2024年2月14日

M&Aのアドバイザリー契約とは?概要や契約までの流れを解説

MABPマガジン編集部

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M&Aのアドバイザリー契約とは?概要や契約までの流れを解説

M&Aを検討する場合、M&A仲介会社から総合的なサポートを受ける「アドバイザリー契約」を締結するのが一般的です。

しかし、アドバイザリー契約とはどのようなものか知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、M&Aのアドバイザリー契約とはどのようなものか解説した上で、顧問契約やコンサルティング契約との違いや交渉方式・報酬体系・アドバイザリー契約の流れまで紹介します。

アドバイザリー契約とは?

アドバイザリー契約とは?

アドバイザリー契約とは、専門性の高い分野において外部の専門家や事業者から助言・提言を受ける契約を締結するものです。

M&A領域に限らず「アドバイザリー契約」は使用されますが、通常「アドバイザリー契約」と言うと、M&A領域における仲介依頼契約を意味するケースが多くなります。

M&Aを考えている売り手・買い手企業が、M&A仲介会社やM&Aアドバイザリー会社(以下、M&A仲介会社)とアドバイザリー契約を結び、M&Aに関連する総合的なサポートを受けます。

ではなぜM&Aにおいて「アドバイザリー契約」を締結するのでしょうか。

それは「M&Aの複雑さ」に起因します。

M&Aを実行するには経営実務・経営戦略から財務・法務・税務などに至るまで、高い知見・経験が必要となるのです。

例えば、売り手企業であればM&Aを検討する際には、まず自社の株式価値を正しく把握した上で、売却先を探索します。そして候補先の企業価値を見極めて相手企業の調査を行うなど、幅広い専門的な知識や経験が不可欠です。買い手企業であれば、買収を検討している企業の業界について深い知識も求められるでしょう。

これらの業務を自社の人材で遂行するのは簡単なことではありません。そこでM&Aを実施する際には、高い専門知識を持つM&A仲介会社とアドバイザリー契約を締結するのが一般的となっています。

 

契約形態の違い

アドバイザリー契約は、大きく分けて「専任契約」と「非専任契約」の2つの契約形態に分けられます。

専任契約とはアドバイザリー契約を1社に限定するもの。

一方の非専任契約は、複数のM&A仲介会社と契約を行います。

専任契約のメリットは、M&Aを1社のみに任せるため情報漏洩のリスクを低減できることです。また、1社と緊密な連携を図ることから、丁寧なサポートを受けられる利点があります。

一方の非専任契約は、複数の業者の顧客層にリーチでき、買い手企業を短期間で見つけられるメリットがあります。

専任契約・非専任契約にはそれぞれデメリットもあります。専任契約では担当者と相性が合わなければ、契約を解除して他の仲介業者を探さなければなりません。その結果、時間・費用が無駄になる可能性があるでしょう。

非専任契約は複数の業者に情報を提供するため、情報漏洩のリスクが大きなデメリットとして挙げられます。また、専任契約と比べて担当者のモチベーションが上がらず、きめ細やかなサポートを受けられないおそれがある点も、欠点の1つです。

このように専任契約・非専任契約はそれぞれメリット・デメリットがあります。M&Aの内容に応じて契約形態を決めるようにしてください。

他の契約との違い

アドバイザリー契約には類似するその他の契約類型が大きく分けて3つ存在します。

  • 顧問契約
  • コンサルティング契約
  • 業務委託契約

ここではアドバイザリー契約と各契約の相違点を解説します。

 

顧問契約との違い

顧問契約とは特定分野において専門的な知識・経験を持つスペシャリストに相談をし、サポートを受ける契約のことです。

顧問契約の契約対象は、専門家が得意とする分野のみとなり、業務範囲は限定的であると言えます。

契約期間が長期に渡ることが前提な点も、顧問契約の特徴の1つ。契約期間中は専門家に対して毎月顧問料として報酬を支払う形となります。

一方のアドバイザリー契約は、M&Aの実現に向けて企業をサポートする契約です。

そのためアドバイザリー契約の対象期間はM&A成立時までと限定的。その期間は数ヶ月〜1年程度と短期間となります。

報酬面でも月額報酬制を採用する「顧問契約」とは異なります。アドバイザリー契約ではM&A成立時に報酬を支払う「成功報酬方式」が一般的で、毎月の支払いは発生しません。

 

