必要な干渉を受けることなく、計画的に資金を活用することができます。

さらに、信用状況が良好であれば、低金利で多額の資金を調達することも可能です。出資と違い返済義務と利息は発生しますが、その引き換えに大きな金額の資金が得られるというのは大きな利点といえるでしょう。

融資する側のデメリット

融資先が計画通りに返済を行えない場合、返済計画の再確認や調整を行い、返済の目途を立てなければなりません。それでも返済が難しいと判断した場合、担保物件の競売や保証人からの弁済を求めることになります。

ただ、これらの措置は多くの手続きと時間を必要とし、煩雑なため、そういったリスクを想定した時間的な準備が求められます

融資を受ける側のデメリット

融資を受ける際には、投資や出資と異なり、返済義務が発生する点が大きなデメリットでしょう。元本だけでなく利息の支払いも必要となるため、資金繰りへの影響は避けられません

また、金融機関から受ける場合は厳しい審査を通過する必要があり、この過程で多くの書類を準備する必要が生じます。特に、担保や保証人が要求された場合、その準備のためにより時間と労力がかかるでしょう。

また、担保の提供が求められる場合、事業の資産を担保に入れることで将来の財務活動に制約が生じる可能性も出てしまうかもしれません。

出資のメリット・デメリット

最後に、出資のメリットとデメリットについて紹介します。

出資する側のメリット

出資においては、将来的に成長が期待される事業へ資金提供できることが大きなメリットといえるでしょう。

投資効率の向上が期待されるだけでなく、既存の出資先との相乗効果を生むこともできるかもしれません。相性の良い事業間での連携であれば、シナジー効果がより高まり、全体としての資産価値の増大が見込めるのです。

さらに、新しい市場や技術へのアクセスが容易になり、出資者自身のビジネスネットワークや知識の拡張にも寄与します。

出資を受ける側のメリット

出資を受ける際の最大のメリットは、返済義務がないことです。これは融資との大きな違いであり、資金を受けた企業が経済的な圧力を感じるはないでしょう。

また、出資者は通常、自らの投資経験を生かして、事業運営に役立つ具体的なアドバイスや戦略的な指導してくれることも少なくありあません。このため、特に新興企業や拡大を望む事業にとって魅力的な選択肢といえます。

出資する側のデメリット

企業が事業に失敗するリスクのほか、自然災害やコロナパンデミックのような予測不可能な外的要因によって業績が悪化する可能性は無視できません。業績が低迷すると、出資者が期待する配当金の支払いが見送られることがあり、これは投資の見返りとして計画されていた利益の遅延につながります。

また、企業が利益を上げている場合でも、内部留保を優先して配当が行われないこともあり得ます。これらの状況は、出資者にとっては資金の回収タイミングが大きくずれ、長期的な資金計画に誤算が生じてくるかもしれません。

出資を受ける側のデメリット

出資を受ける際、多くの場合、企業は自社の株式を投資家に交付します。これにより、投資家が企業経営に一定の影響力を持つようになるため、経営の自由度が制限されるリスクが生じます

さらに、企業の業績が向上すると、それに伴い配当金の支払いや株主優待のコストが増加します。

まとめ

本記事を通じて、事業資金の調達方法としての投資、融資、出資の各手法について、その定義や特性、それぞれのメリットとデメリットを詳細に解説しました。

融資も出資も投資の一部であり、融資では低金利での資金調達ができた場合には魅力的な選択肢ですが、返済義務や審査の必要性が課題となります。一方、出資は返済義務がなく経営に関するアドバイスを受けられる点が利点ですが、経営権の低下や業績とコストが比例してしまうのが懸念点です。

これらの情報を参考に、事業資金を調達する際はリスクとリターンを慎重に評価し、事業の将来にもっとも合った選択を行うようにしましょう。

こちらの記事は投資の美学クリプト≒フリプトの運営者様に記事監修して頂きました。

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