都市再開発や老朽化したインフラの修繕など、建設需要が安定して推移するなか、その中核となる鉄骨・鉄筋工事業は大きな転換期を迎えています。
熟練職人の高齢化や若手の減少、さらには資材価格の高騰といった課題が山積みの現在、多くの経営者様が「自社の技術と従業員をどう守るか」といった決断を迫られています。
本記事では、鉄骨・鉄筋工事業における最新の動向を踏まえ、新たな選択肢となるM&Aを成功させるポイントについてご紹介します。
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目次
鉄骨・鉄筋工事業界を取り巻く最新市場動向
近年の鉄骨・鉄筋工事業界は、かつてないほど複雑な経営環境におかれています。
2024年問題の適用による労働環境の変化や、世界的な鋼材価格の変動などは、中小企業の利益構造を大きく揺るがす原因になっています。
人手不足の深刻化と「2024年問題」の影響
少子高齢化に伴う熟練職人の引退と若手入職者の減少は、業界共通の最優先課題です。
さらに「2024年問題」による時間外労働の上限規制が適用されたことで、従来の労働力に頼った管理が限界を迎えています。
これにより、自社単独での維持が困難な中小企業が、リソースの豊富な大手・中堅グループの傘下に入ることで体制を立て直す動きが加速しています。
資材高騰が利益率に与えるインパクトと業界再編の動き
鋼材や物流コストの高騰は、下請け構造の強い鉄骨・鉄筋工事業にとって利益を圧迫する大きな要因です。
価格転嫁が追いつかない現場も多く、資金繰りの悪化がM&Aを検討するきっかけになるケースも見られます。
建設DXと老朽化インフラ改修に伴う底堅い需要
現場のデジタル化やBIM/CIMの活用など、近年の建設業にはテクノロジーへの投資が求められています。
しかし、中小企業が単独で高額なDX投資を行うのは簡単ではありません。
一方で、高度経済成長期に造られた建築物の更新需要は続くため、「技術力はあるが投資ができない企業」と「資本力がある企業」のマッチングが、近年のM&Aでは主流となっています。
鉄骨・鉄筋工事M&Aにおける売り手・買い手双方のメリット
M&Aは決してネガティブな「身売り」ではなく、双方の成長を加速させるための戦略的な選択肢です。
【売り手】後継者問題の解決と従業員の雇用継続
親族や社内に適任者がいない場合、本来であれば廃業しなければならないケースも多々あります。
しかし、M&Aによって第三者に事業を承継することで、長年築き上げてきた技術やブランド力、そして大切な従業員の雇用を確実に守ることができます。
【売り手】創業者利益の確保と個人保証の解除
会社を譲渡することでまとまった創業者利益を得られれば、ハッピーリタイア後のセカンドライフを充実させることができます。
また、多くの経営者様を悩ませている「銀行融資の個人保証(連帯保証)」が解除されることも、精神的に大きな安心感につながるでしょう。
【買い手】有資格者(施工管理・熟練工)の一括確保
採用難が続く現代において、ゼロから職人や施工管理技士を採用・育成するには膨大な時間とコストがかかります。
M&Aであれば、すでに現場で活躍している即戦力を一括で確保できるため、受注能力を大幅に高められます。
【買い手】対応エリアの拡大と受注・施工能力の増強
新たな拠点を一から開発するリスクを抑えつつ、未進出エリアへの足掛かりを築くことができます。
特に鉄骨工場の場合、製作工場の認可ランク(H/Mグレードなど)を互いに補完し合うことで、これまで手が届かなかった大規模な案件にも参加できます。
鉄骨・鉄筋工事M&Aを成功させるための4つのポイント
鉄骨・鉄筋工事のM&Aを成功させるためには、単に相手を見つけるだけでなく、自社の価値を正当に評価してもらうための準備が欠かせません。
施工実績と「選ばれる理由」の可視化
