「自身の高齢化で管理が辛くなってきた」「子供は別の仕事をしていて継ぐ意思がない」といった理由で、将来に不安を感じている駐車場経営者は少なくありません。
これまで、後継者がいない場合の選択肢は「廃業(閉鎖)」が一般的でしたが、今注目されているのが「M&A(事業譲渡)」による出口戦略です。
そこで本記事では、後継者不在の悩みを解決し、オーナー様にとってさまざまな利益をもたらすM&Aのメリットや実際に行われたM&A事例について詳しく解説します。
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目次
駐車場運営の「出口戦略」としてM&Aが選ばれる背景
はじめに、駐車場運営における出口戦略としてなぜM&Aが選ばれているのか、その背景を解説します。
廃業(閉鎖)とM&A(売却)の違い
駐車場を廃業する場合、アスファルトの撤去や精算機の解体など、多額の「原状回復費用」が発生することがあります。
一方のM&Aによる売却の場合、運営体制や設備、利用者との契約をそのまま「事業」として第三者に譲渡することが可能です。
そのため、M&Aは廃業コストをゼロにするだけでなく、事業の価値に応じた売却益を得ることができます。
駐車場業界でM&Aが注目されている背景
昨今の駐車場業界では、大手チェーンによるシェア拡大や、ITを活用したスマート駐車場の普及が進んでいます。
買い手となる企業は、ゼロから拠点を探すよりも、すでに実績(稼働データ)がある既存の駐車場を譲り受ける方がリスクを抑えて成長できるため、M&Aの需要が非常に高まっている状況です。
後継者不在の駐車場オーナーがM&Aを活用する4つのメリット
近年では、後継者不在による廃業が増加していますが、前述したとおり、後継者不在による廃業を回避するためにM&Aを選択するケースが増加しています。
そこで、M&Aを活用することでどのようなメリットを得ることができるのかをご紹介します。
まとまった売却利益(創創業利益)の獲得
不動産売却の場合、評価の基準はあくまで「土地代」です。
しかし、M&Aであれば「その駐車場が将来生み出すであろう利益」、いわゆる「営業権(のれん代)」が加算されます。
そのため、長年の運営実績が「利益」として正当に評価され、手元に多くの現金を残すことが可能です。
従業員の雇用維持と取引先の継続
管理スタッフを雇用している場合や、特定の清掃業者・保守点検業者と長く付き合っている場合、突然の閉鎖は彼らの生活に影響を及ぼします。
一方で、M&Aであれば雇用契約や取引関係を条件に盛り込むことで、関係者の生活を守りながら引退することができます。
煩雑な管理業務からの解放
「深夜の機器トラブルの呼び出し」「放置車両の対応」「不正利用のチェック」など、駐車場運営は精神的・肉体的な負担が年齢を重ねるごとに重荷になっていきます。
しかし、売却によってこれらの義務をすべて買い手に引き継ぐことで、ストレスのないリタイア生活をスタートすることができます。
スムーズな相続対策
土地や事業のまま相続すると、複数の相続人で分割しにくく、トラブル(争族)の原因になることがあります。
しかし、生前にM&Aで現金化しておくことができれば遺産分割が比較的容易になる可能性があり、納税資金の確保にもつながります。
駐車場運営事業のM&Aを成功させるための重要なポイント
駐車場運営事業のM&Aを成功させるためには、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。
稼働率と収支の透明化
買い手となる企業は、過去の売上実績を厳しくチェックします。
そのため、月次の収支報告書、稼働率の推移、周辺の競合状況などのデータを整理しておくことで、買い手からの信頼が高まり高値売却の可能性が上がります。
土地の賃貸借契約・設備所有権の整理
自社地か借地か、また精算機などの設備が「一括購入」か「リース・レンタル」かによって、譲渡のスキームは大きく変わります。
契約内容を改めて確認し、不明な点は専門家に相談しながら整理しておくことが、交渉をスムーズに進めるコツです。
不動産売買にも詳しいM&A仲介会社に相談する
駐車場運営事業におけるM&Aは、ただ事業を引き渡すだけでなく、土地の権利も関わることが多いです。
そのため、事業承継だけでなく、土地の権利関係にも詳しいM&A仲介会社のサポートがおすすめです。
駐車場運営事業で実際に行われたM&A事例
駐車場運営事業においてM&Aが活発に行われている背景やメリットをお伝えしてきましたが、実際にどのようなM&Aが行われているのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、実際に行われたM&A事例をご紹介します。
テクニカル電子によるM&A
駐車場管理事業や精算機の開発・販売を行うテクニカル電子株式会社は、新潟県新潟市で駐車場の管理・運営を行う株式会社タキザワ企業、及びタキザワ企業が管理・運営する不動産の所有者である株式会社明日パイアホールディングスの株式を取得、子会社化しました。
このM&Aにより、テクニカル電子は企業価値の向上、そして事業拡大を目指すとしています。
なお、テクニカル電子は2018年に株式会社パーキングソリューションズへ社名変更。2026年4月に大和ハウスパーキング株式会社へ吸収合併される予定です。
参考:株式会社パーキングソリューションズ(旧:テクニカル電子株式会社)|株式会社タキザワ企業及び株式会社アスパイアホールディングスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ
参考:大和ハウス工業株式会社|グループ会社の駐車場関連事業を経営統合します
大和ハウス工業によるM&A
大和ハウス工業株式会社は、2013年に東京及び福岡でパーキング事業を手掛ける株式会社ダイヨシトラストを、2014年に関東・近畿エリアでパーキング事業を手掛ける株式会社トモを子会社化しました。
この2社を参加とすることで、小規模駐車場運営と施設系駐車場運営それぞれの強みを活かし、高い相乗効果が見込めるとしています。
参考:大和ハウス工業株式会社|株式会社ダイヨシトラスト株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ
参考:大和ハウス工業株式会社|株式会社トモの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ
日成ビルド工業によるM&A
システム建築及び立体駐車場の総合メーカーである日成ビルド工業株式会社は、株式会社東京ドームの連結子会社で、首都圏で自走式立体駐車場の設計・施工・販売や駐車場管理運営を行う東和工建株式会社を完全子会社化しました。
このM&Aにより、コア事業である立体駐車場事業の底上げを行うとともに、駐車場の管理・運営事業へ参入し、顧客から継続して収益を得るストックビジネスの拡大も期待するとしています。
参考:株式会社東京ドーム|連結子会社(孫会社)の株式譲渡に関するお知らせ
まとめ
後継者不在による倒産回避など、近年ではさまざまな理由からM&Aによって事業継承を行う駐車場運営事業者が増加しています。
しかし、駐車場運営事業を事業承継する場合、不動産が関わることが多く、一般的なM&Aの知識だけでなく、不動産引き継ぎの知識やノウハウも必要とします。
私たちM&Aベストパートナーズは、これまで事業承継だけでなく、不動産の引き継ぎも関わるM&Aを数多く成功させてまいりました。
これまで利用者のためにと快適な駐車場作りを行ってきた歴史を次世代にも引き継ぎたいとお考えの方は、まずはお気軽にM&Aベストパートナーズまでご相談ください。
業界に精通した専任アドバイザーが悩みやご希望を丁寧にヒアリングさせていただき、大切に守ってきた事業を承継するお手伝いを全力でさせていただきます。