コンサルティング契約との違い

アドバイザリー契約コンサルティング契約との大きな相違点は、「アドバイスの対象範囲」です。

アドバイザリー契約では依頼企業の将来に対して財務・税務・法務などの視点から助言・提言を行うため、アドバイスの対象範囲は広くなります。

一方、コンサルティング契約は依頼企業が既に抱えている企業の経営課題を発見し、その解決のためにアドバイスを行います。そのためアドバイスの対象範囲は限定されたものとなります。

なお、コンサルティング契約ではコンサルティングが実際に一緒に働く、併走型のサポートを実施している企業がある点も、アドバイザリー契約との違いの1つです。

 

業務委託契約との違い

業務委託契約は、自社では対応が難しい特定の業務を外部に委託する際に締結します

業務の発注者から受注者に対して業務の遂行を引き受け、その業務遂行に対する成果として報酬が支払われます。

成果物が提出され、報酬が支払われた時点で契約が終了することから、アドバイザリー契約は業務委託契約の一部に含まれると言えるでしょう。

アドバイザリー契約の交渉方式について

アドバイザリー契約の交渉方式には、大きく分けて「アドバイザリー方式」と「M&A仲介方式」の2つがあります。

いずれかの交渉方式を取るかによりM&Aの成否が変わってきますので、確認しておきましょう。

 

アドバイザリー方式

1つ目の交渉方式が「アドバイザリー方式」です。

アドバイザリー方式では売り手・買い手企業がそれぞれ異なるM&A仲介会社とアドバイザリー契約を締結します。M&A仲介会社が売り手・買い手企業片方のみをサポートするため、依頼企業の利益を最大化するため力を尽くしてくれる点が、アドバイザリー方式のメリットです。

ただ、依頼企業の利益を最大化してM&Aを成約できるというメリットは、言い換えれば、交渉過程で双方が利益を主張し合うとも言えます。その結果、交渉が長期化したり、不成立となったりする可能性もある点には留意が必要です。

アドバイザリー方式は依頼企業にとって好条件でM&Aが成立する可能性が高いことから、規模が大きい案件や上場企業のM&Aで実施されるケースが多くなります。特に上場企業では、株主に大きく影響を与えるM&Aなど重要な経営判断を決定する際には精査が厳しくなるため、アドバイザリー方式が採用されています。

 

M&A仲介方式

2つ目の交渉方式は「M&A仲介方式」です。

売り手・買い手企業が同じM&A仲介会社とアドバイザリー契約を締結する点が、1社のみと契約を結ぶ「アドバイザリー契約」とは異なります。

同一のM&A仲介会社が中立的な立場からサポートするため、双方がバランスの良い結果を得られる利点があります。

とはいえ、中立的な立場からサポートを得るということは、依頼企業はある程度の妥協が強いられるとも言い換えることができます。

しかし、双方のニーズを把握し交渉を進めていくM&A仲介方式では十分に話し合いが行われることから、短期間でのM&A成立を目指しやすく、企業にとっては少ない負担でM&Aを進めていける点は大きな魅力と言えるでしょう。

M&A仲介方式は小規模・中小企業のM&Aで採用されるケースが一般的です。

 

アドバイザリー契約の報酬体系について

ここではアドバイザリー契約を締結する場合の報酬体系を紹介します。アドバイザリー契約で採用されている主な報酬体系は、以下の4つです。

  • 着手金
  • 中間報酬金
  • 月額報酬金
  • 成功報酬金

M&A仲介会社によって採用する報酬は異なります。それぞれの報酬体系について理解し、自社にマッチした報酬体系を選ぶようにしましょう。

 

着手金

着手金M&A仲介会社アドバイザリー契約を締結した段階で支払うものです。

M&Aを達成するために必要な調査や書類作成に着手金が充てられます。

M&Aの成約には最短でも数ヶ月、長ければ数年かかります。長期間かかっても会社の状況等により成約に至らないケースもあります。このような背景から着手金を支払う必要があるのです。

案件の規模で異なりますが、着手金の費用相場は50万〜200万円程度。ただ、近年は「着手金無料」を掲げる仲介会社も増えています。

なお、着手金は結果にかかわらず支払う必要があり、M&Aが失敗に終わっても返金されません。

 

中間報酬金

M&Aの手続きが進む中で発生する費用が「中間報酬金」です。

中間報酬金は成功報酬の一部を先払いする形をとっています。M&A仲介会社によっては事前調査の開始時やトップ面談時などに発生しますが、「基本合意書」の締結時に支払うのが一般的です。

