冷蔵・冷凍製品を取り扱う物流業を取り巻く環境|M&Aが活発化する背景も解説

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

冷蔵品・冷凍品を取り扱う物流業の市場規模は拡大する一方、業界ならではの課題を抱えており、その改題解決策の一つとしてM&Aが活発に行われています。

そこで本記事では、冷蔵・冷凍物流の現状、そしてM&Aの動向について詳しく解説します。

あわせて、課題解決に向けたM&Aを成功させるためのポイントもご紹介するので、冷蔵・冷凍物流事業のさらなる発展を目指している方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

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冷蔵・冷凍物流の現状

はじめに、冷蔵・冷凍物流の現状を解説します。

冷蔵品・冷凍品の物流市場は拡大

冷蔵品や冷凍品の物流市場は、EC市場の拡大、コロナの影響、ふるさと納税の返礼品などの影響により市場はいまだ拡大を続けています。

しかし、物量増加に反比例するかのようにドライバーは不足、さらに長時間労働規制などの影響もあり、2025年度末には大手物流事業者でも配送遅延が発生するなど、物流業界では今後どのように増加する物量に対応するかが深刻な課題となっています。

冷蔵・冷凍製品に対応する物流倉庫は不足

冷蔵品・冷凍品に対応可能な物流倉庫には専用設備が必要ですが、特に首都圏、関西圏を中心に満庫状態となっている倉庫が増加傾向です。

また、中小の倉庫では老朽化による建て替えコストも課題となっており、慢性的な倉庫不足となっている状態です。

冷蔵・冷凍物流業界のM&A動向

多くの課題がある冷蔵・冷凍物流の業界ですが、近年では課題解決に向けたM&Aが増加しています。

なぜM&Aが増加しているのか、その目的をご紹介します。

慢性的なドライバー不足を補うためのM&Aが増加

「人手不足倒産」という言葉があるほど、近年では多くの業界で深刻な労働者不足となっています。

特に物流業界では、「物流クライシス」という業界独特の問題もあり、とりわけドライバー不足が深刻な課題となっています。

そこで同じ物流関連事業を買収、対象企業のドライバーを取り込むことを目的としたM&Aが増加しています。

M&Aによって同業他社を買収することでドライバーを確保することにより、多くの即戦力を雇用することが可能です。

需要拡大に伴う冷蔵・冷凍車の確保に向けたM&Aが増加

前述したとおり、EC市場の拡大などを背景に、冷蔵・冷凍物流市場の需要は大きく拡大していますが、通常の配送とは異なり、冷蔵者や冷凍車といった専用の車両が必要です。

しかし、原材料の高騰などで車両価格も高くなっており、多額のコストを必要とします。

そこでM&Aによって専用車両を保有する企業を買収し、対象企業の事業エリア、ドライバーとともに車両も取り込む企業が増えています。

M&Aは車両一台を新たに導入するよりもコストはかかりますが、対象企業の事業エリア確保による利益の拡大、複数台の車両の確保、そして即戦力となるドライバーの確保による採用コストや新規教育時間の削減など、さまざまなメリットを得ることができます。

スムーズな事業承継をするためにM&Aを検討する企業が増加

昨今、少子高齢化などによって後継者不足もが社会問題となっており、やむなく廃業を選択する経営者が増加しています。

しかし、廃業をすると会社がなくなるだけでなく従業員も仕事を失うことになってしまいます。

そこで第三者へと事業を引き継ぎ、会社の存続と従業員の雇用維持を同時に叶えるためのM&Aが増えてきています。

コスト削減を目指すためのM&Aも増加傾向

近年の物流業界では、物価や人件費の高騰に伴う送料の値上げ交渉などが荷主に対して活発に行われていますが、エンドユーザーへの影響も考慮しなければならないため、実際には難しい状況が続いています。

そこで冷蔵・冷凍物流事業を展開する企業を買収、川上の領域までさらにカバーし物流コストを少しでも削減しようとするM&Aが行われています。

例として、2024年7月にSGホールディングス株式会社は名糖運輸株式会社と株式会社ヒューテックノオリンが経営統合して発足した旧C&Fロジホールディングス(2025年に名糖運輸に吸収合併)をTOB(公開買付け)によって傘下にしました。

