Webサービスやモバイルアプリ開発の市場規模は?M&Aの動向と成功事例も解説

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

近年、企業のDX推進やオンラインサービスの急速な普及により、Webサービス・モバイルアプリ開発の市場規模は年々拡大しています。

同時に、各社が競争力を高めるために外部リソースを取り込む動きも進み、アプリ・システム会社のM&Aは活発な動きをみせています。

本記事では、最新の市場規模データをもとに、Webサービス・アプリ開発業界の現状と将来性をわかりやすく解説します。

あわせて、近年のM&A動向、実際に成功した事例、そしてM&Aを成功させるポイントまで総合的にご紹介します。

「業界全体の流れを把握したい」「M&Aがどのような価値を生むのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

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Webサービスの市場規模

Webサービスにはさまざまな業種があり、定義によって対象が異なります。

本記事では、特に成長著しい以下の業種について、市場規模をご紹介します。

ITサービス市場全体の市場規模

ITサービス市場は、2024年に前年比7.4%増の7兆205億円を記録しました。

クラウド移行やDX化が主な成長要因と考えられており、今後も成長を続け、2029年には9兆6,625億円に達すると予測されています。

国内クラウドサービス事業の市場規模

国内におけるクラウドサービス事業は特に急成長しており、企業のDX化加速やAI需要の急拡大などを背景に、2024年は前年比29.2%増の9兆7,084億円に達しています。

今後も成長を続け、2029年には19兆1,965円にまで達すると予測されている市場です。

EC関連市場の市場規模

EC関連の市場については、新型コロナウイルスによる巣篭もり需要の影響もあって、特にtoC向けサービスの市場の成長が顕著となっており、2024年は前年比5.1%増の26兆1,225億円を記録しています。

参考:IDC Japan株式会社国内ITサービス市場予測を発表~AI活用の実践とユースケース拡大が市場成長を促進~
参考:IDC Japan株式会社国内クラウド市場予測を発表
参考:経済産業省令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書

モバイルアプリ開発の市場規模

モバイルアプリ開発の市場は、2024年上半期のアプリケーション開発・デプロイメント市場は前年比15.1%増の6,690億円超と大きく躍進しました。

この成長は、生成AIの普及によるAIプラットフォームの成長(前年比68.3%増)が大きな要因と考えられています。

Webサービス・モバイルアプリ開発市場のM&A動向

Webサービス・モバイルアプリ開発市場では、次のような要因によってM&Aが増加しています。

激化する市場競争への対応

Webサービスやモバイルアプリ開発に限らず、拡大を続ける市場では市場競争が激しくなっており、市場競争に負けて市場から撤退・廃業する企業は少なくありません。

そこでM&Aを活用し、大手企業の傘下へ入ったり、自社にないサービスを保有する企業を買収してサービスの拡充をしたりといったケースが増加しています。

スタートアップ・中小企業のM&A

スタートアップや中小企業を買収対象としたM&Aも増加しています。

特にスタートアップの場合は成長が著しいといった点から評価額が高くなる傾向があることから、創業者利益の獲得を目的として事業を手放すケースが少なくありません。

また、大手企業の傘下に入り、社会問題ともなっている後継者不足、人手不足を解消して事業を存続するために中小企業がM&Aを検討するケースもあります。

内製化を目的としたM&A

自社にないサービスを外部委託してきた企業が内製化し、ワンストップサービスを目指す目的で委託先を買収するM&Aも増加しています。

ワンストップ化することによって外注費を削減できるだけでなく、顧客満足度を向上して顧客単価をアップさせるといったメリットもあります。

Webサービス・モバイルアプリ開発市場におけるM&A成功事例

Webサービス・モバイルアプリ開発市場では、これまで数多くのM&Aが行われてきました。

代表的なM&A事例を4つご紹介します。

メルペイによるM&A

2020年、株式会社メルカリの子会社である株式会社メルペイがスマホ決済サービス「Origami Pay」の運営を行う株式会社Origamiの全株式を取得、子会社化しました。

このM&Aにより、株式会社Origamiはメルカリグループの傘下となり、激化するスマホ決済市場において両社の強みを融合し、独自の価値の提供によってさらなる事業の成長を目指すとしています。

参考:株式会社メルカリ当社子会社による株式会社Origamiの株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ

アクセルマークによるM&A

広告やloTヘルスケア、ブロックチェーン関連事業を展開するアクセルマーク株式会社は、ゲームやアプリ、XR開発、Web制作などを手掛けるスパイラルセンス株式会社の全株式を取得、子会社化しました。