ではなぜ中間報酬金を支払う必要があるのでしょう。それは中間報酬金を無料・成功報酬のみにしていると、M&Aが成約寸前に破綻した場合、M&A仲介会社は一銭も受け取ることができないためです。

このような理由からM&A仲介会社が契約をスムーズに進めるためにも、中間報酬金が設定されています。

中間報酬金の相場は成功報酬の10%〜20%程度、あるいは定額で100万円〜250万円程度に設定される場合が多いですが、近年の傾向として中間報酬金を設定しない企業も増加しています。

着手金同様、M&Aの成否によらず、一度支払ってしまうと中間報酬金は返金されません。

 

月額報酬金

月額報酬金一定期間内に受ける業務に対して毎月支払う手数料のことで、顧問料に近い形です。リテイナーフィーと呼ばれることもあります。

月額報酬金は売り手・買い手企業の現状分析調査や、候補先の探索、面談などにかかる活動費用に充てられます。そのため、M&Aの案件の規模・内容により相場はまちまちですが、月額100万円〜300万円と決して安くはありません。

しかし月額報酬金を支払うことで、M&A仲介会社から丁寧なサポートを受けられる点は大きなメリットであると言えます。

月額報酬金の支払期間は、M&A相手先紹介から交渉終了までで設定されるのが一般的です。

ただし、M&A需要の増加によりM&A仲介会社の競争が激化していることから、最近では月額報酬金を無料とする仲介会社もあります。

 

成功報酬金

M&Aが成約した段階で支払うのが「成功報酬金」です。

多くの場合、M&Aの取引金額に一定の報酬率を乗じる「レーマン方式」という計算方式が採用されています。

レーマン方式は以下の計算式です。

成功報酬金=報酬基準額(取引金額)✕報酬率

報酬基準額料率
取引金額が5億円以下の部分5%
取引金額が5億円超〜10億円以下の部分4%
取引金額が10億円超〜50億円以下の部分3%
取引金額が50億円超〜100億円以下の部分2%
100億円超の部分1%

計算例として「取引金額が9億円」の成功報酬金を確認してみましょう。

〈計算例取引金額が9億円の場合〉

①5億円以下の部分:5億円✕5%=2,500万円

②5億円〜10億円以下の場合:4億円✕4%=1,600万円

成功報酬金=2,500万円+1,600万円=4,100万円

レーマン方式を用いる際の取引金額には以下のようなケースがありますので、契約内容には注意が必要です。

  • 株式譲渡対価
  • 移動総資産(株式価格+負債総額)
  • 企業価値(株式価格・有利子負債)

アドバイザリー契約書について

アドバイザリー契約書について

実際にアドバイザリー契約を締結する際にはM&A仲介会社と「アドバイザリー契約書」を作成します。

締結の際にどのような項目を取り決めるのか、事前に確認しておくことが重要です。

ここでは契約書に盛り込むべき項目を解説します。

 

契約締結の対象企業

まず契約締結の対象企業を以下のように明確にします。

〇〇株式会社(以下「甲」という。)とM&A〇〇株式会社(以下「乙」という。)と乙が甲に紹介する候補企業(以下「丙」という。)とは、甲による企業連携の交渉・契約の締結(以下「本提携」という。)に関し、次の通り契約(以下「本契約」という。)する。

誰と誰を結ぶ契約なのか、契約の対象企業を明確にしてください。

 

業務内容と範囲

業務内容や範囲を明確にしておくことは、アドバイザリー契約では重要です。不明確な業務範囲を規定したり、特定した内容が不十分であったりすると、業務に支障が生じるおそれがあるためです。

具体的には以下のような業務が発生します。

  • 候補先企業の調査、選定、紹介
  • 交渉や各手続きに係るスケジュール調整
  • 企業評価に係るアドバイス
  • 候補先企業との交渉時の立会
  • 条件交渉
  • 各種資料の作成
  • 公認会計士や税理士、弁護士などの専門家の紹介
  • デューデリジェンスの調整など

契約書で責任範囲を明確にしておくことは、委託者・受託者双方にとって非常に重要です。

必ず規定するようにしましょう。

 

