【2025年版】人手不足倒産の動向|倒産回避に向けてできること

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

2025年11月、1月〜10月までの人手不足件数が過去最多を記録したという発表がされました。

本記事では、なぜ急激に人手不足倒産が加速したのか、その理由を詳しく解説します。

あわせて、人手不足倒産を回避して事業を続けるための方法もご紹介するので、人手不足に悩み、将来に不安を抱えている経営者の方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

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2025年の人手不足倒産は過去最多を記録

東京商工リサーチによると、2025年1月〜10月に人手不足が原因で倒産した件数が323件(前年同期比30.7%増)に達したことがわかりました。

年度の2ヶ月を残して、2024年度の人手不足倒産件数292件を大きく上回る結果となり、調査が開始された2013年以降、初めて300件を超える結果となっています。

参考:東京商工リサーチ1-10月の「人手不足」倒産323件、年間最多を更新 労働集約型で倒産が急増、「従業員退職」が1.5倍増

人手不足倒産が増加する原因

人材が不足する理由はさまざまですが、なぜ倒産になってしまうほど人手不足となってしまうのでしょうか。

人手不足倒産が急増してしまった原因を解説します。

少子高齢化による労働人口の減少

社会問題となっている少子高齢化は加速を続け、厚生労働省によると2025年には全ての団塊の世代が75歳以上となることが発表されています。

全人口の高齢者増加に反比例して労働人口は減少し続けていることが、人手不足倒産の大きな原因として挙げられます。

参考:厚生労働省我が国の人口について

人件費の高騰

物価高騰や最低賃金の引き上げ、少子高齢化などに伴う社会保険料の引き上げなどにより人件費も高騰を続けています。

また、労働人口減少によって加速する人材確保の競争も激化していることも、人件費を押し上げる要因となっています。

この結果、事業運営に必要な資金が人件費に奪われてしまうことで資金不足となり、倒産に至ってしまうケースもあります。

離職率の増加

企業が人手不足に陥ると、既存従業員への業務負担は増加し続け、離職者が連鎖的に増えて人手不足をさらに深刻なものとしてしまいます。

このように、さまざまな要因が重なることによって倒産リスクがより高まってしまい、過去最多の倒産件数に至ったと考えられます。

人手不足倒産を回避するためにできること

人手不足倒産を回避し、これまで守り続けてきた会社を守るためにできることとして、次のような方法が挙げられます。

採用方法の見直し

近年では、SNSを活用して企業・職場環境・従業員などを紹介して採用の間口を広げるといった施策が増加しています。

さらに、属性(国籍、年齢、雇用形態)にとらわれない柔軟な採用も有効とされており、多くの企業が採用方法の見直しに力を入れています。

労働条件・環境の見直し

新たな人材の雇用や既存従業員の離職を防ぐためには、福利厚生の促進、フレックスタイムやリモートワークの導入といった労働条件・労働環境の見直しも有効です。

特に近年ではワークライフバランスを重視する求職者が増えていることから、柔軟な働き方を推進する企業が増えています。

DX化の推進

福利厚生といった労働環境の見直しだけでなく、DX化の推進などによって業務効率を向上し、従業員の負担を軽減する施策も重要です。

業務効率の向上は既存従業員の負担軽減による離職率防止だけでなく、生産性向上による利益率上昇にもつなげることができます。

M&Aを活用した人材確保

人材を確保して人手不足倒産を回避するためには、M&Aも有効な選択肢といえます。

M&Aは対象企業の事業や市場エリア、ノウハウなどのほか人材も引き継ぐことが可能です。

M&Aによって引き継いだ人材は対象とした企業の事業に関する知識や経験を身につけているだけでなく、取引先との密接な関係も構築しています。

また、新たな人材を雇用・育成するためには時間とコストを必要としますが、M&Aであれば引き継いだ人材が即戦力として活躍してくれます。

