M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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M&Aストーリー
マイクロニック株式会社
ご成約事例
明治大学法学部の出身です。学生時代はアルバイトに明け暮れ、ベルボーイやウェイターといったホテルのさまざまな業務を経験しました。
1990年に新卒で大手不動産・建設会社に入ると、リゾート専門の部署に配属されました。ちょうどリゾートマンションが多く建てられた時代でしたが、5年ほど在籍したところで会社の業績悪化と営業部への異動が重なります。折しも父の体調が悪化したこともあり、退職を決めました。
その後、父が経営していたマイクロニックに28歳で入社しました。そして32歳のとき、病に倒れた父から社長を引き継ぎ、今年で27年目を迎えます。
マイクロニックは、ホテルをはじめ、旅館、研修施設、寮といった宿泊施設向けの客室管理システムについて、設計開発から施工までを手がけている会社です。
大きめのホテルに行くと、壁の機械にカードキーを挿して電灯をつけますよね。あの仕組みを最初に作ったのが当社です。この「キーセンサ」は当社の登録商標で、他にも客室の室温調整器や枕元のナイトパネルなど、ホテルの運営を助けるシステムを作っています。
さらに、技術を活かして警察署向けのシステムも手がけており、取引先は全国にわたっています。
マイクロニックは1978年、私の父がビジネスパートナー3人と一緒に設立した会社が始まりです。父が二代目、私が三代目の社長になります。私は5%ほど自社株を買って23年ほど経営を続けた後、3年前に父が亡くなったことで株式を相続し、オーナー社長となりました。
社長を継いだ1期目は経理面の問題が山積みで、その対応に追われて本当に大変でしたね。ビジネス自体もニッチな隙間産業で、大手企業のように大量生産すればいいという経営理念は通用しませんでした。
また、お客様はホテルや警察ですから24時間365日営業で、たとえ元旦でも対応せざるを得ません。そんなお客様をサポートしていることを念頭に置きつつ、今日まで歩んできました。
3年前、ふと「私はいつまで経営を続けることになるんだろう」と思ったんです。
社長になった当初は会社を大きくしようと考えましたが、能力的にも資金的にも現実が見えてきて、できないと悟りました。ここ10年ほどは会社を維持することが中心でしたね。
今いる社員も含めて、後継者はいません。子どもはいますが事業には興味を示さず、私自身も24時間365日営業の会社を継がせるのは忍びないと思っていて。そもそも「継がせる」という考え方が間違っていると気づきました。
実は54歳のとき、顧問の公認会計士から「M&Aを考えてみては。5年はかかる」と助言されました。ちょうど5年前のことです。当時は5%しか株式を持っていなかったこともあり「父が亡くなったら考える」と答えました。M&A仲介会社からも多くのDMが届いていましたね。
ただ、65歳になってから会社を売ろうと動いても、70歳過ぎまで働くことになります。それはキツいと思い、早めの売却を目指してM&Aの検討を決意したんです。
MABPの田部さんは、私と「リズム」が合う方でした。今風で小綺麗な印象の彼でしたが、一方で泥臭い仕事をしてくれるなど、面談を重ねるうちに印象はどんどん良くなっていきました。
M&Aは不動産業界と同じで、相性が大事だと思っています。田部さんは頻度よく連絡をくれて、こちらの質問にもタイミングよく返してくれるなど、とても仕事がしやすかったですね。
当社は規模が小さく、普通の営業なら避けるような案件です。それでも、ありえないんじゃないかと思うくらい頑張ってくれました。4月からの面談は50回を超えています。本当に素晴らしい対応でした。
M&Aを決意したものの、2025年の夏から翌年の3月いっぱいまではホテルや警察署の案件が続いてとにかく忙しく、全国を飛び回っていました。多くのM&A仲介会社から連絡も受けていましたが、会う時間がなかったのでお断りしていましたね。
それが落ち着いた2026年4月に、MABPの田部さんと初めてお会いしたんです。そこから5月にかけて、5、6回ほど面談を重ねました。1回につき4時間半ほど、ざっくばらんに話しながら彼の人となりを把握して、最終的に田部さんにお任せすることを決めます。
すると彼は、慎重かつスピーディにお相手を探してくれました。同年5月下旬には今回の譲受企業さんとの初回TOP面談に臨み、9月末に契約を締結。株式を譲渡しました。
