現代のビジネスにおいて、サイバー攻撃は「万が一の脅威」ではなく、経営を大きく左右する「日常的なリスク」となっており、国内の情報セキュリティーサービス業界の市場規模は拡大を続けています。
そこで本記事では、情報セキュリティサービス業界の市場規模を詳しく解説します。
あわせて、市場での生き残りをかけて活発化しているM&Aの動向、そして実際に行われたM&Aの事例もご紹介するので、情報セキュリティサービス業界ないでの生き残り戦略を模索している方はぜひ参考にしてください。
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目次
情報セキュリティサービス業界の市場推移
はじめに、情報セキュリティサービス市場の現状を解説します。
情報セキュリティサービス全体の市場推移
情報セキュリティサービス業界全体の市場は、2022年度の6,014億円に対して2023年年には6,724億円と、前年比6.7%増と成長傾向です。
また、情報セキュリティサービス事業は長期に渡る契約のケースが多いため、今後も顕著な推移をしていくと予測されています。
コンサルティング・診断サービスの市場推移
情報セキュリティに関するコンサルティング、診断サービスは監査や評価、診断、規格認証が該当します。
監査・評価や規格認証はほぼ横ばいで推移しており、安定した市場とも受け取ることができます。
また、コンサルティングや診断サービスは拡大しており、全体では2024年度の売上は前年比19.0%増の2,888億円となっており、今後も成長を続けることが考えられます。
マネージド・運用サービスの市場推移
情報セキュリティサービス業におけるマネージド、運用サービスはSOC(監視対策作業拠点事業)、インシデント対応、フォレンジック、インテリジェンス情報提供が該当します。
これらのサービスは安定した成長をしており、2024年の売上高は前年比4.8%増の2,727億円です。
周辺サービスの市場推移
情報セキュリティサービスの周辺サービスとしては、電子証明書発行・PK型認証、リテラシー教育、資格取得支援、保険が挙げられます。
これらは、DXの推進などを背景とした人材教育需要の高まりによってリテラシー教育が特に成長しており、周辺サービス全体の2024年の売上高は前年比12.4%増の1,1108億円と大きく増加しています。
参考:特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会|国内情報セキュリティ市場 2024年度調査報告
情報セキュリティサービス業界のM&A動向
成長著しい情報セキュリティサービス業界ですが、さまざまな理由からM&Aが活発に行われています。
M&Aを行う主な目的を解説します。
不足するエンジニアの確保
情報セキュリティサービスに限らず、IT業界全体で慢性的なエンジニア不足となっています。
なかでも、情報セキュリティサービスは日々進化を続ける技術に対応するためのセキュリティ構築が求められており、エンジニアには専門的な知識と新たな技術へ対応する柔軟性も求められており、優秀なエンジニアの獲得競争が激化しています。
そこでM&Aを行い、他社の事業ごとエンジニアを囲いこむ、または大手企業の傘下に入り人的リソースを活用するM&Aが多く行われています。
円滑な事業承継
高齢化などを理由に事業承継をする経営者は少なくありません。
しかし、現在の日本では少子高齢化による労働人口不足が加速しており、後継者不在による廃業が増加しています。
そのため、第三者へと事業を承継して事業を存続させ、従業員の雇用も守るためのM&Aも多く行われています。
市場規模の拡大
情報セキュリティサービス業界は、業界全体の成長によって市場競争が激化しており、事業を拡大するためには入念な成長戦略構築が求められます。
そこで、M&Aによって他社を買収し、市場エリアを取り込んで拡大を目指す企業は少なくありません。
創業者利益の獲得
他社へと事業を譲渡し、創業者利益を得ようと考える経営者が増加しています。
創業者利益を得ることでアーリーリタイアが目指せるだけでなく、資金を活用して新たな事業にチャレンジすることも可能です。
また、借入金に対する個人保証からも解放されるため、精神的な負担を緩和することもできます。
内製化するため
これまで自社にないサービスを外部委託していた企業、また自社の情報セキュリティ対策を外部委託していた企業が情報セキュリティサービス事業を展開する企業を買収し、内製化を目指すM&Aも増加しています。
外部委託してきたものを内製化することによって委託コストを抑えられるだけでなく、手掛ける事業を増やし、企業価値向上にもつなげることが可能です。
情報セキュリティサービス業界でM&Aを実施する流れ
情報セキュリティサービス業界においてM&Aを行う場合、下記の流れで各プロセスが進められます。

これらのプロセスには専門的な知識やノウハウが必要となるため、M&Aを行う際はM&A仲介会社など、専門家のサポートを受けることが一般的です。
情報セキュリティサービス業界におけるM&Aの注意点
情報セキュリティサービス業界においてM&Aを行う場合、成功させるためにはいくつかの注意点があります。
M&Aを失敗させないためにも事前に注意点を把握し、慎重に各プロセスを進めるようにしましょう。
秘密保持契約(NDA)の締結
情報セキュリティでは顧客のさまざまな機密情報に触れており、これらの情報が何かしらの理由で漏洩した場合は企業は多くの責任を背負い、社会的責任を失墜させてしまいます。
このような最悪の事態を回避するためにも、必ず交渉相手と秘密保持契約を締結し、徹底した情報漏洩対策を講じるようにしましょう。
ステークホルダーへの十分な説明
M&Aを検討するにあたり、従業員や主要株主などのステークホルダーへ十分かつ丁寧な説明を行い、しっかりと理解を得るようにしておくことも必要です。
これにより、急なM&Aの発表による社内の混乱や株主に不信感を抱かれるといったリスクを回避することができます。
また、M&Aの交渉が進んだタイミングで取引先へも必ず周知を行い、今後の取引がどう変わるのか、または現状と変わらないのかなどを丁寧に伝え、取引が継続できるようしっかり働きかけることも重要です。
PMIの入念な準備と実行
M&Aは、最終契約書の提携で終わりではなく、経営方針や社風、業務プロセスなどを統合(PMI)することで初めて完了となります。
PMIを成功させるためには、M&Aの検討を始めた段階で理想とする着地点を決め、交渉時に対象企業と綿密な打ち合わせを行うなど、入念な下準備と実行が必要です。
まとめ
新たな技術が生まれ続けるIT業界において、情報セキュリティサービス事業は成長を続けており、市場競争は激しさを増しています。
また、抱える課題も深刻化しており、課題解決に向けたM&Aが増加傾向にあります。
私たちM&Aベストパートナーズでは、課題を抱える情報セキュリティサービス事業者がM&Aによってさらなる発展を目指していただけるよう、業界に精通した専任アドバイザーが責任を持ってサポートさせていただきます。
常に進化が求められる情報セキュリティサービス業界での生き残り戦略を模索するなかで、M&Aも選択肢の一つとして検討されている方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。