報酬体系と費用

M&A仲介会社によってアドバイザリー契約で発生する報酬はさまざまです。

着手金・中間報酬金・月額報酬金・成功報酬金など、採用する報酬体系を定めます。

  • 着手金:アドバイザリー契約時に支払う手数料。着手金の費用相場は50万〜200万円程度が一般的。
  • 中間報酬金:M&Aが進む中で「基本合意書」の締結時に支払う手数料。成功報酬の一部の先払いの意味を持つ。相場は成功報酬の10%〜20%程度。
  • 月額報酬金:業務に対して毎月支払う手数料。月額100万円〜300万円が相場の目安。
  • 成功報酬金:M&A成立時点で支払う費用。M&Aの取引金額に一定の報酬率を乗じる「レーマン方式」により算出された金額を支払う。

報酬とは別に「M&A業務を行う際に発生する費用」がある場合には、それらも明記します。具体的には候補先との交渉のための交通費や出張費、官報に公告を載せる際の公告掲載料などが挙げられます。

なお、これらの費用は依頼者が負担するのが一般的ですが、詳細に記載しておくことで後のトラブル回避に役立つでしょう。

 

秘密保持

M&A仲介会社が第三者への情報漏洩を禁止する「秘密保持契約」を規定する必要があります。秘密保持契約とは情報管理の方法や禁止事項について定めたものです。

秘密保持契約を定める理由は、M&Aを実施するには売り手企業がM&A仲介会社に対して秘匿性が高い情報を提供する必要があるためです。

万一、情報が漏洩してしまうと、検討しているM&Aが中止されてしまったり、現在の取引関係にも影響が出てしまったりするおそれがあります。自分の会社がM&Aを検討していると知った従業員が退職してしまうといったリスクも高まり、企業の存在にも影響を及ぼしかねません。

M&A業界には「秘密保持に始まって秘密保持に終わる」という有名な言葉があるほど、秘密保持は重要です。秘密保持契約の対象範囲・使用目的・契約違反が発生した場合の損害賠償などを必ず定義しましょう。

秘密保持契約の対象範囲、機密事項の取り扱い方法など内容が膨大になる場合は、アドバイザリー契約とは別に秘密保持契約を結ぶ企業もあります。

 

再委託の禁止

M&A仲介会社が受託者の了解を得ずに業務を別の第三者に委託することを禁止する旨を規定します。

再委託を禁止しておかないと、仲介会社が独断で外部の他の会社や個人に関連業務を委託するおそれがあります。もし再委託を行うと、外部の機関に自社の機密情報が漏洩してしまうリスクが高まります。

加えて、責任の所在が曖昧になる、安値で発注することにより業務の品質低下を起こしやすいといった問題も。

さらに委託者とM&A仲介会社との間に情報格差が生まれてしまい、交渉の際に不利になってしまうというデメリットもあります。このようなリスク面から、再委託の禁止を定める企業が少なくありません。

ただし、業務によっては再委任をするケースもあります。具体的には「デューデリジェンス(買収調査)」は仲介会社が弁護士や税理士・公認会計士などの専門家に委託することがあります。このような場合、但し書きで「委託者の承諾があれば第三者への委託が可能である」旨を明記し、委託者の同意や事前同意が必要なことを義務付けておきましょう。

 

直接交渉の禁止

売り手と買い手企業の直接交渉を禁止する項目が、多くのアドバイザリー契約には含まれます。

ではなぜ直接交渉が禁じられるのでしょう。それはM&A仲介会社が契約に基づき情報収集をし、候補先を見つけたとしても、依頼者が候補先と独自に直接交渉し契約を進めてしまえば、この契約はM&A仲介会社の紹介によるM&Aといえるかどうかが曖昧となってしまうからです。こうなってしまうと、M&A仲介会社は成功報酬の支払いを受けることができなくなってしまい、大きな損害を受けることになります。

万一、依頼者が契約に反して直接交渉を行った場合、M&A仲介会社は依頼者に対して損害賠償を請求できる旨を定めることができます。

アドバイザリー契約までの流れ

アドバイザリー契約までの流れ

最後にアドバイザリー契約までの流れを紹介します。

契約締結から契約終了までの流れを把握し、アドバイザリー契約をスムーズに進めましょう。

 

準備期間

まず買収・売却後のビジョンを検討します。M&Aを通じて実現したい目標が不明確であれば、M&A契約をスムーズにすすめることはできません。売り手企業はM&Aを行う目的や譲渡金額・譲渡タイミング・譲渡後の従業員の待遇などを明確にします。一方の買い手企業は、M&Aで達成すべき目的やゴールを明確にした上で、買収後の事業展開やコストなど明確な戦略を策定しておくことが重要です。

