「2024年問題」の本格化、燃料高騰、そして深刻な労働力不足。今、物流業界は単なる「効率化」の枠を超え、生存をかけた構造改革の真っ只中にあります。
この荒波を乗り越える鍵となるのが、AIやロボティクスを駆使した「物流テック」の活用です。しかし、激変する市場において自社開発に時間を費やすことは、大きな機会損失を招きかねません。
そこで本記事では、これからの物流業界を支える主要な物流テック分野、そして自社開発ではなくM&Aを活用することで得られるメリットを詳しく解説します。
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目次
物流業界が抱える課題
はじめに、物流業界全体が抱えている課題を解説します。
物流コストの上昇
物価や人件費の高騰などの煽りを受け、多くの物流事業者が物流コストの上昇に悩みを抱えています。
「2024年問題」による人件費とサービス供給力の変化
「2024年問題」は、現在進行形で多くの物流事業者の悩みとなっています。
ドライバーの時間外労働に上限が課せられた(年間960時間)ことにより、次のような問題が生じています。
- 輸送能力の低下:
一人当たりの走れる距離・時間が減少 - 割増賃金増加による人件費圧迫:
月60時間以上の残業代割増率が50%に引き上げられ、直接的な労務費が増加 - 給与体系の見直し:
ドライバー不足解消に向けた待遇面の見直しをする企業が増えている
燃料費と車両コストの上昇
暫定税率(当分の間税率)の廃止される方向で検討が進められてはいるものの、世界情勢や円安など複合的な理由により、ガソリン自体の価格は高騰しています。
また、原材料費高騰や新技術の搭載などを背景に、車両価格が上昇。タイヤや交換部品などの消耗品、整備費用なども上昇していることが実情です。
参考:資源エネルギー庁|ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
積載効率の悪化
小口配送増加により、一箇所へまとめて輸送する「大量輸送」から、1台の車両で多くの配達先へと届ける「少量配送」へと変化し、積載効率(生産性)が低下していることも、利益率低下へとつながる課題として挙げられます。
労働力不足
「人手不足倒産」という言葉があるほど、日本の労働人口は減少しています。
そのため、多くの事業者にとっていかにして人材を確保するかが大きな課題となっています。
小口配送の増加
特にコロナ禍移行の小口配送料は増加しているため、荷物1つあたりに対する単価の値上げが必要となっていますが、荷主との関係によって反映できない企業が多いことが現状です。
そのほかにも、不在による再配達も、「利益を生まないコスト」として問題になっています。
「物流システム」と「物流テック」の基礎知識
多くの課題を抱える物流業界において、物流テックを実現する物流システムの導入は非常に有効な手段といえます。
そこで、物流システムと物流テックの違いをご紹介します。
「物流システム」とは?
物流システムとは、「既存業務の効率化と管理」を支える基盤(インフラ)です。
具体的には、倉庫管理(WMS)や配送管理(TMS)に代表される、従来のアナログ作業をデジタル化・一元管理するための仕組みを指す言葉です。
主な目的は「ミスを減らすこと」と「標準化」であり、物流現場を円滑に回すための「守り」のIT投資といえます。
「物流テック」とは?