このM&Aにより、SGホールディングスはコールドチェーン構築に向けてすべき7つの連携項目を掲げ、低温物流のさらなる効率化を目指すとしています。

参考:SGホールディングス株式会社ロジスティクス事業 低温物流 役員座談会
参考:SGホールディングス株式会社株式会社C&Fロジホールディングス(証券コード:9099)株式に対する公開買付けの結果 及び子会社の異動(特定子会社の異動)に関するお知らせ

冷蔵・冷凍品を扱う物流事業においてM&Aを成功させるためのポイント

さまざまな課題を解決できる可能性が高いM&Aですが、成功させなければ意味がありません。

そこで、M&Aを成功させるために抑えておいていただきたいポイントを6つご紹介します。

解決すべき課題の抽出

M&Aを検討するにあたり、まずはM&Aによって何を解決したいのか、またどのようなシナジー効果を創出したいのかを洗い出し、明確にしておきましょう。

これにより、対象企業とのマッチングがしやすくなるだけでなく、交渉中もブレが生じにくくなります。

M&A仲介会社への相談

M&Aには多くのプロセスがあり、各プロセスには専門的な知識とノウハウを必要とするため、自社だけで成功させることは非常に困難です。

そのため、M&Aの検討を始めたらできる限り早い段階でM&A仲介会社のような専門家へ相談し、M&Aが完了するまでのサポートを受けるようにしましょう。

NDA(秘密保持契約)の締結

M&Aは、交渉相手に対して自社のさまざまな情報を提供することになり、その情報には多くの機密事項が含まれています。

これらの情報が万が一にも漏洩した場合、取引先といったステークホルダーからの信頼を失うだけでなく、場合によっては法的措置が科せられるリスクがあります。

そのため、交渉時は必ずNDA(秘密保持契約)を締結し、徹底的に情報を守ることが重要です。

デューデリジェンスの徹底

買収する側の企業は、対象企業の財務状況の調査といったデューデリジェンスを徹底することも成功させるためには重要です。

デューデリジェンスが足りなかった場合、最終契約締結後に未払い残業代や簿外債務などが発覚し、思わぬ不利益を被る可能性があります。

そのため、デューデリジェンスは徹底的に行い、売り手となる企業も財務状況をクリアにして交渉が決裂しないよう事前準備をしっかり行いましょう。

早い段階からPMIの計画を検討

M&Aは契約書を締結して終わりではなく、経営理念や企業風土、業務プロセスなどさまざまなものを統合して初めて目標とするシナジー効果を創出することができます。

そのため、交渉が始まったら統合後のプロセス(PMI)をどのように進めるかも話し合い、計画的に行うことが大切です。

また、PMIでは従業員が不満を抱き、離職につながるリスクがあります。ただ統合するだけでなく、従業員のアフターケアなどもしっかりと行いましょう。

ステークホルダーへの十分な説明

M&Aは、従業員はもちろん、取引先や株主など多くのステークホルダーも関係します。

もし説明が不足していたり理解を得られなかったりした場合、信用を損ねて取引の停止や株価の下落など、思わぬ事態に発展する恐れがあります。

そのため、M&A実施時は「なぜM&Aを行うのか」「ステークホルダーへどのような影響があるか」などを丁寧に説明し、理解を得るようにしましょう。

まとめ

EC市場の拡大などを背景に冷蔵・冷凍物流事業の需要も高まっています。

しかし、ドライバーや倉庫の不足などさまざまな課題に直面しており、この課題解決に向けてM&Aが活発に行われています。

とはいえ、自社だけでM&Aを成功させることは難しく、M&A仲介会社などの専門家によるサポートが必要不可欠です。

私たちM&Aベストパートナーズは、M&Aのプロフェッショナル集団としてこれまで数多くのM&Aを成功に導いてきた豊富な実績がございます。

M&Aによって課題を解決し、冷蔵・冷凍物流事業のさらなる発展を目指したいとお考えの方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでお問い合わせください。

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