2023年6月16日

M&Aにおけるクロージングとは?手続きや流れ、書類をわかりやすく紹介

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M&Aにおけるクロージングとは?手続きや流れ、書類をわかりやすく紹介

M&Aクロージングとは、M&Aの最終工程のことで、対象事業の引き渡しや条件履行が行われる重要な工程です。

クロージングを行うことでM&Aの成約につながる可能性が高まるため、重要な工程といえるでしょう。

この記事ではM&Aにおけるクロージングとは何なのか、条件の例、手続きの流れ、必要書類などについて詳しく解説していきます。

M&Aにおけるクロージングとは

事業譲渡の流れ

M&Aにおけるクロージングとは、取引の最後の工程であり、譲渡や経営権の移転が完結するフェーズです。

ここでは、M&Aにおけるクロージングの意味とその概要について、期間別に解説します。

 

クロージングとは

M&Aにおけるクロージングとは、最終契約書の締結後、経営権の移転を完結させるために行われる手続きのことです。

主に株式譲渡や事業譲渡などのM&A取引において実施されます。この工程では関係者が必要な手続きを行い、取引が正式に終了します。

クロージングは取引が確定する重要なフェーズであり、双方の当事者が契約条件を履行し、取引が無事に成立しているかの最終確認を行う場です。ここで不履行な点が発見できなければ、後戻りできないため、慎重に行う必要があります。

 

クロージング日とは

M&Aにおけるクロージングの日とは、M&Aの成約日または取引が終わる日のことです。

この日には、譲渡対価の決済や株券、会社代表印の引き渡しなど、取引に関連する全ての手続きが行われます。

クロージング日では契約した条件が全て行われ、取引が正式に終了する日です。取引の成功を象徴する日であることから、関係者が長い交渉と準備を経て到達する大切な日といえるでしょう。

 

クロージングまでの期間

クロージングまでの期間は契約内容によって異なりますが、一般的な目安としては最後に契約した日からクロージング日までに1ヶ月から1年程度かかる場合が多いです。

実際の所要時間は、取引の複雑さや関係者の進め具合によって異なります。

この期間には、法的な手続きや財務デューデリジェンス、規制当局の承認などが含まれます。また、取引当事者の交渉や合意形成の時間も要するため、柔軟性を持ってスケジュールを調整しておきましょう。

M&Aにおけるクロージング条件の例

M&Aにおけるクロージング条件の例

クロージング条件とは、M&Aの契約を成立させるために実施しなければならないリストのことであり、買い手と売り手が合意した最終契約書によって具体的に規定されます。

これらのリストは契約内容によって異なるため注意しましょう。

クロージング条件の例は以下の通りです。

  1. クロージング日までの誓約事項が実施されていること
    これは、双方が契約書で合意した取引条件や約束事が順守されているかを確認するための項目です。
  2. 業務上の許認可を取得済みであること
    M&A取引には法的な手続きや規制要件が多く存在するため、関連する許認可や承認を取得していることが求められます。この条件によって、取引の合法性や透明性が確保できます。
  3. 主要取引先企業から取引継続の同意を取得していること
    これは一般的なクロージングの項目です。

この条件によって、M&Aが実施された後も事業の継続性や関係の維持が確保されます。

取引先企業は、M&Aによる変化に対して同意を与えることで、将来の取引や協力関係の維持を要求してくる場合があります。この同意は、取引の安定性と成功にとって重要な要素といえるでしょう。

条件の内容と実施状況は最終契約書に明記され、取引の進行や完了の判断基準となります。

M&Aのクロージングにおける手続きの流れ

次に、M&Aにおけるクロージングの3つの流れである、プレクロージング、クロージング、ポストクロージングについて解説します。

 

プレクロージング

プレクロージングとは、実際のクロージングの前の日から数日前に行われる準備段階です。

この時点では、取締役会や株主総会で株式譲渡の承認が得られるため、議事録や株式譲渡承認書の用意が必要です。

プレクロージングでは、関係者が集まり、チェックリストに目を通しながらクロージング条件が満たされているかを1つずつ確認します。

確認する内容には、前提となる条件や契約書の履行、必要な許認可の取得、取引先企業からの同意などが含まれます。

プレクロージングは取引の安定性を確保するための重要なステップです。クロージングに進む前に条件の整合性を確認する目的があります。

一般的には、実際のクロージングの直前の日程で行われます。プレクロージングを行えば、クロージング時にスムーズに手続きを進められ、取引の成功率の向上が期待できるでしょう。

