内装工事業界は、建物内部の工事を行う業界です。
内装工事業界への参入を検討している人のなかには、今後の動向について気になる人もいるでしょう。
また、内装工事業界で生き残るには、いくつかの課題を解決しなければなりません。
この記事では、内装工事業界の今後の動向や現状の課題などについて解説します。
また、課題解決に効果的なM&Aについても解説するため、内装工事業界について気になる人は参考にしてください。
目次
内装工事業界の今後の動向とは?
内装工事業界の今後の動向について気になる人もいるでしょう。
内装工事業界は、新築住宅の内装工事とリフォームに伴う内装工事の2つに分けられます。
ここでは、それぞれの今後の動向について解説します。
新築住宅の着工数が減少する可能性がある
ここ数十年の間に新築住宅の着工数は減少傾向にあります。
国土交通省が出した新設住宅着工数の推移によると、2006年に128万戸あった新築住宅の着工数が2021年には86万戸までに減少しています。
(引用元:国土交通省│新設住宅着工戸数の推移)
このように、新築住宅の着工数が減少することで、内装工事の着工数も減少するでしょう。こうした新築住宅の着工数の減少は、今後も続く可能性があります。そのため、新築住宅を専門としている内装工事業者のなかには、関連事業や他業界の事業などと兼任している業者も存在するでしょう。
リフォーム市場は今後も需要がある見込み
新築住宅の着工数が減少している一方で、近年ではリフォーム市場の需要が高まりつつあります。
そのため、リフォーム市場に参入する内装工事業者は多いです。
社会問題である少子高齢化が進むにつれて、バリアフリーに対応するためのリフォーム件数が今後も増えると予想されています。また、地震や台風などの自然災害が多い日本では、建物の災害対策も十分ではありません。そのため、今後もリフォーム市場の需要が高まる見込みです。
内装工事業界がかかえている課題
内装工事業界では、他社との競争激化や人材不足などの課題をかかえており、生き残るためにはこれらを解決しなければなりません。
ここでは、その課題について詳しく解説していきます。
他社との競争激化
内装工事業界では業者数が多く、他社との競争が激化しています。これは、内装工事業界が参入しやすい業界であるためです。
参入しやすい理由として内装工事は少人数で対応できるので、設備投資も比較的少なく済むことが挙げられます。そのため、異業種からの参入も多く、限られた需要のなかで競合数が増加しているというのが現状です。
こうした状況下では、他社との競争が激化するでしょう。そのため、内装工事業界で生き残るには他社との差別化を図る必要があります。
人材不足と後継者不足
内装工事業界も含めた建設業界では、少子化の影響により若手不足や後継者不足などの課題が深刻化しています。
また、若手を確保できない一方で、高い技術力を持った職人たちの高齢化が進み、現場から離れていくというのが現状です。なかには、人材不足や後継者不足を解消できず、廃業を選択する業者も存在します。
国土交通省によると、内装工事業界を含めた建設業就業者のうち、約36%が55歳以上の人であるのに対し、29歳以下は約12%に留まっているといった結果が公開されています。若手の割合が低いため、このデータから、内装工事業界でも高齢化の影響を受けていることが分かるでしょう。
(引用元:国土交通省│最近の建設業を巡る状況について【報告】(2023年))
今後、内装工事業界で生き残るには、人材不足や後継者不足などの課題を早急に解消する対策が求められます。
内装工事業界における課題解決のためのM&Aについて
内装工事業界がかかえる課題の解決策として、M&Aを実施する業者が増加しています。
M&Aとは、企業の合併・買収のことです。
内装工事業界では、どのようなM&Aが活発に行われているのでしょうか。
ここでは、内装工事業界におけるM&Aの動向について解説します。
後継者不足を解決する目的のM&Aが増えている
内装工事業界では、後継者不足を解決する目的のM&Aが増えています。
これまで内装工事業界では、経営者が高齢となり後継者が見つからない場合は、廃業するケースが大半でした。
近年では、M&Aにより第三者へ事業を引き継ぐという方法が徐々に認知され始めたため、後継者不足の解決法としてM&Aを選択する業者が増加しています。
また、人材不足が深刻化している内装工事業界においても解消するための方法としてM&Aは有効であり、今後も増えると予測されるでしょう。
大手建設企業による内装・外装工事業者の買収が増えている
内装工事業界を含めた建設業界では、M&Aにより大手建設会社(グループ)が内装・外装工事業者を買収する動きも増加しています。
これは、総合新築事業もしくはトータルリフォーム事業を行っている大手建設会社(グループ)は、M&Aによって技術や人材を獲得しているためです。大手建設会社(グループ)による、内装・外装工事業者の買収は今後も続くでしょう。
また、大手元請け会社が、M&Aにより下請け会社を買収する動きも見られます。これは、元請け会社が下請け会社に依頼していた業務を、自社内で完結できるようにするためです。自社内で一貫して取り扱えることで、業務の質を高められたり、利益率を向上させたりなどの効果があります。
内装工事業界におけるM&Aのメリット
内装工事業界におけるM&Aの件数は増加していますが、M&Aを行うことでどのようなメリットを得られるのでしょうか。
ここでは、内装工事業界におけるM&Aのメリットを売り手・買い手企業に分けて解説します。
売り手側企業のメリット
内装工事業界における売り手側企業のメリットとして、「後継者不足の解消により廃業を回避できる」ことが挙げられます。先述の通り、近年では後継者不足を解消する目的のM&Aが増加しており、廃業を回避した業者は多いです。
M&Aでは、売り手側企業の従業員を買い手側企業へ引き継げます。M&Aによって第三者に事業承継することで廃業を回避できるため、従業員の雇用を維持できるという点は売り手側企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
また、大手企業の傘下に入れば、安定した経営も可能です。このように内装工事業界におけるM&Aを実施することで、売り手側企業はさまざま課題を解決できます。
買い手側企業のメリット
内装工事業におけるM&Aでは、買い手側企業にも多くのメリットをもたらします。
例えば、M&Aにより経験豊富で優秀な人材を確保できることが挙げられるでしょう。内装工事業界は、業者数が多く競争が激化しています。経験豊富で優秀な人材を確保できることは、他社との差別化につながるため、激しい競争のなかで生き残れる可能性が高まるでしょう。
また、M&Aによって買収先の顧客や取引先、ノウハウを獲得できることもメリットの一つです。これらを獲得できれば、事業拡大やエリア拡大などがスムーズに行えるでしょう。
まとめ
近年、内装工事業界では、新築住宅の需要が低迷しているものの、リフォーム市場の需要は高まりつつあります。今後、バリアフリーや災害対策などへの対応が求められると予想されているため、リフォーム市場の需要においては今後も続く見込みです。
内装工事業界では、人材不足や後継者不足、他社との競争激化などの課題をかかえています。このような課題を解決できず、なかには廃業した業者もいるでしょう。
M&Aは、こうした課題を解決するのに効果的な方法です。昨今では、課題を解決するための方法として、M&Aを選ぶ会社が増加しています。
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