M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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医療法人社団スマイル会
ご成約事例
私は伊豆の修善寺生まれです。父は私の誕生後、名古屋に出て歯科医院を開業しました。
幼いころから父の背中を見て育ちましたが、実は小学生の頃からずっと夢中だったのは“マジック”でした。プロのマジシャンを本気で目指していたんです。結婚式でギャラをいただいてマジックを披露するなど、セミプロのような活動もしましたが、当時はまだ、それだけで生活できるような時代ではなかったですね。
そんな折、父の後を継ぐことを決意し、名古屋にある愛知学院大学の歯学部へ進学しました。その後は、付属病院の矯正学講座に残ってさらに6年間、矯正治療について専門的に学び矯正専門医資格を取得しました。
卒業後、当地に在住する友人からの勧めもあって、静岡県浜松市で「きた矯正歯科クリニック」を開業しました。
当院は、静岡県浜松市にある矯正歯科専門のクリニックです。JR浜松駅から徒歩1分という立地にあり、地域の皆さまを中心に、幅広い世代の方々にご来院いただいています。
私たちは「患者さんの健康は歯並びから」をモットーに、単に見た目を整えるだけでなく、心身の健康につながる治療を目指してきました。初診時のカウンセリングでは患者さんとの対話を重視し、お悩みやご希望をじっくりとお伺いしてから治療方針を提案しています。
治療法については、従来の矯正治療はもちろんのこと、美しく快適に歯並びを整える「マウスピース矯正」や、装置が目立たない「リンガルブラケット矯正(裏側矯正)」など、先端の技術を積極的に取り入れてきました。また、院内には技工士が常駐しており、患者さん一人ひとりに合わせた精度の高い矯正装置を、スピーディに提供できる体制も整えています。
1989年に当クリニックを開業して以来、もう36年になります。その間、虫歯の治療や入れ歯の製作といった一般歯科の分野には手を出さず、あくまで「矯正専門」を貫いてきました。
子どものころからマジックを嗜んでいた私は、ワイヤーを曲げたり切ったりするような手先を使う作業が得意でした。矯正歯科はそうした作業が治療の中で活きてくる分野でしたし、当時は矯正専門の歯科医師がまだ少なかったこともあって、あえてこの道を選んだんです。
現在は、静岡県歯科医師会でも理事を務めています。広報部長として「県歯報」の発行に携わっていて、今期は自分の経験も踏まえて「事業承継」をテーマに特集を組もうと企画しています。自分自身がまさにその渦中にいるというのは、なんとも不思議な縁を感じますね。
私ももう66歳になります。もともと、70歳までには現役を引退して、少しゆっくりとした時間を過ごしたいという思いがありました。ただうちには子どもがおらず、したがって医院を継いでくれる「跡継ぎ」がいません。
長年続けてきた医院を今後どうしていくのか、どのようなかたちで誰にバトンタッチするのか……。これから3〜4年ほどかけて、少しずつ検討していこうと思っていたところでした。
そんな矢先、M&Aベストパートナーズ(MABP)の加藤さんがご連絡をくださったんです。本当にタイミングが良くて、まるで「救世主が現れた」と思いましたね。これをきっかけに、M&Aという手法で医院の今後を決めていくことになりました。
正直に言えば、M&Aの業界というと、男性が多いイメージを持っていたんです。ですから、てっきり男性の担当者が来られるものだと思っていました。ところが実際にお会いしたのは、物腰の柔らかい女性の方で、ちょっと驚きましたね。
「こんなにお若い女性に、大事なことを任せて本当に大丈夫かな?」と不安が胸をよぎったのは事実です。ただ、加藤さんとお話を進めていくうちに、実際にはかなりの経験をお持ちだということが分かったので、その不安はすぐに消えました。
ご出身が名古屋ということもあって、何だか親近感も湧きましたね。
MABPの加藤さんと初めてお会いしたのは、2024年12月14日のことでした。実はその時点では「今すぐに」という気持ちはなく、あと3~4年のうちにご縁があればいいかなと考えていたんです。70歳までに引退するのが自分の希望でしたから。
ところが、加藤さんにご紹介いただいた1社とのご縁がトントン拍子に進み、翌年1月には早くもトップ面談に至りました。私としては特に急いでいませんでしたが、加藤さんがとてもスピーディに動いてくださったおかげで、思っていたよりもずっと早く話がまとまりましたね。
