倉庫業におけるM&Aの動向|実際に行われた事例も紹介

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

「寄託を受けた物品の証拠における保管を行う営業」と倉庫業法で定められている倉庫業では、複数の要因によってM&Aが活発な動きをしています。

そこで本記事では、倉庫業においてM&Aが行われている背景や、実際に行われたM&A事例について詳しくご紹介します。

あわせて、倉庫業でのM&Aを成功させるためのポイントもご紹介するので、今後M&Aを検討する際の参考にしてください。

この記事でわかること

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倉庫業におけるM&Aの動向

はじめに、倉庫業におけるM&Aの市場動向を解説します。

大手物流会社や倉庫会社の海外進出へ向けたM&Aが増加

物流業界では、EC市場拡大の影響もあり国内の取り扱い物量が増加していますが、さらなる市場拡大や新たな物流拠点の創出などを目的として、海外進出へ向けた大手物流会社や倉庫会社によるM&Aが増加しています。

また、海外工場に製造工場を保有している企業が保管設備を新設するコストの削減を目的に、現地倉庫を買収するケースも多いです。

中小の倉庫事業者を対象としたM&Aが活発化

大手物流会社が自社物流網の拡大を目的とし、新たな拠点確保をするために中小の倉庫事業者を買収する動きが活発化しています。

また、後継者問題や人手不足、経営状況の悪化などに悩む中小企業事業者が、業界での事業存続を目指して自社を売却するケースも少なくありません。

実際に行われた倉庫業のM&A事例

倉庫業界では、これまで多くのM&Aが行われてきました。

なかでも代表的なM&Aの事例をご紹介します。

安田倉庫によるM&A

倉庫業や運送事業、物流情報システム開発など、物流に関わるさまざまな事業を展開している安田倉庫株式会社は、中京エリアでの物流拠点獲得を目的として株式会社オリエント・サービスの親会社である株式会社HIROMIカンパニーの全株式会社を取得し、子会社化しました。

このM&Aにより、関東・関西の既存拠点の中継地点を獲得、グループのさらなる発展を目指すための基盤としました。

参考:安田倉庫株式会社|株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

トナミホールディングスによるM&A

物流事業等を行うグループ企業の純粋持株会社であるトナミホールディングス株式会社は、東名阪エリアの中心地である静岡県に新たな拠点を作ることを目的として、静岡県富士市で運送業・倉庫業を営む山一運輸倉庫の全株式を取得、子会社化しました。

このM&Aにより、グループインフラを活かした経営資源の連携や情報システムの共有といった協業化を推し進め、生産性拡大による企業価値の向上に取り組むと発表されています。

参考:トナミホールディングス株式会社|「山一運輸倉庫株式会社」の株式取得に関するお知らせ

エスライングループによるM&A

20者以上のグループ会社を参加に持つ持株会社の株式会社エスライングループ本社は、主に関東エリアの量販店や専門店向けに商品保管やピッキング、梱包などの保管業務全般を展開する株式会社拓進物流を子会社化しました。

このM&Aにより、両社の業務を連携させてサービスの付加価値向上や生産性の拡大、効率化などを目指すと発表されています。

参考:株式会社エスライングループ本社|「株式会社 拓進物流」の株式取得に関するお知らせ

三菱倉庫によるM&A

物流事業を中心に不動産開発事業や賃貸事業などを手掛ける三菱倉庫株式会社は、アメリカおよびイギリス国内でバイオ医薬品やヘルスケア用品等のロジスティックスソリューションに特化したサプライチェーンを構築しているCavalier Logisticsグループ4社を連結子会社化しました。

このM&Aにより、今後さらなる成長が見込まれるアメリカ国内での医薬品市場において、高品質なロジスティクスサービスを提供するとしています。

参考:三菱倉庫株式会社|医薬品・ヘルスケア物流並びに米国政府機関向け物流を提供する米国及び英国物流会社の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ

日本通運によるM&A

物流大手として知られる日本通運株式会社(現・NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社)は、子会社である米国日本通運株式会社を通じて、同国内で異博品産業などのロジスティクスソリューションを展開するMD Logistics, LLCおよびMD Express, LLCを子会社化しました。

このM&Aによって、グループ内での国際間輸送ネットワークの結合による一貫物流を提供し、グローバル化するサプライチェーンの支援をするとしています。

参考:日本通運株式会社|米国物流会社の出資持分取得(子会社化)にするお知らせ

倉庫業におけるM&Aを成功させるためのポイント

倉庫業を対象としたM&Aを成功させるためには、以下のポイントをおさえて実施することが大切です。

ゴールを明確化する

M&Aの検討を始めるにあたり、まずは何を目的としているのか、M&Aをすることで目標とするゴールを明確にしましょう。

ゴールを明確にすることで、相手企業との交渉にブレが生じなくなり、求めるシナジー効果を最大化させることが可能になります。

目的以外の面でもマッチする企業を探す

経営理念やM&A後のポジションなど、最終的な目的以外の面でも共感してもらえる企業を探すことも重要です。

全ての考えに対して共感してもらえるケースは多くありませんが、より多くの面でマッチする相手企業が見つかれば、納得のできるM&A契約を締結できるようになります。

M&Aの専門家へ相談する

業種を問わず、M&Aを成功させるためにはスキームや相手企業の選定、交渉など専門的な知識やM&Aの経験が必要となり、自社だけで成功させることは難しいです。

M&A仲介会社など専門家へ相談することにより、培ってきた知識や経験を活かしてM&Aを成功させるためのサポートを得ることができます。

まとめ

近年では、さまざまな目的達成に向けて倉庫業でのM&Aが活発な動きを見せています。

しかし、M&Aによる目的達成のためには専門的な知識やM&Aに対するノウハウを必要とします。

相手企業の選定や交渉、契約締結に至るまでのプロセスについて一貫したサポートを受けたいとお考えの方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズへご相談ください。

ご愉快に精通し、数多くのM&Aを成功させるためのお手伝いをしてきた専任アドバイザーが、契約締結に至るまで一貫したサポートをさせていただきます。

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関連サイト:東亜物流株式会社外部委託できる倉庫業務は?|保管〜仕分け〜配送ができる物流会社の選び方

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

石橋 秀紀

ADVISOR

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