近年の検査・検診センターでは、AIやゲノム医療の台頭によってデジタル格差が起こり、早急な出口戦略の策定が求められています。
そこで本記事では、検査・検診センター業界で起こっているデジタル格差の具体的な原因、単独でDX化を進めることで起こりうるリスクについて詳しく解説します。
あわせて、課題解決に向けて加速するM&Aの動向、実際に行われたM&A事例もご紹介します。
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目次
検査・検診センター業界を襲う「デジタル格差」とは
はじめに、なぜ検査・検診センターにおいてデジタル格差が生まれているのか、その具体的な要因を解説します。
AI画像診断と自動化ラインによる生産性の劇的な変化
デジタル技術は日々進化を続けており、近年ではAIを活用したダブルチェックの効率化、24時間稼働の全自動分析装置が誕生しています。
そのため、コスト的な問題でこれらの技術を導入できないセンター、また導入できたセンター間で技術力に格差が生じています。
「ゲノム・個別化医療」への対応が分岐点に
ゲノム医療や個別医療へのニーズの高まりにより、求められる内容が従来の数値報告から、予測や予防へとシフトしています。
そのため、高度な解析技術を保有しない施設が取り残されるリスクがあります。
検査・検診センターが単独でDX投資を行うリスク
デジタル格差を少しでも埋めようと、単独でDX化を目指す検査・検診センターは少なくありません。
しかし、以下のような理由から、単独でのDX投資にはリスクがあります。
膨大なコストと専門的な人材確保難
ITシステム開発・導入やサイバーセキュリティ対策には莫大なコストがかかり、投資資金を単独で回収することは難しいです。
また、IT業界ではエンジニア不足が深刻な問題となっており、検査・検診センターがIT人材を確保することが難しい状況となっています。
日々進化するIT技術に対するシステム変更費用
仮に自社開発ができたとしても、技術の進歩に対応するためにはその都度システムの仕様変更が求められ、常にコストが付き纏います。
そのため、自社開発をするためには安定した財務基盤と資金が必要です。
検査・検診センターのデジタル化を加速させる「戦略的M&A」という選択肢
単独でのDX化が難しいとされる検査・検診センターですが、近年ではこの課題を解決するためにM&Aが活発化しています。
M&Aを行う目的を解説します。
大手のリソースを活用する
前述したとおり、検査・検診センターが単独でDX化を進めるにはリスクを伴います。
そこで大手企業の参加となってそのリソースを活用し、デジタル技術を導入しようといった目的でM&Aを行うケースが増加しています。
IT関連企業とのM&A
IT関連企業とM&Aを行う検査・検診センターも増加しています。
このケースのM&Aでは、ITの専門家である企業と組むことでノウハウを取り入れ、デジタル化の後押しをしてもらうことを主な目的としています。
また、IT関連企業でも特にヘルスケアデータ(PHR)を必要とするテック企業側などは、リアルなデータを持つ検査・検診センターが魅力的な投資先であると考え、M&Aに合意するケースもあります。
検査・検診センターで実際に行われたM&A事例
デジタル格差の出口戦略として選択されるようになったM&A。
実際に検査・検診センターで行われたM&A事例をご紹介します。
札幌臨床検査センターによるM&A
2009年、北海道の札幌臨床検査センター株式会社は、主に医療機関へ医療機器や理化学機器、検査機器の販売や修理・保守を行うアクテック株式会社の全株式を取得、子会社化しました、
このM&Aにより、臨床検査事業と医療機器販売が一体となり、医療機関のニーズに対してグループ内での一貫対応を可能とするとしています。
なお、札幌臨床検査センター株式会社は2025年にMBOを実施することを発表、2026年に上場廃止となる予定です。
参考:札幌臨床検査センター株式会社|株式の取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ
参考:札幌臨床検査センター株式会社|株式併合、単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更、 並びに臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ
ビー・エム・エルによるM&A
2014年、臨床検査の受託業務を行う株式会社ビー・エム・エルは、臨床検査事業や調剤薬局事業を行う株式会社岡山医学検査センターの株式を取得、子会社化しました。
このM&Aにより、グループ内での競争力強化を図り、さらに総合力を発揮してこれまで以上の高品質・多様なサービス提供を目指すとしています。
参考:株式会社ビー・エム・エル|子会社の異動に関するお知らせ
まとめ
日々進化し続けるデジタル技術の影響もあり、近年の検査・検診センターではDX化の推進や競争力強化などを目的としてM&Aが選択されています。
しかし、M&Aを行うためには対象企業とのマッチングから交渉、契約に至るまでさまざまなプロセスがあり、自社だけで成功させることは非常に難しいです。
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