コワーキングスペースの事業譲渡(M&A)のメリットとは?シェアオフィス運営を次世代へつなぐ方法

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

「このまま運営を続けるべきか、それとも誰かに託すべきか……」

現在、シェアオフィス運営を取り巻く環境は激変しており、大手の全国展開により競争が激化する一方で、独自のコミュニティを持つコワーキングスペースを「買収したい」と考える異業種企業も増加しています。

そこで本記事では、コワーキングスペースの事業譲渡(M&A)のメリット・デメリットを整理し、大切な拠点を次世代へつなぐための具体的な方法を解説します。

コワーキングスペース・シェアオフィス業界でM&Aが加速する背景

はじめに、なぜコワーキングスペース・シェアオフィス業界でM&Aが加速しているのか、その背景を解説します。

市場の成熟と大手資本の参入による「二極化」

かつては、「場所を貸す」だけで成立していたシェアオフィス運営ですが、現在は資本力を背景にした大手ブランドと、地域密着型の個人店に二極化しています。

設備投資競争が激化するなか、独立系オーナーが単独で生き残る難易度は上がっており、経営の安定を求めて大手傘下に入るM&Aが現実的な選択肢となっている状況です。

後継者不在や異業種転換を目的とした前向きな事業譲渡

「自身の引退に伴う事業承継」だけでなく、「本業の不動産業に専念したい」「全く別の新規事業を立ち上げたい」といった、リソースの再配置を目的とした前向きなM&Aが増加傾向にあります。

特に、コワーキングスペースという業態は、コミュニティや空間デザインという「目に見えにくい資産」があるため、価値が残っているうちに第三者へ譲渡するニーズが高まっています。

コワーキングスペースの事業譲渡(M&A)を行う経営者側のメリット

コワーキングスペースの運営は、日々のコミュニティ管理や設備維持など、多大な労力が必要です。

そのため、M&Aは単なる「売却」ではなく、オーナーがこれまで築き上げた資産を最大化し、次のステージへ進むための「戦略的選択」としてさまざまなメリットをもたらします。

創業者利益の獲得と個人保証からの解放

M&Aは、譲渡対価としてまとまった現金(創業者利益の獲得)を確保することができます。

特に、初期投資の回収が終わり利益が出ているフェーズであれば、将来の収益を先取りする形でリターンを得られる可能性が高いです。

また、多くの個人オーナーが悩まされている銀行借入の個人保証や、賃貸借契約の連帯保証から解放されるため、心理的な重圧がなくなり、フラットな状態で次のキャリアやセカンドライフを描けるようになります。

大手の傘下となることによる会員サービスの向上と集客力の強化

譲渡先が全国展開している大手シェアオフィス事業者や、資金力のある異業種企業の場合、買収後に多額の設備投資が行われるケースがあり、次のようなメリットが期待できます。

  • 拠点網の拡大:
    会員が全国の提携拠点を利用できるようになる。
  • ITインフラの刷新:
    予約システムやスマートロックの導入による利便性の向上。
    オーナーの力だけでは限界があった「会員満足度の向上」を、買い手の資本力によって実現できるため、「会員を裏切ることなく、より良い環境を提供してバトンを渡す」ことが可能になる。

本業や新規事業へリソースを集中できる

「不動産本業の片手間に始めたが、運営負担が重すぎる」「新規事業を立ち上げたいが資金と人が足りない」といったケースにおいて、M&Aによる事業譲渡は非常に有効です。

例えば、不採算店舗や、自社のコア事業から外れたコワーキングスペース部門のみを切り出すことで、「経営資源の選択と集中」を行えるようになります。

さらに、事業譲渡で得た資金と時間を本業に投下することで、会社全体の成長スピードを加速させることが可能となります。

シェアオフィス運営のM&Aにおけるデメリットと注意点

さまざまなメリットを経営者にもたらすシェアオフィス運営のM&Aですが、事前に把握しておくべきデメリットと注意点があります。

既存会員への周知タイミングとコミュニティ維持の難しさ

コワーキングスペースの価値は「人」に付随することが多いため、譲渡のニュースが会員の離反を招くリスクがあります。

そのため、周知のタイミングを誤るとコミュニティが崩壊し、譲渡価格の下落を招きかねないため、買い手と慎重に協議し、運営方針の継続性をどう見せるかが極めて重要です。

システム統合や運営ルールの変更に伴うオペレーションの混乱

買い手側の運営ルールや予約システムへ移行する際、現場のスタッフや会員に混乱が生じる場合があります。

特に、独自の「ゆるいルール」で親しまれていた店舗ほど、大手のマニュアル管理に抵抗感が出るケースが多く、PMI(譲渡後の統合プロセス)を見据えた事前の擦り合わせが不可欠です。

希望価格で売却するための「造作」や「賃貸借契約」の壁

シェアオフィスは内装(造作)に多額の費用がかかっていますが、M&Aでは「将来の収益性」が評価の主軸となります。

また、ビルオーナーとの賃貸借契約に含まれる「譲渡制限」や、高額な原状回復義務が足かせとなり、希望価格に届かないケースも少なくありません。

シェアオフィス運営の事業承継を成功させる3つのポイント

シェアオフィス運営における事業承継を成功させるためには、3つのポイントを抑えたうえでプロセスを進めることが重要です。

「会員数」だけでなく「コミュニティの質」を可視化する

買い手がもっとも知りたいことは、「明日からどれだけの収益が出るか」です。

月額会員の継続年数、紹介入会の比率、イベントの開催実績など、帳簿には現れない「ファンの定着度」を数値化して提示することで、相場以上の評価を引き出すことが可能となります。

賃貸借契約の「チェンジ・オブ・コントロール条項」を早期確認する

多くの賃貸借契約には、経営権が変わる際に家主の承諾を求める条項が盛り込まれています。

ここを軽視すると土壇場で売却が白紙になることもあるため、交渉の早い段階で家主に対してどのような説明を行うか、シナリオを作成しておくことが成功の条件です。

業界特有の商慣習に強いM&A仲介会社をパートナーにする

シェアオフィス運営は、「不動産賃貸業」と「サービス業」のハイブリッド型事業です。

この特殊なビジネスモデルを理解していないM&A仲介会社では、正当な価値算定をすることができません。

そのため、M&A仲介会社を選ぶ際は業界の動向に詳しく、買い手のネットワークを豊富に持つ専門家に相談することが、最良のマッチングへの近道です。

私たちM&Aベストパートナーズには、各業界ごとに精通したアドバイザーが多数在籍しており、業界特有のお悩みを解決させていただきます。

コワーキングスペースやシェアオフィス運営をしており、第三者への事業承継をご検討中の方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。

まとめ

現在、シェアオフィス運営を取り巻く環境は激変しており、生き残り戦略の一つとして M&Aが注目を集めています。

しかし、M&Aを成功させるためには、M&Aに関する知識はもちろん、各プロセスをスムーズに進めるためのノウハウも必要とします。

私たちM&Aベストパートナーズは、これまで数多くのM&Aを成功に導いてきた豊富な実績がございます。

また、業界に精通したアドバイザーが課題やM&Aの目的を丁寧にヒアリングさせていただき、伴走型サポートでM&Aを成功させるお手伝いをさせていただきます。

コワーキングスペースやシェアオフィス運営を第三者へと承継し、将来的に事業を存続させたいとお考えの方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。

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