近年の内装工事業界では、さまざまな理由を背景に多能工化へのニーズが高まっています。
そこで本記事では、なぜ今、内装工事業界で多能工化が急務となっているのか、その背景を詳しく解説します。
あわせて、近年内装工事業界で活発に行われているM&Aについて、具体的にどのような目的で行われているのかについても解説します。
事業の継続や拡大を目指しつつも、その方法について悩まれている内装工事業の方はぜひ参考にしてください。
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目次
内装工事業界で「多能工化」が急務となっている背景
はじめに、なぜ今「多能工化」が急務となっているのか、業界を取り巻く環境とともに解説します。
深刻化する職人不足と「2024年問題」後の労働環境
建設業界全体で進む高齢化に加え、時間外労働の上限規制(2024年問題)により、マンパワーに頼った現場回しは限界を迎えています。
そのため、限られた人数で現場を完結させる多能工化は、努力目標ではなく「存続のための必須条件」となっています。
工期短縮・生産性向上を求める発注者ニーズへの対応
元請けや施主は、業者間の調整コストや手間を嫌い、「一括で任せられる」取引先を求める傾向へとシフトしています。
そのため、複数工種を自社のみ、または従業員1人でも完結できるようになれば現場の「待ち」が消え、他社が真似できない短工期・低コストを最大の武器とすることが可能です。
現場待機時間の削減と収益改善の仕組みづくり
単一技能では前工程の遅れがそのままロスになりますが、多能工がいれば空き時間に別工程を進められるようになります。
結果として、一人当たりの完工高(生産性)が劇的に向上。利益率の高い経営体質へと変化させることができます。
内装工事業のM&Aにおける「出口戦略」
M&Aを活用する目的はさまざまですが、大きく「出口戦略」「成長戦略」の2つに分けることができます。
ここでは、「出口戦略」としてのM&Aを解説します。
2-1.後継者不足時代の「第三者承継」という選択肢
少子高齢化や価値観の変化により、親族や従業員への承継が困難なケースが増加しています。
M&Aによる第三者承継は、リタイアを考える経営者にとって、会社と職人を確実に次世代へつなぐ現実的な手段となります。
従業員の雇用継続・蓄積された施工技術の散逸回避
M&Aで資本力のある大手グループの傘下に入ることができれば、信用が高まって新規案件獲得がしやすくなったり、従業員の雇用安定や福利厚生が向上したりといったことが望めます。
さらに、長年培った多能工育成のノウハウを組織の力で守り続けられる点も、経営者にとって大きな安心材料となります。
個人保証の解除・リタイア後の安定した資産形成
経営者の重荷である「個人保証」も、M&Aによって買い手側へ引き継がれ、解除されるケースが多いです。
経営責任から解放され、さらに譲渡益を得ることで、セカンドライフのためのまとまった資金や、新事業立ち上げ資金の確保などが可能です。
内装工事業のM&Aにおける「成長戦略」
続いて、「成長戦略」としてのM&Aについて解説します。
施工体制の「垂直統合」による内製化と利益率の改善
自社と関連性の高い工種(例:ボード工事とクロス仕上げ)を統合することで、現場の「内製化」を進めることが可能です。
結果として、外注費を利益に変えるだけでなく、自社で工程を完全にコントロールすることで現場の待機時間を削り、1現場あたりの粗利を最大化させることが期待できます。
周辺業種の獲得による「ワンストップ受注」の実現
電気・管工事・什器設置など、工程が異なる周辺業種を傘下に収めた場合、「内装仕上げだけでなく、設備まで一括で頼みたい」という施主や元請けのニーズに応えられるようになります。
その結果、受注単価を大幅に引き上げ、営業競合のいないポジションの確立が実現できます。
大手グループの信用力を活用した「大型案件」の受注獲得
資本力のあるグループに入ることで、単独では難しかった公共案件や大規模商業施設への入札参加が可能となります。
