後継者不在の電気工事会社はどうなる?M&Aによる事業承継が「社員と技術」を守る理由

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

電気工事業界を支えてきた経営者の皆様にとって、「後継者問題」は避けて通れない課題ではないでしょうか。

「自分が引退したら、この会社はどうなるのか」
「長年ついてきてくれた社員や、築き上げた技術を失いたくない」

そんな想いを抱えながらも、具体的な解決策を見出せずにいる方は少なくありません。

本記事では、後継者不在の電気工事会社がM&Aという選択肢を取ることで、どのように「社員と技術」を守り、未来へ繋いでいけるのかを詳しく解説します。

電気工事会社が直面する「後継者不在」の深刻なリスク

はじめに、昨今の電気工事会社が、「後継者不在」によってどのようなリスクを伴うのか、その内容を解説します。

【経営リスク】「経営業務管理責任者」の不在による許可取消

電気工事業の許可を維持するためには、経営の経験を持つ「経営業務管理責任者(経管)」が必要です。

後継者がいないまま社長に万が一のことがあれば、経管が不在となり建設業許可を失うことになりかねません。

そのため、許可を失うと進行中の現場はストップし、会社は即座に事業継続不能という致命的な事態に追い込まれることになります。

【現場リスク】「主任技術者」の高齢化と若手社員の流出

社長が現場の技術的な柱(主任技術者)を兼ねている場合、引退と同時に現場の法的な配置基準を満たせなくなる可能性があります。

また、将来のビジョンが見えない会社からは、資格を持つ若手や中堅社員から順に「より安定した同業他社」へと流出する恐れも。

後継者不在の放置は、組織の空洞化を招く最大のリスクとなりうるのです。

【社会的リスク】「負の連鎖」を招く黒字廃業

業績が悪くないのに廃業を選ぶ「黒字廃業」は、周囲へ以下のような多大なダメージを与える恐れがあります。

  • 取引先への影響:
    長年保守を担当してきた工場や公共施設のメンテナンスが止まり、地域インフラの安全を脅かす
  • 協力会社への打撃:
    突然の廃業は、長年支え合ってきた協力会社の仕事と資金繰りを悪化させる恐れがある

廃業リスクを回避する「出口戦略としてのM&A」

自社だけでなく、周囲へも大きなダメージを与えかねない「後継者問題」ですが、近年ではこの問題への出口戦略としてM&Aが活発に行われています。

具体的にどのような戦略なのか、その背景を解説します。

M&Aは会社を存続させるための「攻めの対策」

廃業は「すべてを失う決断」ですが、M&Aは「会社をより強いパートナーに託す」という決断であり、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 技術の散逸を防ぐ:
    熟練工のノウハウを次世代に引き継ぐ体制を確保できる
  • 顧客への責任を果たす:
    継続的な点検・保守業務を滞りなく継続可能
  • 個人保証からの解放:
    経営者が抱える金融機関への個人保証を解消し、セカンドライフの安全を確保できる

電気工事会社を求めている「買い手」の存在

近年は、脱炭素(EVシフト)やインフラ老朽化により、電気工事の需要は爆発的に高まっている状況です。

そのため、自社では当たり前だと思っている「有資格者の集団」や「安定した元請案件」は、実は他社から見れば喉から手が出るほど欲しい資産なのです。

そこで、M&Aという対策を講じることで、廃業リスクを「会社発展のチャンス」へと転換することが可能となるのです。

M&Aが「社員と技術」を守る具体的な仕組み

「出口戦略」として活発に行われているM&Aですが、後継者問題解決や廃業リスク回避だけでなく、自社の「社員と技術」を守ることもできます。

そこで、M&Aによってどのように社員と技術を守ることができるのか、その仕組みをご紹介します。

資格保有者の処遇改善と福利厚生の充実

買い手企業にとって、大きな買収目的の一つに「有資格者の獲得」があります。

M&Aを機に労働条件が改善されたり、退職金制度が整備されたりすることが多く、結果として大切な社員の生活をより強固に守ることが可能です。

技術継承を支える大手・中堅グループの教育リソース

小規模な会社では難しかった若手の採用や教育も、グループの採用力や研修施設を活用することで可能になります。

これまで社長個人に依存していた技術が組織のノウハウとして定着し、会社が培ってきた「看板」が途絶えることなく継承されます。

施工実績と特定建設業許可の維持

M&Aによって法人が存続すれば、苦労して取得した「特定建設業許可」や「経営事項審査(経審)」の評点、過去の施工実績をそのまま引き継ぐことができます。

そのため、会社としては譲渡後も変わらず大規模案件の受注が可能です。

電気工事業のM&Aにおける「企業価値」の決まり方

電気工事会社の価値は、以下のような財務諸表に表れない「目に見えない資産」が大きな割合を占めています。

  • 資格保有者数と施工管理能力:
    1級・2級電気工事施工管理技士の人数は、譲渡価格に直結する最重要指標
  • 公共案件の受注実績:
    自治体等からの直接受注実績や、経審の点数は高い評価対象となる
  • ストック収益の有無:
    メンテナンスや保守点検などの継続契約は、収益の安定性としてプラス評価される

まとめ

昨今、後継者問題は多くの業種において深刻な問題となっており、電気工事業界も例外ではありません。

このような状況を打破する選択肢の一つとしてM&Aが活発に行われていますが、M&Aは有効な選択肢であるものの成功までのプロセスは煩雑で、専門的な知識やノウハウを必要とするため、M&A仲介会社によるサポートが必要不可欠です。

私たちM&Aベストパートナーズは、M&A仲介のプロフェッショナルとして、これまで数多くのM&Aを成功に導いてきた豊富な実績がございます。

M&Aによって事業を引き継ぎ、これまで築き上げてきた信頼と実績、そして共に頑張ってきた従業員の雇用を守りたいとお考えの方は、ぜひM&Aベストパートナーズまでお気軽にご相談ください。

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