2025年4月30日には無事にクロージングを迎えて、医療法人を譲渡できました。
M&Aに際して、実は私はそれほど強いこだわりを持っていたわけではありません。ある程度は柔軟に考えていましたし「うちの医院を本当にいいと思ってくれる方が現れれば、それが一番だ」とも思っていました。
実際にお話を進める中では、相手方から「これまで通り、好きなようにやってください」と言っていただけて。こちらの希望も、ほとんど受け入れてくださったんです。そうした懐の深さに、非常に安心感を覚えました。
もともと、矯正専門というニッチな領域で医院をやってきましたので、買収先の候補がたくさんあるわけではないだろうとは思っていました。そんな中で「ぜひに」と言っていただけたことが、何よりも嬉しかったですし、譲渡先として申し分のないご縁だったと感じています。
大きな心配は、特にありませんでした。もちろん、小さな懸念ならいくつかありましたが、それも話し合いの中で解決できるレベルのものでした。
それらの細かなすり合わせも、MABPの加藤さんがしっかりと間に入ってケアしてくださいました。こちらの気持ちを汲み取りつつ、相手方と丁寧に調整してくださったので、終始安心して進めることができましたね。
トップ面談でお会いした際、さくら会の代表の方は、とてもおおらかで優しそうな印象を受けました。初対面にもかかわらず、すぐに「この方とは合いそうだな」と感じましたね。
年齢は一回り以上若い方でしたが、経営に関する勉強もしっかりとされていて、「こんな方に医院を買っていただけるなら、本当にありがたい」と心から思えました。
さくら会さんは、東海地方を中心に30箇所の歯科医院を展開されている大きなグループで、今後は矯正にも力を入れていきたいと仰っていました。そうしたビジョンも矯正専門の当院とマッチしていて、他の歯科医院さんでは、ここまでスムーズには話がまとまらなかったかもしれませんね。
今回のM&Aは1社のみとの交渉でしたが、加藤さんが「ここなら安心だな」と思えるお相手を紹介してくださったことが、何よりの決め手になりました。とてもありがたいご縁でしたね。
先方は、私たちの歯科医院のことを本当に高く評価してくださっていて、今後もクリニックの体制はそのまま維持されます。大きく何かが変わるというわけではないので、その点も安心材料になりました。
正直、M&Aというと「譲渡した後はあれこれ制約が増えるのでは」と思っていたのですが、そうした束縛もなく「こんなに柔軟で寛容なところがあるんだ」と驚いたくらいです。自分にとっても、医院にとっても、これ以上ない良い形でのM&Aになったと感じています。
本当に良いかたちでM&Aを終えることができて、率直に「安心した」という気持ちですね。
さくら会さんは「日本一の歯科医療グループを目指す」と掲げておられます。微力ながら、私もその発展をバックアップしていきたい。矯正専門の指導医は全国的にも非常に少ないので、私のこれまでの経験を活かして、今後は若手医師の育成や教育に力を入れていくつもりです。
それから個人的には、今回のM&Aを機に、歯医者の仕事の先行きも安心したため、「マジックバー」を開きたいと考えています。東京や名古屋にはありますが、浜松にはまだないんですよ。かつてプロマジシャンは断念しましたが、今度はライフワークとしてマジックをやりたいですね。
今回のご縁を繋いでくれたMABPの加藤さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。若くして非常に優秀な方で、ぜひこれからも、M&A業界で「日本一のアドバイザー」を目指してがんばっていただきたいと、心から応援しています。
私は歯科医業界しか知りませんが、それでも後継者がいなくて困っている同業者は多くおられます。実際に、医療全体でも高齢化が進んでいて、今後さらに深刻になっていくと感じます。
時代の変化に伴って、個人医院では限界があると感じるシーンも増えてきました。その中で今回ご縁をいただいた、さくら会さんのような大手医療法人にグループ入りすることで、患者さんにとっての利便性や安心感が保たれるというのは、とても大きなメリットです。
やはり、子どもの頃から通っていた歯医者さんが突然なくなってしまったら、患者さんは困ってしまいます。そういった地域医療の連続性を守るためにも、M&Aという選択肢は、決してネガティブなものではなく、前向きな決断だと思いますよ。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
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