M&Aストーリー M & A Story
狭いエリアで競合がひしめくなか、 事業継続のためのM&Aを選択。

狭いエリアで競合がひしめくなか、 事業継続のためのM&Aを選択。

会社名
株式会社たんぽぽ薬局
業種
調剤薬局
M&Aで達成した内容
創業者利益の確保とセミリタイア
M&Aアドバイザー
岡田 卓也

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M&Aに至る背景面応需の調剤薬局の供給過多に 危機感を覚える。

M&Aに至る背景
西武新宿線・野方駅徒歩1分の場所に、たんぽぽ薬局はある。代表取締役の丸内雄人氏は大学を卒業後、いくつかの調剤薬局での勤務を経て、2013年に同薬局を開業した。最後の就職先が調剤薬局の独立支援を行っていたため、その会社が所有するひとつの店舗を譲り受けた形である。立場は会社員から経営者に変わったが、日々の業務内容はそれまでと大きく変わらない。丸内氏は目の前の患者一人ひとりに対し、懇切丁寧な服薬指導を行うことを常に心がけた。

調剤薬局の店舗形態は、門前と面応需に大別される。門前とはその名の通り、総合病院やクリニックの門の前で複数の調剤薬局が処方せんを応需する形態だ。一部規制が緩和され、病院の敷地内に薬局を誘致し、門前ではなく敷地内で薬局を出店する事例も数多く見られるようになった。一方の面応需は点(=門前)に対応する呼称で、病院やクリニックを限定せずに処方せんを受け付ける形態である。患者は自宅や勤務先の近く、あるいは買い物帰りなどに立ち寄りやすい場所にある調剤薬局で処方せんを渡し、薬を受け取る。ちなみに、ドラッグストア業界の調剤併設型店舗の積極出店や、大手調剤薬局チェーンの24時間営業店舗の開設、コンビニエンスストアとの融合、大手家電量販店など異業種からの参入も相次ぎ、面応需の調剤薬局の最近の進展には目覚ましいものがある。
M&Aに至る背景
近隣にいくつか病院やクリニックはあるものの、たんぽぽ薬局も面応需の調剤薬局に分類される。駅前という立地条件もあいまって、周辺には競合となる調剤薬局が乱立していた。ふだん調剤薬局を利用しない人であっても、明らかに供給過多だと感じるだろう。そして、ここ数年の間で、丸内氏はいくつかの店舗の閉店と新規出店を目の当たりにし、弱者が淘汰され、そこにさらなる強者が登場する構図に、先行き不安を覚えるようになった。

生き残りをかけ、普段から努力は怠っていなかった。営業時間は平日および土曜日の午前9時から午後7時まで。日曜日は定休日だが、祝日は午前9時から正午まで店を開けた。患者を待たすことのないよう、アプリを活用した処方せん事前受付サービスを展開。さらには、医師や訪問看護師、ケアマネジャーらと連携して患者の自宅を訪問し、薬剤管理や服用方法などに関する説明や相談にまで応じた。

M&Aの決断大手の資本力とノウハウを取り入れ、 たんぽぽ薬局の看板を維持する。

M&Aの決断
働き詰めの毎日だった。通勤時間も片道で1時間以上かかる。同じく薬剤師である妻の献身的なサポートはあったが、家庭において2人の子供にまったく構ってやれなかった。このままの状態で仕事を続けていてもいいのだろうか。もっと家族のための時間を増やすべきではないのだろうか。MABP岡田卓也からの電話を受けたのは、丸内氏がそんなふうに思考を巡らせているときだった。

当時、偶然にも店舗に対応すべき患者はいなかった。もし患者がいたならば、岡田からの電話はすぐに切っていただろう。また、過去に受けた同様の営業電話はすべて断っていたにもかかわらず、話を聞いたうえで面談まで承諾することにした。それは、おそらく今が人生の転機を迎えるタイミングだと、丸内氏には感じられたからだった。