物流テックとは、「物流のあり方そのものを変える」革新的技術(テクノロジー)です。
AIによる需要予測、自動搬送ロボット(AMR)、IoT、ブロックチェーンなど、最先端技術を物流プロセスに融合させる動きを指します。
従来のシステムの延長線上で考えるのではなく、自動化や無人化によって「付加価値の創出」や「ビジネスモデルの転換」を狙う「攻め」の投資となりうる技術です。
物流業界の未来を牽引する主要な物流テック分野
「物流テック」という言葉は非常に広範ですが、現在の物流業界で特に注目されている分野は主に以下の4つです。
これらは単なる技術革新ではなく、物流業界の構造的課題を直接解決する手段として期待されています。
- AI・データ解析(予測と最適化):
膨大なデータから最適な「答え」を導き出す技術。
過去の販売データや季節要因をAIが分析して在庫配置を最適化したり、渋滞情報や配送先の待機時間を考慮して燃料消費と走行距離を最小化するルートを数秒で算出し、配車やルートの最適化をしたりすることが可能。 - ロボティクス・自動化(省人化の切り札):
物理的な作業を機械に置き換え、労働力不足を補う技術。
AMR(自律走行搬送ロボット)によって倉庫内を自ら判断して動き回り、ピッキング作業を支援したり、自動ソーターによって荷物の仕分けを高速かつ正確に行い、ヒューマンエラーを排除したりできる。 - IoT・リアルタイム可視化(透明性の確保):
「今、どこに、何があるか」を瞬時に把握する技術。
トラックの現在地や温度状態をセンサーで把握し、荷主へリアルタイム共有する同担管理、倉庫のトラック積み降ろし枠をデジタル管理し、慢性的な「荷待ち時間」を削減できるバース予約システムなどが挙げられる。
物流テックへの取り組みでM&Aを活用するメリット
近年の物流業界では、物流テックへの取り組みに対したM&Aが多く行われています。
なぜM&Aが活用されているのか、そのメリットを解説します。
開発時間の短縮
物流テックへ取り組むためには、システム開発が必要不可欠です。
しかし、冒頭でもご紹介したようにシステム全てを自社開発するためには多くのコスト、そして時間を必要とします。
そこでシステム開発を専門とする企業をM&Aによって取り込み、内製化して開発期間の短縮を目指す企業が増加しています。
IT人材の確保
物流テックを導入した場合、システムの管理・保全や時代にあわせたカスタマイズなどが必要であり、外部委託している場合はその都度コストや発注の手間などがかかります。
そこでIT人材を確保し、自社だけで完結できるような組織作りを目指すM&Aも増加傾向です。
垂直統合の加速
近年の物流業界では、物流戦略の立案から実行までの一連の業務を請負い、物流の効率化と企業の本業への集中を支援する3PL(サードパーティ・ロジスティクス)への需要が高まっています。
そこで、3PL企業がIT企業をM&Aによって傘下とすることにより、高付加価値なサービス提供を実現することが可能です。
5.M&Aの成功に向けてすべきこと
物流テックに取り組むためのM&Aは非常に有効ですが、成功させるためには必ず行っていただきたいことがあります。
M&Aの成功に向けてすべきことをご紹介します。
M&A戦略の策定
M&Aを検討するにあたり、まずはじめに自社の物流システムに関する弱点を特定し、補完すべき内容を明確にする必要があります。
これにより、M&A戦略がはっきりし、その後も目的と実務がブレることなく各プロセスを進められるようになります。
自社と融合しやすい対象企業の選定
M&Aは、契約を締結して終わりではなく、目指すシナジー効果を創出するためにPMI(統合プロセス)を成功させることが重要です。
そのためには、技術力だけでなく、経営理念の方向性や業務プロセス、企業文化などの統合のしやすさも評価したうえで対象となる企業を選定する必要があります。
デューデリジェンスの徹底
対象となる企業・事業の価値やリスクを事前に調査分析するデューデリジェンスは、隠れているリスクや潜在的な問題点を調査し、M&A取引の成否や条件決定などの判断をするために必要不可欠なプロセスです。
そのため、このデューデリジェンスをどれだけ徹底して行い、起こりうるリスクを最小限に食い止められるかどうかが、M&A成功の重要な鍵となります。
M&A仲介会社によるサポートを受ける
M&Aにはさまざまなプロセスがあり、各プロセスをスムーズに進めていくためにはM&Aの専門的な知識やノウハウを必要とします。
そのため、M&Aの検討を始めたらできる限り早い段階でM&A仲介会社へ相談し、成功するまでのサポートを受けるようにしましょう。
私たちM&Aベストパートナーズは、M&A仲介会社として高い専門性があり、物流業界に特化した専任アドバイザーが在籍しております。
また、IT業界のM&Aにも強みがあるため、物流テックに不可欠な物流システム開発の取り込みをサポートさせていただくことが可能です。
さらに、M&A仲介会社でよくある着手金や資料作成費用はゼロ円とさせていただいているため、コストを抑えたうえでご相談していただける体制を整えております。
物流テック導入の実現に向けてM&Aを検討されている方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。
まとめ
物流テックは、激しく変化している物流業界を助ける大きな希望となりますが、導入するためには物流システムの開発・見直しなど多くの時間とコストを必要とします。
そこで、M&Aを活用して内製化し、開発時間短縮やコスト削減を目指す企業が増加しています。
M&Aによって物流システム開発を内製化し、物流テック導入によって物流業界が抱える課題を解決し、激しい市場競争で生き残りたいとお考えの方は、ぜひM&Aベストパートナーズまでお気軽にご相談ください。
業界に精通した専任アドバイザーが共に伴走し、M&Aを成功させるために全力でサポートさせていただきます。