 

クロージング

クロージングとは、株式の譲渡などの手続きが行われ、経営権が移転する大切な日です。

この日が正式なクロージング日となり、クロージング時には、契約書で合意された条件が履行され、取引が正式に終了します。

株式の譲渡や事業が移管され、買い手が経営権を取得し、売り手はその経営から退く日、クロージングは取引の最後の段階です。

関係者はこの日を目指して長い交渉や準備を進めます。M&Aの取引において、クロージングを達成することは重要な節目であり、経済活動や事業の変革に影響を与える重要な工程といえるでしょう。

 

ポストクロージング

ポストクロージングとは、クロージング後に行われる一連の手続きや活動のことです。

具体的には、株主総会や取締役会での決議が含まれます。

ポストクロージングでは、クロージング後の誓約事項の実施や契約条件の履行を行います。

また、財務面では、クロージング貸借対照表などの財務諸表の作成も行うため、取引後の財務状況や資産・負債の状態の把握が可能です。

さらに、ポストクロージングでは、価格調整が必要な場合もあります。価格調整とは、取引後に生じた特定の条件や事象に基づいて、取引価格を調整することです。これによって、双方の利益やリスクを適切に配分し、公平な取引結果を把握できます。

ポストクロージングは、取引が完了した後の重要な工程であり、クロージング後の事業統合や合併に向けた取り組みが行われます。

 

M&Aのクロージングに必要となる主な書類

M&Aのクロージングに必要となる主な書類

M&A手続きや書類は、取引の内容によって異なりますが、ここでは株式譲渡を例にした一般的な書類を紹介します。

 

買い手側で用意すべき書類

まず、顧問契約書やクロージング書類受領書が挙げられます。

これらの書類は、法的なアドバイスや専門的なサポートを提供する顧問との契約、クロージングに関連する書面の受領を示すものです。

買い手は、取引に関する助言や支援を受けるために顧問契約を締結し、クロージングに向けた書類の受領を確認することが重要です。

また、譲受会社の登記簿謄本と印鑑証明書も買い手側が用意する書類です。

登記簿謄本は、譲受会社の登記情報や法的な地位を証明する書類であり、M&A取引の一部として提出されます。

印鑑証明書は、譲受会社の公式な印鑑を証明するものであり、法的な手続きや契約締結時に必要な書類です。

これらの書類は、買い手が取引の進行や法的な手続きをスムーズに行うために重要な役割があります。買い手は、取引に関連する書類の収集と適切な提出を行い、M&A取引の成功に向けて必要な手続きを順守することが求められるでしょう。

 

売り手側で用意すべき書類

まず、株主名簿を用意すべきです。これは、売り手が所有する株式の株主情報を記載した書類であり、取引の対象となる株式の所有者を明確にするために必要となります。

次に、株式譲渡代金の領収書や株式譲渡承認の議事録を用意する必要があります。

領収書は、買い手から支払われた株式譲渡代金の受領を証明する書類です。

議事録は、売り手の取締役会や株主総会で株式譲渡が承認されたことを記録した文書であり、M&A取引の手続きを文書化するために必要になるでしょう。

さらに、株式譲渡承認書兼承認通知書や株主名簿記載事項書換請求書も売り手が用意する書類です。

譲渡承認書兼承認通知書は、株式譲渡が承認されたことを通知し、買い手に渡します

一方の株主名簿記載事項書換請求書は、株主名簿の記載事項を正確に反映するための書類です。

これらの書類は、売り手がM&A取引の進行や法的手続きを適切に行うために必要となります。売り手は、取引に関連する書類の準備と提出を適切に行い、M&A取引の円滑な進行と成功に向けて努めることが求められるでしょう。

まとめ

M&Aクロージングでは、多くの事前準備と必要書類を準備する必要があり、クロージング条項の順守が求められます。

M&A先の選定・交渉、契約書の締結、必要書類の準備など、全てを不備なく進めるには、専門家のサポートが必要です。

M&Aの手続きに関してお困りであれば、豊富な支援実績があり、各分野に特化した専門家がサポートを行うM&Aベストパートナーズへお気軽にご相談ください。

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