重きを置いたのは、既存社員の雇用継続です。社員だけでなく、彼らと同じような立場の役員も含めて会社がこれまでどおり維持されること。それが守られるなら私自身は即クビでもいいくらいに思っていました。
スピード感については、当初は着手から3年後、62歳くらいまでに決まればいいと考えていました。結果として、その想定を大きく上回る形で成約までたどり着けましたね。
やはり、私以外のメンバーの雇用、そして仕事環境が維持されるかどうかが心配でした。
今回のご縁は、私から見ればこれ以上ないくらいのいい条件だと受け止めていますが、それでも社員たちは動揺するだろうと思っていました。いくら私が説明しても、不安はなかなか消えないでしょう。お相手によっては、社員への説明そのものが大変になるとも考えていました。
彼らの不安な気持ちはよく分かっているつもりです。ですから今後も、社員には心配をかけないような経営をしていきたいと考えています。
お相手から条件書を受け取ったとき、その内容の良さに正直いって驚愕しました。
ファンドも含め、事業会社なら基本的に買い取った会社を吸収して、中でバラバラにするのが一番多いパターンでしょう。あるいは、保有してから売上を増やしつつ、5年ほどを目処に切り売りしてしまう。5年経てば私も65歳になりますし、大方そんな流れだろうと構えていたんです。
ところが、ベストキャピタルさんの条件書の中には、私が懸念していたことが一つも載っていませんでした。「こんなに条件がいいなら、売値はいくらでもいい」と思えたほどでしたね。
決め手は、売却を前提としない「永続保有」で、あくまで会社の維持を前提としたM&Aだったことです。これなら社員の雇用を守れます。このベストキャピタルさんの基本姿勢が、私の決意につながりました。
「やっと将来を計画できるようになった」と感じています。こんなに早くまとまったのは、ひとえに田部さんとベストキャピタルの皆さんのおかげです。
たまたまですが、M&Aを進めていた4月から9月は、私の手が空いている時期でした。この10月からは冬に向けて、東北や四国といった警察の仕事が次々とやってきます。機器の仕様上、資材は自ら車で運ぶことが多く、仕事のある時期は本当に時間がとれません。
面談や関連作業は大変でしたが、手が空いていた6ヶ月間で終えられて、タイミングも運もとてもよかった。担当の田部さんには本当にご尽力いただきました。ありがとうございます。
今は「ベストキャピタルさんという親会社ができた」という感覚ですね。これまでは全てが自前で資本力がありませんでした。この事業は、営業の人間と資本、そして協力会社がいれば売上を伸ばせると分かっていたのに、そのどれもが足りずできなかったんです。
M&Aを経て、それらを拡充できる環境になったので、すごく期待しています。27年間やってきて初めて、売上を増やすことだけに集中できるようになりました。これが一番大きいです。
人や資本の問題は、ベストキャピタルさんがいればクリアできます。今までの仕事取りは「無理ならやめとけ」でしたが、これからは「多少無理をしてでも取りに行け」と言える。本業に専念できて、とても気持ちが楽になりました。
なお、私自身は引き続き勤務する予定で、次の社長候補は、ベストキャピタルさんが外部から招き、一緒に育成する予定です。この新しい体制なら上場を目指す夢も描けます。20年前なら私自身が挑戦したかったですが、もう時間がありませんので、次の世代に託そうと思っています。
大切なのは、優先順位を付けることだと思います。売却方法は企業さんごとに異なります。M&Aを検討する事情として、その多くは後継者不在でしょうが、一方で、社員の雇用は守らなければなりません。
当社のように、田部さんにご縁をつないでもらったベストキャピタルさんのような企業を見つけられるのがベストです。ただ、それができないオーナーさんは、何を優先するのかを考えてからM&Aを検討したほうがいいと思います。
高く売りたいといっても、売り手と買い手のバランスで決まるので、必ずしも希望価格がつくとは限りません。後継者なのか、雇用なのか、自分はどうなのか。そうした優先順位をきちんと決めて、それを中心に据えて考えれば、おのずとやることが決まってくるような気がします。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
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