2023年12月25日

M&AにおけるMOUとは?記載内容やポイントを理解しよう

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M&AにおけるMOUとは?記載内容やポイントを理解しよう

M&Aの過程において、MOUの締結は重要な項目です。

MOUの意味や締結のタイミング、必要性について、詳しく理解している人は多くないかもしれません。

この記事では、MOUとはどのようなものなのかについて解説します。

また、MOUに記載すべき内容や、作成時のポイントについても解説するため、MOUについての知識を身につけたい人は参考にしてください。

MOUとは

MOUとは

M&Aを行うにあたって、MOUについての理解は不可欠です。

ここでは、MOUが具体的に何を意味するのかいつ締結すべきかなどについて詳しく解説します。

 

MOUの意味

MOUは、M&A実施時に買い手企業と売り手企業の合意の証として作成される書類であり、日本語では「了解覚書」と翻訳されます。

MOUの目的は、M&Aの大まかな方向性を買い手・売り手企業のそれぞれが確認・合意することであり、一般的に法的な拘束力はありません。ただし、MOUに記載される内容によっては、法的な拘束力を持つ場合もあります。

また、MOUと類似される語句として、「LOI」が挙げられますが、名称が異なるだけ大きな違いはありません。

 

MOUを締結するタイミング

MOU締結は、M&Aの交渉における重要な節目の1つといえるでしょう。

MOUは、交渉が具体的な段階に移行し、基本的な合意が形成された際に作成されるのが一般的です。そのため、MOUはM&Aプロセスのなかでも初期の段階で締結されます。

 

MOUの必要性

MOUは、特に買い手企業にとって重要な役割を果たします。

MOUを通じて買い手企業は、「独占交渉権」を確保し、売り手企業がほかの企業との交渉を行うことを防止することが可能です。

ただし、デジタル化が進む現代では、すべてのM&A取引においてMOUが必要とされるわけではありません。実際には、MOUを経由せずに直接取引が行われるケースも見られます。

MOUに記載する内容

MOUに記載する内容

MOU記載内容は、M&A取引の骨格を形成する重要な要素です。

M&Aの詳細を適切に記載することで、M&A取引の透明性と効率性が高まり、双方にとって有益な結果につながるでしょう。

ここでは、MOUに記載する一般的な内容を紹介します。

M&Aの買収価格と買収対象

MOUには、交渉の初期段階で設定された買収価格が記載されます。

ただし、この価格は概算であり、法的な拘束力はありません。売り手企業に対して行うデューデリジェンス(詳細調査)の結果に応じて、価格が変動することも考えられるでしょう。

例えば、デューデリジェンスにより新たなリスクが明らかになった場合は、買収価格が下がる可能性が高まります。

また、MOUには売り手企業の詳細情報を記載されるのが一般的です。

これには、買収される企業や事業部門、買収条件、進行スケジュールなどが含まれており、M&Aの基本的な枠組みを構築し、両当事者間の合意の土台を築きます。

 

活用するM&Aスキーム

MOUには、M&Aを実施する際のスキームを記載します。

M&Aスキームには、株式譲渡や事業譲渡などさまざまな種類があり、そのなかから買い手・売り手企業に合うものを選んで記載しましょう。

なお、M&Aでは、複数のスキームを組み合わせて用いることが一般的です。

そのため、用いるすべてのM&Aスキームを記載しましょう。また、買収価格と同様にM&Aを進めるなかでM&Aスキームの種類が変更される可能性もあります。

 

M&Aを進めるスケジュール

MOUには、調査期間、最終契約の締結予定日、クロージング日など、大まかなスケジュールを記載します。

一般的にMOUの締結後、1~4ヶ月後に最終契約が結ばれることが多いです。

スケジュールを設定する際は、最終契約日から逆算して決めます。

スケジュールの設定は、M&Aの進行を効率的に管理し、関係者間の調整を円滑に進めるのに役立つでしょう。また、交渉が難航し、最終契約が後ろ倒しになることも多くあり、その場合はスケジュールも調整します。

 

独占交渉権

MOUには、売り手企業がほかの企業と交渉を行わないことを保証する独占交渉権の付与を記載します。

独占交渉権の有効期間中は、法的な拘束力を持つため、売り手企業が違反した場合、買い手企業に対して違約金を支払う必要があります。これにより買い手企業は、安心して交渉でき、有利な状況で進められるでしょう。