M&Aによって人手不足を解消できた成功事例

私たちM&Aベストパートナーズは、これまで多くのM&Aを成功に導くお手伝いをさせていただいてきました。

実際に、M&Aによって人手不足が解消できた事例をご紹介します。

株式会社樫の木様

株式会社樫の木様は、介護事業を順調に拡大してきましたが、同時に深刻な人手不足に陥っていらっしゃいました。

そこで、地域に根付いた介護サービスを展開する人材確保をするためにM&Aを決断。地域社会への貢献を共に担ってくれるパートナーを見つけ、人材確保を成功させました。

医療法人清水桜が丘病院様

北海道釧路市で多くの患者様をサポートしてきた精神科のクリニックである医療法人桜が丘病院様は、一族だけで病院を維持することに難しさを感じていらっしゃいました。

そこで、患者様の心の健康維持を続けるためにM&Aを行い、人材だけでなく治療に必要な設備も確保することができるようになりました。

株式会社河合光機様

過去にM&Aの買い手企業となった経験もある株式会社河合光機様は、ワイヤーハーネス加工や自動車部品製造を手掛けてきた会社です。

将来を見据え、自社の持続的な成長と存続の実現を考えた結果、信頼できるパートナー企業に経営を任せることが最善策だと感じM&Aを実施。

このM&Aにより、待遇面を改善して人材が確保できただけでなく、既存従業員の安定的な雇用継続も実現することができました。

株式会社横浜システック様

コンクリート補修工事を請け負う株式会社横浜システック様は、深刻な人手不足に陥り売上の停滞にも頭を抱えていました。

悩んだ結果、自社の存続のためには人材の確保が急務であると考えてM&Aを決断。およそ半年という短い期間でM&Aを成立させることに成功し、従業員の待遇改善も実現することができた事例です。

株式会社日乃出エヤコン様

深刻な人手不足に陥っていた株式会社日乃出エヤコン様は、空調設備や給排水設備工事、電気工事などを手掛けてきました。

そこでM&Aの検討をはじめ、創業100年になる企業とのトップ面談を実施。このM&Aにより、買い手企業の協力を得ながら採用活動に力を入れられるようになりました。

有限会社ティー・エス・メディカル様

補聴器や医療機器販売、クリニックの開業支援などを手掛ける有限会社ティー・エス・メディカル様は、既存従業員に対して積極的に権限委譲を行ってきましたが薬剤師不足に頭を悩ませてきました。

この課題を解決するための方法としてM&Aを選択。契約を成立させて既存従業員の継続雇用と人材不足解消を実現しました。

進和基礎工業株式会社様

グラウンドアンカー工事や各種ボーリング工事を手掛ける進和基礎工業株式会社様は、人材不足を理由に依頼を断らざるを得ないほど深刻な状況となっていました。

そこで、同業種である大手工事会社とのM&Aを決断。このM&A成立によって、同社は人手不足の解消だけでなく顧客基盤の拡大、施工管理業務の効率化なども実現することができました。

まとめ

2025年10月、残り2ヶ月あるにも関わらず人手不足倒産件数が過去最高を記録し、今後さらに拡大することが懸念されています。

しかし、人手不足倒産を回避するためには少子高齢化や人件費高騰など、絡み合うさまざまな要因を解決する必要があります。

このように解決が困難とされる人手不足を解消し、事業を存続させる方法としてM&Aは非常に有効といえます。

私たちM&Aベストパートナーズは、人手不足に悩み、事業の将来に不安を抱える多くの企業様をサポートしてきた豊富な実績がございます。

人手不足を解消し、これまで守ってきた会社を存続させたいとお悩みの方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。

さまざまな課題を解決に導いてきたアドバイザーが課題を丁寧にヒアリングさせていただき、事業を存続させるためのお手伝いをさせていただきます。

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

石橋 秀紀

ADVISOR

各業界に精通したアドバイザーが
多数在籍しております。

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