「どのクライアントから、どのような難易度の工事を請けてきたか」を、明確にリスト化しておきましょう。
特殊な工法の実績や、特定の地域における圧倒的なシェアなど、数字に表れにくい強みを可視化することが買い手への強力なアピールになります。
法令遵守(コンプライアンス)と社会保険加入状況の整備
建設業界では、コンプライアンスの遵守状況が厳しくチェックされます。
社会保険の加入状況、建設業許可の更新、安全管理体制が適切に運用されているかを事前に確認しておきましょう。
これらに不備があると、バリュエーション(企業価値評価)が大幅に下がる原因となり、最悪の場合は破談につながる恐れもあります。
キーマン(現場監督・職長)の離職防止対策
せっかくの譲渡後に現場の要となる人物が離職してしまっては、買い手にとっての価値が激減してしまいます。
経営者様の想いを丁寧に伝え、譲渡後も安心して働ける環境を約束するためのコミュニケーションが大切です。
シナジー効果が見込める最適なパートナー選び
「単に高く買ってくれる」ことだけでなく、自社の社風や技術を尊重してくれる相手を選ぶことが成功の鍵です。
工種が異なる企業との垂直統合か、同業他社との水平統合かなど、譲渡後の成長イメージを明確に描けるパートナーを選びましょう。
鉄骨・鉄筋工事M&Aにおける特有の注意点
鉄骨・鉄筋工事のM&Aを進める際には、一般の業種とは異なるリスク管理や法的手続きが求められます。
建設業許可の維持・承継に関する手続き
以前は、事業譲渡などを行う際に建設業許可の「再取得」が必要で、許可が下りるまでの数ヶ月間、営業ができない「空白期間」が生じることが大きなリスクでした。
しかし、2020年の法改正により、「譲渡前」に国土交通大臣や知事から認可を受けることで、譲渡と同時に許可をそのまま引き継げるようになりました。
これにより、工期への影響を最小限に抑え、シームレスな事業承継が可能となっています。
ただし、以下の点には細心の注意が必要です。
- 申請のタイミング:
譲渡実行の1〜2ヶ月前には申請を完了させる必要がある - 要件の維持:
経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者(専技)が、譲渡後も引き続き在籍していることが前提
外注先(協力会社)との関係性および外注比率の確認
自社の施工能力だけでなく、外注ネットワークとのつながりも大切な資産です。
ただし、特定の外注先に依存しすぎている場合、譲渡後の関係性の変化がリスクとみなされることもあります。
協力会社との契約形態や良好な関係が維持できているかを整理しておくことで、買い手の安心感を高められます。
簿外債務や未払い残業代のリスク精査
現場仕事特有の「移動時間の扱い」や「残業代の計算」が適正でない場合、後から多額の簿外債務が発生し、交渉が難しくなるケースもあります。
デューデリジェンス(資産査定)が行われる前に、労務管理をクリーンにしておくことが大切です。
特に、過去数年分の残業代の計上に不備がないか、財務や労務の視点からチェックしてみましょう。
まとめ|鉄骨・鉄筋工事業のM&Aは「M&Aベストパートナーズ」にご相談ください!
鉄骨・鉄筋工事のM&Aを成功させるには、製作工場の認定ランクや特殊工法の実績、そして「1級施工管理技士」といった有資格者の重みを正しく理解する専門知識が不可欠です。
一般的な仲介会社では見落とされがちな、長年築き上げてきた「現場の底力」や「ゼネコンとの信頼関係」こそが、この業界における真の企業価値となります。
M&Aベストパートナーズには、建設・鉄鋼業界の商習慣を熟知した専門のアドバイザーが多数在籍しています。
業界特有の課題をクリアしながら、経営者様の想いと職人の雇用を守るための最適なマッチングをご提案いたします。
将来の承継や事業拡大に少しでも不安を感じたら、まずはお気軽に、M&Aベストパートナーズまでご相談ください。