これにより、資金繰りの安定や資材の共同購買など、スケールメリットを活かした攻めの経営が可能です。
内装工事業のM&Aで高く評価される企業の共通点
M&Aによる事業譲渡を検討する場合、自社を少しでも高く評価してもらいたいと考える方は多いでしょう。
そこで、内装工事業において、高く評価されやすい企業の共通点をご紹介します。
職人の「多能工化」の進捗と平均年齢・定着率
内装工事業を買収しようと考える買い手が注目するのは、業績などだけではなく「人」です。
複数の工程をこなせる職人が何名いるか、若手・中堅が定着しているかといった組織の「若さと柔軟性」は、そのまま譲渡価格にプラスの影響を与えます。
バランスの取れた取引先ポートフォリオ
売上の大半を一社に依存している場合、その取引終了が経営リスクとなります。
そのため、複数の元請けや、直請け案件(BtoB店舗内装など)をバランスよく持つ企業は、収益の安定性が高く評価されやすいです。
受注残(バックログ)の質・適切な原価管理体制の有無
M&A実行後の収益見通しとして、確度の高い「受注残」は強力な加点要素となります。
また、現場ごとの原価がデータ化され、どんぶり勘定になっていない「経営の透明性」も、買い手が安心して買えるポイントです。
内装工事業のM&Aを成功させるための実務ポイント
M&Aは、ただ実行すればよいというわけではなく、しっかりとポイントを押さえることが成功させるためには不可欠です。
内装工事業のM&Aを成功させるために、押さえておきたい実務のポイントをご紹介します。
現場監督や職人の離職を防ぐ「PMI(統合プロセス)」の重要性
内装工事を含め、建設業におけるM&Aの最大の失敗要因は「人の流出」です。
そのため、従業員への説明タイミングや説明の仕方を慎重に検討する、処遇や現場のルールに配慮したPMI(成約後の統合作業)の検討・実施が人材流出を防ぎ、買収後のシナジー最大化に直結します。
財務処理を整理しておく
未成工事受入金や外注先への支払いなどは、実態と帳簿が乖離しやすいです。
まずは事前に整理し、正確な「実質純資産」を算出しておくことが交渉決裂を防ぎ、納得ができる価格を引き出す鍵となります。
また、未払い残業代などの未払金がある場合も、できるだけ早い段階で整理しておくことが必要です。
業界知識が豊富なM&A仲介会社をパートナーに選ぶ
M&Aは専門的な知識やノウハウが必要となるだけでなく、自社だけでは相手企業とのマッチングが難しいケースも多く、M&A仲介会社などのサポートを受けるケースが一般的です。
しかし、「常用」や「手間受け」といった現場の言葉が通じないアドバイザーでは、自社の本当の価値を買い手に伝えられない恐れがあります。
そのため、建設・内装業界の成約実績が豊富なパートナーを選ぶことが、最良の縁談を引き寄せる近道となります。
私たちM&Aベストパートナーズには、内装工事業を含む、建築業に特化したアドバイザーが多数在籍しております。
「M&Aによって内装工事事業をさらに発展させたい」「第三者へと引き継ぎ、会社と従業員を守りたい」とお考えの方は、まずはお気軽にM&Aベストパートナーズへご相談ください。
まとめ
近年の内装工事業界では、ニーズの変化などの影響によって多能工化が求められており、異なる技術を持つ人材を取り込むなど、「成長戦略」としてのM&Aが活発に行われています。
また、第三者への承継など、事業の存続をかけた「出口戦略」としてのM&Aも増加しており、内装工事業界は変革期を迎えているともいえるでしょう。
しかし、M&Aを行うためには専門的な知識やノウハウなどを必要とするため、自社だけで成功させることは非常に困難です。
私たちM&Aベストパートナーズには、これまで「成長戦略」「出口戦略」としてのM&Aを数多く成功させてきた豊富な実績がございます。
課題解決に向けた選択肢の一つとしてM&Aを検討されている方は、ぜひお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。
内装工事業界に精通した専任アドバイザーがお話を伺い、M&A成功まで伴走型サポートをさせていただきます。