この業界でM&Aの事例は多い。丸内氏自身も事業譲渡で独立開業しているので、M&Aに対してネガティブな感情はなかった。ただ、具体的な提案を受けるまでは、ネガティブではないもののポジティブというわけでもなかった。
M&Aの決断
岡田は丸内氏の警戒心を解くように、調剤薬局のM&Aの形や買い手(譲受企業)が提示する条件についての説明を行った。それは、たんぽぽ薬局がモットーとする懇切丁寧な服薬指導にも通じるものがあった。門前に比べ面応需の調剤薬局は、買い手からの評価が高い。それは、特定の病院やクリニックに頼らなくて済むため経営不安が少なく、調剤報酬(処方せん1枚あたりの売上)の減点がなく収益が安定することに起因する。そういった数字やデータにもとづく説明を受けるうちに、丸内氏の気持ちもだんだんと前向きになっていった。

紹介されたのは、調剤薬局を100店舗ほど経営する大手企業だ。自分と数名のスタッフで運営しているたんぽぽ薬局とは規模が違いすぎるので、序盤は丸内氏も気後れしていたが、先方の女性代表者が持ち前の明るさで商談の場を盛り上げてくれた。競合がひしめくエリアで生き残るには、少ないマンパワーを駆使して対抗するよりも、大手の資本力や経営ノウハウを取り入れたほうがいいのかもしれない。たんぽぽ薬局を信頼して通ってくれている患者のためにも、また、日々一生懸命頑張ってくれているスタッフのためにも、事業の継続を最優先して大手と手を組むのが、おそらく得策なのだろう。丸内氏はたんぽぽ薬局の株式譲渡を決断し、そこからはとんとん拍子でM&Aの手続きが進んでいくことになった。

M&Aの振り返りと展望セミリタイアで 人生をリセットした先に見るもの。

M&Aの振り返りと展望
契約に向けた準備は、薬局の閉店後に行われる。通常業務に支障が出ないよう、岡田も時間帯を考慮したうえで連絡を入れ、書類集めも手伝った。そして、買収監査後に減額交渉が入るなど多少のイレギュラーはあったが、譲受企業との初面談からわずか1ヶ月半後、異例のスピードで株式譲渡契約が結ばれた。

店舗の見た目やスタッフの体制は以前のたんぽぽ薬局のままである。患者が感じる変化、それもとんでもなく大きな変化は、管理薬剤師である丸内氏がいなくなることだろう。当初はM&A成立後もたんぽぽ薬局で一薬剤師として働き続ける道について考えたが、最終的に丸内氏はセミリタイアを選んだ。10年近く、ほぼ休みなく働いてきたので、一度小休憩してみるのもいいかなと、気持ちが傾いたのだ。

ただ、創業者利益はある程度確保できたといっても、一生遊んで暮らせるほどではない。完全なアーリーリタイアとまではいかないので、時間をおいて今度は会社員としてどこかの調剤薬局に勤務することになるだろう。それまでは息子が所属する少年野球チームでのコーチ業など、家族サービスに励む予定だ。西武新宿線・野方駅前のたんぽぽ薬局で、いつものように患者が薬を受け取り笑顔の花を咲かせているのを、丸内氏は少し遠い場所から見守っている。

お客様プロフィール

お客様プロフィール

株式会社たんぽぽ薬局

代表取締役丸内 雄人 氏

2013年、西武新宿線・野方駅前でたんぽぽ薬局を開業。営業時間は平日および土曜日の午前9時から午後7時まで。日曜日は定休日だが、祝日は午前9時から正午まで店を開けている。患者を待たすことのないよう、アプリを活用した処方せん事前受付サービスを展開。さらには、医師や訪問看護師、ケアマネジャーらと連携して患者の自宅を訪問し、薬剤管理や服用方法などに関する説明や相談にまで応じる。資本金100万円。従業員3名。東京都中野区野方6-4-1

M&Aストーリー

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