買収・売却後の目的が明確になった段階で、売り手または買い手企業はM&A仲介会社に対して問い合わせや個別面談を行います。契約前の相談は無料で行っている会社が多くあります。信頼できる相手かどうか見極める機会として活用し、自社にマッチした仲介会社を選定しましょう。

問い合わせや個別面談の結果、納得ができる相手であれば、売り手企業はこの段階でアドバイザリー契約を締結し、M&A仲介会社による支援がスタートします。

 

交渉期間

依頼するM&A仲介会社が決まったら、続いて「交渉期間」に入ります。

交渉期間段階では、売り手企業は「ノンネムシート」と呼ばれる企業名をふせた簡易の概要書を作成します。ノンネムシートには大まかな所在地や事業内容・売上規模・従業員数などを記載し、買い手企業に情報を開示するための事前準備を行います。

作成されたノンネムシートをもとに、M&A仲介会社が買い手企業にM&Aを打診します。買い手企業は実際に購入するかどうか検討し、さらに具体的な交渉を進めたい場合にはアドバイザリー契約を締結します。

その後、経営者同士の面談が行われます。経営者同士の面談ではこれまでの資料をベースに、経営方針や買収額、買収後の従業員の待遇などについて話し合いをおこないます。加えて数字ではみえない相手側の経営者の人間性や経営理念や考え方・企業文化などの疑問点も解決します。

面談の参加者は売り手企業側が株主・経営者、買い手企業側は経営陣やM&A担当責任者等が出席します。開催場所は売り手企業の雰囲気を確認するため、売り手企業の事務所や社内で行われるケースが多いでしょう。

トップ面談後、M&Aの交渉を進めていくとなれば、想定される買収価格や買収の条件などの基本的な内容が記載された「基本合意書」の締結をし、その後最終期間へ移ります。

 

最終期間

基本合意書の締結後、買い手企業による売り手企業の監査「デューデリジェンス」が実施されます。通常は買い手企業が弁護士や公認会計士、税理士などの専門家に依頼し、法務・財務・税務などの視点から調査を行い、売り手企業の価値やリスクを調査します。

デューデリジェンスはM&Aで買収をする際に重要な作業と言えます。なぜならM&Aで買収を行う場合、買い手企業は売り手企業が持つ負債ごと原則引き継ぐことになるためです。売り手企業が負債を抱えているにもかかわらず、その情報を共有せずにM&Aを進めてしまう可能性も否定できません。買い手企業にとって損な取引を回避するデューデリジェンスは、非常に重要な作業の1つなのです。

そして、デューデリジェンスの結果をもとに「最終条件の調整」が行われます。最終条件交渉の場では買い手企業はM&Aを成立させる前に解消してほしい事項や買収額などを指摘します。指摘を受けた売り手企業はその疑問点や問題を解決し、双方が納得するまで交渉します。

最終条件が調整できれば、M&Aの契約内容を確定する「最終契約書」を締結します。最終契約書はM&Aの成立に関して双方の最終的な意思決定を反映させたもの。法的な拘束力が発生します。契約後に契約を破棄するとなると、解約の申し出を受けた側は損害賠償を請求することができます。契約前には入念に検討して最終契約を締結するようにしましょう。

最終契約書を締結したら「クロージング」へと向かいます。クロージングでは株式等の引き渡しと対価の支払い、設立登記などが行われます。最終契約の締結からクロージングへかかる期間は最短で約1ヶ月、長くて約1年です。

M&Aのアドバイザリー契約について理解する

アドバイザリー契約とはM&A領域において外部の専門家から助言・提言を受けるサポートを締結することです。

アドバイザリー契約を締結すれば、企業の将来について財務・税務・法務などの視点から総合的なサポートを受けられ、煩雑なM&Aを円滑に進められます

アドバイザリー契約には混同しがちな他の契約として、特定な分野のみのアドバイスを受ける「顧問契約」。既に企業の中で発生している課題の解決に向けてサポートを受ける「コンサルティング契約」がありますが、アドバイザリー契約は特定の業務を外部に委託する「業務委託契約」の1種となります。

M&Aは相手企業の探索・選定から法務的・税務的な知識に至るまで、高く幅広い専門知識が不可欠です。また、M&A成約後の統合プロセスも複雑であり、自社の人材のみでこれらを完遂するのは非常に難しいでしょう。

M&Aを自社だけでできるか不安な場合は「M&Aベストパートナーズ」へお気軽にご相談ください。豊富なM&A事業継承・実績から、事業主様に最適なM&Aを支援します。

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

M&Aベストパートナーズのマガジン編集部です。

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