M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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M&Aストーリー
株式会社ディーエムエー
ご成約事例
私が起業したのは2008年、27歳の時です。創業当初は、システム開発やウェブ広告といったIT・デジタル領域の事業を中心に取り組んできました。
その後は事業をシフトさせ、現在は通販をメインに展開しています。「自分が本当に好きなプロダクトだけに特化する」という考えのもと、今日にいたるまで会社を運営してきました。
当社の主軸となっているのは、ウェブ通販事業と貿易事業の二本柱です。
通販事業においては、単に既製品を仕入れるのではなく、中国の製造業者の方々と密に連携し、自社オリジナルの商品をゼロから企画・開発しているのが大きな特徴です。
国内市場をメインに、これまでに幅広いジャンルの商材を販売してきました。現在のラインナップも非常にユニークで、アンティークな風合いを再現したレトロなLED照明をはじめ、メンズコスメやレディース用のインナーなど、多岐にわたるブランドを展開しています。
また、貿易事業については、北米のAmazonに出品するなど、グローバルな視点での販売チャネル拡大にも積極的に取り組んでいます。
開業から18年、無我夢中で駆け抜けてきました。過去にはスマッシュヒットが生まれる一方で、流行の終焉とともに売上が急に落ちるなど、危機感を抱いた時期もありました。
そうした経験を経て、ある時から「ニッチな世界でトップを取る」という戦略へ舵を切りました。自分の好きなものや興味が持てる領域に特化し、楽しみながらも攻め続けてきた結果、誕生したのが現在の主力商品たちです。
売上の急降下といった正念場もありましたが、自分や社員が心から「欲しい」と思える商品だけを手掛けてきたからこそ、苦労を苦労と感じず、今日まで歩んでこれたのだと感じています。
M&Aを意識するようになった直接のきっかけは、3〜4年前、同じく経営者であった父の引退を間近で見たことでした。
父は建設会社を経営しており、年齢的な理由からM&Aを検討していたんです。しかし父には「売却した後も会長に就いて面倒を見る」という強いこだわりがありました。結局、その姿勢が仇となって事業承継は上手くいかず、諦めて会社を清算する道を選んだんです。
その姿を横で見ながら、私は「レガシーを残せなかった」という寂しさを強く感じました。社長として事業を始めたからには、自分が心血を注いできたことを無駄にせず、次世代へと確実に引き継ぐことこそが、経営者としての真の「ゴール」ではないか。そう痛感したんです。
それ以来、私は自身の事業を整理し始め、多くの仲介会社から話を聞くなど、M&Aに向けた準備を進めてきました。
また、ビジネスを取り巻く環境の変化も無視できませんでした。当社は中国やアメリカの企業と深く関わっているため、仮に両国間で衝突が起これば、その影響は計り知れません。日本のGDPも頭打ちで、国内の通販市場も飽和状態に近づいています。
アメリカの事例を見ると、小売業は合併を繰り返し、資本力のある企業だけが生き残っている。日本でもいずれ同じ流れが加速するでしょう。であれば、事業が「最も油が乗っている時期」に決断し、最高の条件でお相手を見つけることこそが、最善の選択だと考えたんです。
MABPさんの前にも、他のM&A仲介会社さんからお話がいくつかありました。ただ、その多くは事業会社へ売却するスキーム案件でしたね。
当社の強みや魅力に目を向けてくれているというよりは、単に「福岡にある通販会社を欲しがっている買い手がいる」といった、記号的な扱いをされているようでした。上から目線を感じる担当者の方もいて、正直なところ、仲介会社さんにはあまり良いイメージを持てずにいたんです。
そんな中で、MABPさんからは「とにかく一度お会いしたい」と、熱心に何度も電話をいただいていました。その熱意に根負けし「一度だけなら」と面談を承諾したのが始まりです。
直接お会いして驚いたのは、担当となる木田さんの準備量でした。当社の事業内容や独自の魅力について徹底的に調べ上げ、把握されている。その姿勢から「この人なら信用できる」と直感しましたが、やり取りを重ねていくうちに、揺るぎない「信頼」へと変わっていきました。
木田さんとは、常にざっくばらんで、表裏のない率直な意見交換ができました。包み隠さず本音をぶつけ合える関係を築けたことが、私にとっては非常に大きかった。もし担当が木田さんではなく他社の方だったとしたら、私は今でもまだ、決断を下せていなかったと思います。
木田さんから提案されたのは、ファンドを活用するスキームでした。当初はファンドに対して漠然とした不安がありましたが、同級生が部長を務める会社がファンドの支援を受け、経営環境の改善や給与アップ、離職ゼロを実現したと聞き、イメージが劇的に変わりました。
折しも当社は、LED照明が好調でAmazonと製品の共同開発を行うなど、事業は過去最高の勢いにありました。しかし、これまでは独学の我流経営です。さらなる飛躍には、当社に足りない人的リソースや外部の専門知見が不可欠だと痛感していました。
プロの経営サポートを受け、自社だけでは到達できないステージへ成長させる。そのチャンスをつかむため、再出資とストックオプションを組み合わせた株式譲渡という、戦略的なスキームを選択しました。