独占交渉権の設定は、交渉プロセスを効率化し、両当事者にとって有益な結果をもたらすために必要といえます。

 

デューデリジェンスの調査範囲

MOUには、買い手企業が売り手企業に対して行うデューデリジェンスの調査範囲を記載します。

具体的には、財務や経営、労務などに関する必要な情報を提供することを定める項目です。

例えば、M&Aにより完全子会社にする場合は、売り手企業は自社に関するすべての情報を提供する必要があります。一方で、一部の事業のみを譲渡する事業譲渡の場合は、対象事業に関連する情報のみを提供します。

デューデリジェンスを通して得られる情報は、買い手企業が買収を行うかを決定するうえで欠かせません。調査範囲を明確にすることは、透明性と信頼性を確保するにあたって重要です。

 

公表

MOUには、「双方の合意なしにM&Aを実施することを公表してはいけない」ということを記載します。

独断の公表により、片方の企業にとって不利益になったり、買い手・売り手企業間の関係に悪影響がでたりするため、両社の合意に基づき慎重に決めることが大切です。

ただし、上場企業がM&Aの対象企業である場合は、MOU締結後の適時開示により、M&Aの実施について公表しなければならないケースがあります。

そのため、公表したあとにM&Aが成立しなかった場合、片方に大きな問題があったのではないかと考えられる可能性がある点に注意しましょう。

 

善管注意義務

MOUには、善管注意義務を記載するケースもあります。

善管注意義務は、M&A取引で売り手企業が、買い手企業の企業価値を損なわないように行動することを、義務付けるものです。

具体的には以下の内容が含まれ、売り手企業はこれらの行為を買い手企業の承諾なしに行ってはなりません。

・重要な資産の譲渡もしくは処分
・増資、減資
・多額の新規借入

善管注意義務の遵守は、M&A取引が完了するまでの間、買い手企業が予期せぬリスクに直面しないために、必要な内容といえます。

 

法的な拘束力が適用される範囲

MOUにおける法的な拘束力の範囲設定は、取引の安全性を保つうえで重要な項目です。

一般的に、MOUは法的な拘束力を持たないとされていますが、特定の項目には法的な縛りがあります。

例えば、独占交渉権や守秘義務の項目は、法的な拘束力を持ちます

法的な拘束力が及ぶ範囲を明確にすることは、双方の誤解を避け、取引の透明性を高めるために必要な処置です。

MOUを締結する際のポイント

MOUを締結する際のポイント

MOU締結する際は、いくつか注意が必要なポイントが存在します。

ここでは、特に重要なポイントについて解説します。

 

法的な拘束力を付与する条項は慎重に決める

MOUには、独占交渉権守秘義務など、法的な拘束力を持つ特定の項目が含まれるため、内容の選定には細心の注意が必要です。

仮に変更や追加が生じた場合、それぞれの合意のもとで再作成し、変更点を明確に記載することが求められます。MOUは事前の合意内容を示す書類であり、基本的には法的効力はありませんが、一部の項目においては法的な拘束力が生じるため、慎重に扱いましょう。

 

専門家と相談しながら進める

MOUの作成や交渉には専門知識が不可欠です。

特に、法的な拘束力を持つ項目を含む場合、その影響を正確に理解し、適切に対応するには専門家のアドバイスが欠かせません。

M&Aを成功させるには、専門家と協力して内容を適切に整理し、双方にとって最良の条件で合意に達することが重要です。さらに、内容に関する誤解や疑問が生じた場合、専門家はこれを解消し、適切なサポートを行います。

まとめ

まとめ

MOUとは、M&A実施時に買い手企業と売り手企業の合意の証として作成される書類です。

基本的には、法的な拘束力を持ちませんが、独占交渉権や秘密保持などの一部は法的な効力があります

作成や交渉には専門的な知識が必要であり、専門家との相談を通じて買い手・売り手企業が納得のいく合意に至ることが重要です。

M&Aを実施する際は、専門家のサポートは必須といえるでしょう。M&Aを検討している人は、「M&Aベストパートナーズ」にご相談ください。

実績豊富な専門家が皆様の事業の成功をサポートいたします。

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