動物病院の業界動向|M&Aが注目される背景も解説

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

近年、ペットの「家族化」に伴う高度医療へのニーズが高まる一方で、動物病院業界は大きな転換期を迎えており、存続と成長の切り札としてM&Aが注目を集めています。

そこで本記事では、動物病院の業界動向を紐解きながら、なぜ今M&Aが注目されているのか、その背景を詳しく解説します。

この記事でわかること

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動物病院の業界動向

はじめに、動物病院を取り巻く環境を解説します。

動物病院は毎年増加

農林水産省の「飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」によると、動物病院の解説届出数は毎年100〜200件前後で増加しており、直近の調査結果では2024年に約1.7万件に達しています。

動物病院 件数 推移

参考:農林水産省飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)

1施設あたりの頭数は減少傾向

病院の増加とともに1病院あたりの頭数は減少しています。

これは、動物病院の件数増加だけでなく、飼育頭数が徐々に減少していることも理由として挙げられます。

犬 猫 飼育頭数 推移

参考:一般社団法人 ペットフード協会令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査

高まり続ける飼い主のニーズ

「病気や怪我を治す」という従来の医療に加えて、予防医療や専門医療、利便性などに対するニーズが増えています。

特に、近年は「ペットは家族の一員」という概念が定着しており、飼い主の動物病院に求める水準がより高まっている状況です。

院長高齢化と後継者問題

近年では、多くの業種で経営者の高齢化が問題となっていますが、動物病院でも同様の現象が起こっています。

しかし、労働人口不足などを背景に後継者となりうる人材がおらず、後継者問題に頭を抱えている経営者が少なくありません。

動物病院の業界でM&Aが注目されている背景

近年の動物病院業界では、さまざまな理由からM&Aが注目を集めています。

M&Aが注目されている背景を解説します。

スムーズな事業承継ができる

前述した通り、動物病院の咳あでは後継者問題が深刻化しており、後継者が見つからず廃業を選択するケースが少なくありません。

そこで、周囲で後継者を見つけることができない動物病院経営者が、病院を存続させるために第三者へと事業承継するためにM&Aを行うケースが増加しています。

開業コストが抑えられるため

通常、新たに動物病院を開業するためには建物の確保や備品の購入、スタッフの雇用など多額の費用を必要とします。

しかし、M&Aによってすでに開業している動物病院を買収することができれば、開業コストを抑えられるだけでなく、開業までの時間も短縮することができます。

このような理由から、動物病院開業に向けてM&Aを検討するケースが増加しています。

事業エリアの拡大が可能

すでに動物病院を経営している場合、新たなエリアへ参入し利益を獲得できるようになるまでには時間がかかるだけでなく、マーケティング戦略がうまくいかず新規参入が失敗に終わるケースは少なくありません。

そこで、異なるエリアで開業している動物病院の買収を買収し、既存顧客(患者様)も含めて引き継ぐことを目的としたM&Aが活発に行われています。

【立場別】動物病院のM&Aによって得られるメリット

動物病院におけるM&Aは、譲渡する側と成就する側、それぞれにメリットがあります。

それぞれの立場が得られるメリットをご紹介します。

動物病院を譲渡する側のメリット

動物病院を譲渡する(売り手)ことで得られる主なメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

  • 後継者問題の解消
  • スタッフの雇用維持
  • 安定した経営基盤の確保
  • 創業者利益の獲得

動物病院を譲受する側のメリット

動物病院を譲受する(買い手)ことで得られる主なメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

  • スタッフ・設備をそのまま引き継ぐことができる
  • 専門分野や研究結果の獲得
  • スムーズな事業エリアの拡大

【立場別】動物病院におけるM&Aの注意点

動物病院におけるM&Aは、譲渡する側と成就する側、それぞれにさまざまなメリットをもたらしますが、成功させるためには注意すべき点もあります。

それぞれの立場からみた注意点を解説します。

動物病院を譲渡する側の注意点

動物病院を譲渡する側は、以下の点に注意が必要です。

  • ステークホルダーから反対される恐れがある
  • M&A完了までの時間が長引く恐れがある
  • 想定していた金額よりも評価が下がる可能性がある

動物病院を譲受する側の注意点

動物病院を譲受する側は、以下の点に注意しながらM&Aを実行する必要があります。

  • 想定していたシナジー効果が得られない可能性がある
  • 簿外債務・偶発債務を引き継ぐ恐れがある
  • PMI失敗による人材流出の可能性がある

実際に行われた動物病院のM&A

ご紹介してきたように、近年の動物病院業界ではM&Aが活発化しています。

実際に行われた動物病院のM&A事例をご紹介します。

WOLVES HANDによるM&A

関西・関東・九州・沖縄エリアで動物病院を37院(2026年1月現在)運営している株式会社WOLVES HANDは、2025年に滋賀県守山市で「守山しっぽ動物病院」を運営している株式会社バハティーの株式を取得、子会社化しました。

このM&Aにより、WOLVES HANDは関西エリアの基盤を強化し、さらにWOLVES HANDのグループ病院との連携を深めてさらなる発展を目指すとしています。

参考:株式会社WOLVE SHAND株式会社バハティーの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

イオンペットによるM&A

動物病院の運営だけでなく、ペット関連商品の販売、グルーミングサロンやペットホテル、しつけ教室の運営など、多角的な事業を展開するイオンペット株式会社は、2022年に株式会社東京イースト獣医協会動物病院センターの全株式を取得、子会社化しました。

東京イースト獣医協会動物病院センターは、東京都で「ひがし東京夜間救急動物医療センター」を運営しており、2007年の開設依頼、夜間救急診療を年中無休で行ってきました。

このM&Aにより、地域の動物病院間の連携を深めてエリア全体の医療水準を向上し、動物と人間の幸せな共生社会の実現を目指すとしています。

参考:イオンペット株式会社株式会社東京イースト獣医協会動物医療センターの 全株式の取得および子会社化のお知らせ

まとめ

毎年増加している動物病院では、需要と供給のバランスが崩れ、顧客(患者様)獲得競争が激しくなっています。

その他にも後継者問題が深刻化しているなどさまざまな課題があり、M&Aに注目が集まっています。

しかし、M&Aを成功させるためには専門的な知識やノウハウが必要となり、M&A仲介会社など専門家によるサポートが不可欠です。

私たちM&Aベストパートナーズは、M&Aのプロフェッショナル集団として、これまで数多くのM&Aを成功に導いてきた豊富な実績がございます。

動物病院の世界でM&Aを成功させ、地域の動物医療にさらに貢献したいとお考えんp方は、まずはお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。

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