具体的な流れとしては、2025年5月2日の初回トップ面談を皮切りに、交渉を重ねて同年12月11日には契約を締結。そして2026年1月8日、晴れて成約式を迎えることができました。
最も重視したのは、現行体制の維持と自由意志の確保です。これまで順調に成長してきた自負があり、会社のカラーを大幅に変えるようなことは極力避けたいと考えていました。
主要メンバーには早い段階からM&Aの意向を伝えていたので、特に混乱が起きることはありませんでした。「代表が決めたことならベストな選択なのだろう」と、私を信頼して受け入れてくれた社員たちには、本当に感謝しています。
また、長年の課題であった人的リソースの不足を解消することも大きな目的でした。これまでは少数精鋭を貫き、むやみな増員を避けてきましたが、結果として常に全員が「いっぱいいっぱい」で、商品開発のペースを早められないという弱点を抱えていたんです。
人を増やすことだけが正解とは限りませんが、今後はプロの知見と資本を借りて業務を分担し、現場の負担を軽減しながら成長を加速させていきたいと考えています。
最大の懸念は、社員にハレーションが起きないか、特に屋台骨を支える主要メンバーたちがどう受け止めるかという点でした。そのため、検討を始めた初期段階から、部長クラスのメンバーには「実はM&Aを考えている」と率直に相談を持ちかけていました。
そこで分かったのですが、現場を支える彼ら自身も、私と同様に人的リソースの限界や知見の不足を日々感じていたようです。なので、私の決断を前向きに捉えてくれました。
マラトンキャピタルパートナーズさんは、代表の方をはじめとして「非常に若いチームだな」という印象を持ちました。しかし、メンバーの中にはご自身で経営に携わった経験を持つ方がいらっしゃったことが、私にとっては非常に心強く映りました。
ファンドというと、どうしても数字や理屈だけで動くイメージを持たれがちですが、彼らは中小企業特有の内情や、現場が抱える特有の苦労についても精通しているように感じられたんです。
実はマラトンさんとお会いする前に、別のファンドさんとも面談していました。しかし、どうしても自分たちのペースや感覚が合わないと感じ、成約には至りませんでしたね。
マラトンさんを選んだ最大の理由は、私自身の個人的なリクエストも含め、こちらの意見を100%採用していただけたことです。
こちらの想いや考えを、どこまでも尊重してくれる姿勢を目の当たりにし「この方々なら信頼できる」と強く確信することができました。もちろんその陰には、MABPの木田さんが粘り強く交渉に尽力してくださった背景があるはずです。
そして最後は、マラトンさんがこれまで積み上げてこられた確かな実績です。経営のプロとしての裏付けと、人間的な信頼感という両輪がそろっていたことが、決断の決め手となりました。
成約を迎えた今でも、まだ大きな実感はありません。むしろ、マラトンさんからの支援を背負い、これまでの成長率を超える成果を出さなければならないわけで、少なからずプレッシャーを感じています。
これまで支えてくださった株主の方々にしっかりと還元していくためにも、身の引き締まる思いです。これまで以上に、真摯に経営に向き合っていこうと決意を新たにしています。
今回のM&Aでは、私自身も相応の資本を投下し、引き続き主要株主の一人として経営にコミットし続ける形を選びました。ですから、私の中では「2度目のイグジット」を目指すこれからこそが、本当の勝負だと思っています。
これまでは数多くのブランドを立ち上げてきましたが、正直に言えば、1つのブランドをじっくりと腰を据えて育て上げることはできていませんでした。「もしダメなら、また新しいブランドを作ればいい」という考えがどこかにあったのも事実です。
運良くヒット商品には恵まれましたが、今後はマラトンさんの力を借りて、これまでの事業をさらに強化していきたいと考えています。特に注力したいのは、ブランドの育成と、外部の知見を積極的に取り入れた商品開発です。
これらの取り組みとともに、事業のスピードも加速させていけば、今まで以上の売上成長を実現できると思っています。
私たちのような伸び盛りのタイミングこそ、中小企業は「戦略的なM&A」を真剣に考えるべきだと感じています。人口減少が進む日本において、もはや市場環境の好転は望めません。
業績が好調な時ほど「手放したくない」という心理が働くのは理解できます。しかし、調子が良い時だからこそ、自社の強みを最大化できるパートナーを選ぶことで、より確実で安定した成長を目指せるのではないでしょうか。
私にとって、ゼロから立ち上げた会社は子どものような存在です。だからこそ、その子が親の手を離れて独り立ちしていく姿を見守ることが、親としての本当の幸せであるとも思うんです。
会社を「自分だけの所有物」と捉えず、価値あるものを社会や社員と共有していく。社員一人ひとりの生活を守り、彼らがより安定して成長できる環境を整えることに注視すべきです。
M&Aは、その未来に向かうための前向きな「攻めの手段」であると私は考えています。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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