建設業界の課題である若手不足の原因とは?改善方法についても解説

建設業界の課題である若手不足の原因とは?改善方法についても解説

建設業界をはじめ、多くの業界では若手不足や人手不足が深刻な問題となっています。

建設業界の若手不足には原因と課題があり、改善できれば人手不足解消の一手となる可能性があります。

この記事では、建設業界が抱える課題である若手不足の原因とその改善方法について解説していきます。

建設業界の課題である若手不足の原因

建設業界の課題である若手不足の原因

建設業界は、今後も需要のある業界といえますが、若手不足による人手不足が深刻化しています。なぜ人が集まらない状況になってしまうのでしょうか。

ここでは、若手不足の大きな要因について解説していきます。

給与が低い

建設業界は、給与水準が低い傾向にあります。

国土交通省が調査した「建設業における賃金等の状況について」によると、ほかの業種の賃金ピークが50歳以上であることに対し、建設業は40歳半ばから後半にかけてピークとなっています。賃金ピークの時期が早いことで生涯年収が低くなる可能性もあるでしょう。

また、建設業はハードな仕事内容であることも若手不足の原因の一つです。仕事内容がきついにもかかわらず、給与水準が低く、給与が上がらないことに不満を抱えた人の離職が発生することで、若手が不足していきます。

また、建設業のなかには月給制度ではなく、日給制の企業があります。

日給制の場合、悪天候で工事が中止になるとその日の給料は出ません。

季節や天気状況によって給与にばらつきが発生することから給与が安定しない点も、若手が不足する原因といえます。

 

遠方の工事が多い

建設業界における仕事は、近場での工事だけでなく、状況によっては遠方へ移動する必要があります。しかし、遠くに移動することを理由に作業開始時刻が遅くなることはほとんどありません。

そのため、作業開始時刻に間に合うように出勤しなければならず、朝早く家を出て夜遅くに帰宅しなければならない状況になります。

このように、仕事内容や工事現場などの状況に合わせて従業員が移動時刻を調整しなければならないことは、人によっては大きなストレスです。そのため、遠方での仕事が辛いことが原因となり、仕事を辞めてしまう人もいるでしょう。

 

危険が伴う

建設現場は木材や鉄パイプだけでなく、大型機材が導入されている場合があり、一歩間違うと作業中に怪我をする危険が伴う仕事です。

工事内容によっては高所に登って作業をしなければなりません。安全面には気を付けて作業をする場合がほとんどですが、不注意により怪我をしたり、最悪の場合死亡してしまったりするリスクがあります。

人によっては、危険な作業現場を担当したことに対して恐怖心を感じたり、トラウマになったりする人もいるでしょう。そのため、怪我や最悪のケースを考え、建設業界から離れる選択をする人も少なくありません。

建設業界が若手不足解消のために努力すべきこと

建設業界が若手不足解消のために努力すべきこと

建設業界の若手不足、人手不足には理由があり、課題として考えなければなりません。

ここからは、課題を克服するために建設業界が行っていきたい努力すべきポイントについて解説していきます。

 

建設業界のイメージをアップさせる

建設業界は、先述の通り給与水準が低い割に労働内容に危険が伴い、場合によっては作業環境がきついと感じる点が課題といえます。

そのため、建設業界の「働きづらそう」や「給料が低い」などのイメージを払拭しなければなりません。

このようなマイナスイメージを払拭するためには、働きやすい環境だと思ってもらえるようにPRする必要があります。

そのためには、女性でも働きやすい環境づくりや給与水準の改善、休みの取りやすさなど、働きやすいと感じられるような環境への改善をすることが重要です。

 

外国人労働者を採用する

日本人の若手労働者を雇えず、人手不足が続いている場合は、外国人労働者の導入を検討する方法も一つの手段です。

近年では、建設業においても外国人労働者を導入する企業が増えています。雇用する人材の幅を広げて採用活動を行うことで、人手不足の解消につながるでしょう。

しかし、労働者の出身国によって労働にまつわる法律が異なる点や、外国人労働者が働きやすくなるための設備などを準備する必要がある点は把握しておきましょう。

建設業界の若手不足を解消するために有効的なM&A

建設業界の若手不足を解消するために有効的なM&A

建設業が若手不足の課題を克服するために、労働環境の改善や外国人労働者の雇用といった方法もありますが、売り手側と買い手側の利害が一致した場合に利用できるM&Aも解決方法の一つです。

ここからは、M&Aを行うメリットやデメリットについて解説します。

 

建設業界におけるM&Aの動き

近年、建設業界では事業拡大や人手不足などの改善のためにM&Aを検討する企業が増加傾向にあります。

若手不足だけでなく後継者不足や経営難で悩んでいる経営者も少なくありません。

売り手側は、雇用している労働者を守り、今後も事業を継続していけるよう、ニーズに合った買い手に買収してもらうことで継承していけます。

これまで工事を外注していた建設業者を不動産やハウスメーカーが買収し、事業を拡大しているケースもあります。

 

【売り手側】建設業界のM&Aにおけるメリット

M&Aを実施することで売り手側にはいくつかメリットが得られます。

たとえば、現在雇用している従業員を守れることが挙げられます。

M&Aの際に、従業員の継続した雇用を条件とすることで、従業員は問題なく働き続けられます。また、買収先が上場企業であった場合は、よりよい労働条件で働ける可能性もあるでしょう。

ほかにも、若手不足や人手不足などにより浮き彫りになりがちな後継者問題の解決にもつながります。後継者がおらず、廃業を選択しなければならない問題をM&Aによって新しい経営者に引き継ぐことができます。

また、廃業する際には、事業所の処分や売却にコストがかかります。しかし、M&Aで新しい経営者を探すことで売却利益を受けられる点もメリットといえるでしょう。

 

【買い手側】建設業界のM&Aにおけるメリット

建設業界におけるM&Aでは、売り手側だけでなく買い手側にもメリットがあります。

建設業者を買い取ることで、事業拡大をスムーズに行える点です。

建設事業の拡大を図る場合は、従業員の確保、設備機械の購入、市場の調査など時間やコストがかかります。

しかし、M&Aを行うことで専門的な知識や技術、資格を保有した人材、設備機械、その企業のブランド力などを短期間で取得できます。

そのため、若手不足の解消に加えて、スムーズな事業拡大につながるでしょう。

また、M&Aによって会社の規模が大きくなることで、一度に大量の資材を購入できるようになり、値段交渉で費用を下げてもらったり、購入する頻度を減らしたりして輸送費用を抑えられます。

まとめ

建設業界は、将来性がある業種にも関わらず、ハードな仕事や給与水準が低さなどの原因により、若手不足が深刻化しています。

克服するためには、建設業界全体を通して労働環境の見直しを行ったり、外国人労働者を雇ったりといった対策が必要です。

そのほかの対策として、M&Aを行うことも有効的です。M&Aは売り手側、買い手側の双方に多くのメリットがあります。

建設業界におけるM&Aは、M&Aベストパートナーズにお任せください。

M&Aベストパートナーズでは、建設業界に精通した専門家によるサポートが受けられます。

建設業界内でのM&A実績も豊富にあるため、お気軽にご相談ください。

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

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