このM&Aにより、アクセルマークのトレカ事業についてスパイラルセンスが保有するエンタメ開発力を活かし、EC分野での連携強化を図ります。

さらに、スパイラルセンスが保有する人材派遣・職業紹介の許認可を活用したエンジニア人材サービスの展開も視野に入れ、事業基盤の拡充を目指すとしています。

参考:アクセルマーク株式会社子会社等の異動を伴う株式譲渡契約に関する基本合意書締結のお知らせ

fonfunによるM&A

DXソリューションやクラウドソリューション事業を展開する株式会社fonfunは、2024年に株式会社ゼロワンが展開するノーコード業務アプリ開発SaaS事業を成就しました。

ゼロワンのノーコード業務アプリ開発SaaS事業はCRM領域で実績があり、この事業譲渡によってLINE配信によるfonfunのSMSサービスとのシナジー効果が期待されています。

参考:株式会社fonfunノーコード業務アプリ開発SaaS事業の譲受に関するお知らせ

Sharing InnovationsによるM&A

2022年、グランドインテグレーション事業やシステムソリューション事業、プラットフォーム事業、オフショア・ラボ開発事業を手掛ける株式会社Sharing Innovationsは、アプリ開発・ソフトウェア開発事業を行う株式会社インタームーブの株式を取得、子会社化しました。

このM&Aにより、インタームーブが保有するアプリ開発力を活かしてサービスの拡充を図り、企業価値の向上を図るとしています。

参考:株式会社Sharing Innovations株式会社インタームーブの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

Webサービス・モバイルアプリ開発事業のM&Aを成功させるポイント

激しい市場競争のなかで生き残る方法の一つとしてM&Aは非常に有効ですが、成功させるためには事前にポイントを把握したうえで実行に移すことが大切です。

顧客情報やノウハウのリスト化

「どのような取引先と付き合いがあるか」「独自の技術があるか」といったことは、無形資産として評価につながります。

M&Aの検討を始めた段階で顧客情報やノウハウの棚卸しを行い、できる限り自社の価値を高められるよう準備しましょう。

従業員の離職予防策の構築

労働人口減少が問題となっている昨今、人材は非常に重要な資産です。特にエンジニアやプログラマの確保は、多くの企業で課題となっています。

そのため、もしM&Aに対する反発や PMI(M&A契約締結後の統合プロセス)の心配による混乱などが生じた場合、優秀な人材が流出し人手不足を悪化させるリスクがあります。

M&Aをする際は、従業員への十分な説明はもちろん、契約締結後も定期的にアフターケアを行い、離職リスクを回避するための予防策構築が重要です。

最新技術への対応力向上

Webサービス・モバイルアプリ開発市場は、市場規模の拡大に伴い新たな技術がどんどん生み出されており、最先端の技術に対する対応力の有無がM&Aの成功に直結します。

特に、売り手となる企業の場合はAI・クラウド・loTといった最新技術のノウハウがあれば買い手が見つけやすいため、まずは現場を把握し、M&Aに向けて不足する部分をできる限り補えるようにしておきましょう。

簿外債務の確認

買手側にとって、M&A契約締結後に簿外債務が発覚した場合は多額の損害を被るリスクがあります。

売手側にとっても、信頼関係が崩れるだけでなく、M&A失敗による損害が発生する可能性があります。

このようなリスクを回避するためにも、買い手となる企業はデューデリジェンスを徹底し、売り手企業も透明性のある自社情報を提供できるよう準備しましょう。

業界に理解のあるM&A仲介会社への相談

M&Aのプロセスは非常に複雑で、取り交わす書類も多岐にわたるため、M&Aに関する専門的知識やノウハウが必要です。

そのため、自社だけで行うことには限界があり、M&A仲介会社などによるサポートが必要不可欠です。

M&A仲介会社を選ぶ際はWebサービスやモバイル開発だけでなく、IT業界全般に精通したアドバイザーが在籍しているかなど、業界に知見のある会社を選ぶようにするとスムーズに相談することができるのでおすすめです。

まとめ

IT業界は日々進化しており、なかでもWebサービス・モバイルアプリ開発は特に著しい成長を遂げています。

しかし、市場拡大とともに競争も激化しており、事業の存続をかけてM&Aを行う企業が増加しています。

「市場競争に打ち勝って事業を存続させたい」
「不足する技術を補ってさらなる成長を目指したい」

このようなお悩みのある方は、まずは私たちM&Aベストパートナーズへご相談ください。

業界に精通し、数多くのM&Aを成功に導いてきた専任アドバイザーが丁寧にヒアリングさせていただき、生き残るための最適な方法をご提案させていただきます。

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

石橋 秀紀

ADVISOR

各業界に精通したアドバイザーが
多数在籍しております。

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