M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
M&Aとは
サービス紹介
M&Aストーリー
有限会社メンタルサポーター
ご成約事例
私は専修大学の法学部出身です。1993年に卒業して地元で一旦就職したものの、地域病院の精神科に務めていた母の勧めもあり、医療系の専門学校に入り直しました。3年間で作業療法士を取得すると、一般病院で勤務を始めます。
ちょうどその頃、厚生労働省の方針が大きく変わり、精神疾患を持つ方々を病院に隔離しておくのではなく、できるだけ地域で暮らしてもらう方向へとシフトしました。ところが、長年病院の中で生活してきた患者さんは地域での生活に馴染めず、再入院してしまうケースが後を絶たなかったんです。
その背景には、受け皿となる訪問看護ステーションが無かったという問題がありました。もし、患者さんが気軽に相談できるような相手がいれば、もっと安定して地域での生活が続けられるはず。そう考えた母と二人三脚で、2003年3月に訪問看護の事業を立ち上げました。
メンタルサポーターは、京都府宇治市を拠点に、精神科に特化した訪問看護を行う会社です。
業務としては、医療的な視点からの服薬管理やバイタルチェックといった健康管理に加え、利用者様が地域で“その人らしく”暮らし続けていけるよう、生活面での困りごとやしんどさに寄り添いつつ、「個性を尊重する」という姿勢で支援しています。
ただ医療的に支援するだけでなく、地域の中で安心して生活していけるよう、その人のペースに寄り添いながら、精神面・生活面の両方から支える存在でありたいと考え、これまで活動してきました。
実は当時、精神科に特化した訪問看護ステーションというのは全国的にも本当に数が少なく、開業にあたってはなかなか保健所の認可が下りずに苦労しました。
なんとか認可を得てからは、順調に規模を拡大し、利用者様の増加に伴って、体制の整備にも力を入れました。むしろ開業後は需要に対して供給が追いつかず、人材の確保や設備投資、管理体制の確立など、本当に大変でしたね。
それでも私は、とにかく「人を大切にする」という姿勢が良い支援につながると信じ、20年以上にわたって地域の精神科訪問看護を続けてきました。
ここ数年、かなり厳しい経営が続いていました。それでも「自分が手間をかければ何とかなる」という気持ちで、必死に踏ん張っていたんです。どんなにしんどくても、利用者様のため、職員さんのためにと、自分に言い聞かせながらやってきました。
でも、限界が見えてきたんですよね。
きっかけは、娘の体調不良でした。スポーツ推薦で進学したのですが、ある日を境に、練習どころか登校さえできない状態になってしまって。本人もすごく苦しんでいて、親としてそばで支える必要が出てきたんです。
さらに、所長を務めていた母も、年齢的な衰えが目立つようになってきました。今まではバリバリ働いていたのに、耳が聞こえにくくなったり、記憶違いをしたり。そうした影響で、トラブルが生じることも増えてきてしまったんです。
結局、私が所長業まで兼務して、現場を何とか回しながら、家庭では娘のサポート。もう本当に、どうにもならない状況でした。「利用者様や職員さんに迷惑だけはかけたくない」という一心でしたね。辞めるわけにもいかない立場で、完全に八方塞がりでした。
そんな時に、M&Aベストパートナーズ(MABP)の山本さんからDMをいただいたんです。「この方法で状況を変えられるかも」と、わらにもすがる思いで連絡を取らせてもらいました。
MABPの山本さんは、とても信頼できる方でした。
実は、MABPさんにご相談する前に、もう1社の方ともお話したんです。けれど、その担当者さんは「私に任せてください、必ず上手くいきますよ」「こうしたら高く売れます」みたいな、とにかく“いい話”ばかりを並べ立てる印象でした。私はそんな言葉に全く信用が持てませんでした。
その後にお会いしたのが、山本さんでした。お話では良い点だけではなく、リスクや難しさも含めて、M&Aの実態を丁寧に教えてくださったので「誠実な方だな」と感じたんです。「我々も最善を尽くしますが、結果としてご希望の金額にならない可能性もある」「話が進まず、想定より時間がかかるケースもある」といった“悪い可能性”も、きちんと説明してくれました。
私は、M&Aの現実をしっかりと把握しておきたかった。だからこそ、そういった“マイナス面”を含めて冷静に話してくれる人にお願いしたかったんです。山本さんは現実に即したロードマップも示してくれて、とても安心感がありました。
特に印象的だったのは、リスクの幅についてもちゃんと論理的に説明してくれたことですね。期待が上振れする場合、下振れする場合、その“最低ライン”はどこなのかといったところまで、きちんと言語化してくれたのが、私にとっては非常に大きな決め手でした。
MABPの山本さんに正式に依頼したのは、2024年6月ごろです。そこから、相手企業の選定に動いていただき、4社と面談しました。
最初にお会いしたのは別の領域で事業を展開している企業さんで、考え方や文化がまるで違っていて折り合いませんでした。山本さんも「知れば知るほど、精神科の訪問看護は非常に専門性が高く、特殊な分野だと分かった」と仰っていて、通常の訪問看護ステーションを運営する企業さんにもアプローチしてくださったようです。ただ、精神科と一般科ではスタッフの動き方や考え方が全く異なり、なかなかマッチする企業さんと出会えませんでした。
一時は相当難航するかもしれないと覚悟しましたが、そんな中でも山本さんは粘り強く動いてくださり、最終的には私たちにとって最も適した企業さんを見つけてくれたんです。
翌年の2025年2月には、無事クロージングを迎えることができました。
私が重視していたことは、主に2つあります。1つは「職員さんと利用者様を守ること」。そしてもう1つは「スピード感」です。
私自身が会社と家庭の両立に追われ、当時はまさに家庭崩壊寸前まで追い込まれていたんですよ。決算の数字も芳しくなく、会社を立て直す気力は残っていませんでした。だからこそ「できるだけ早く次の体制に引き継ぎ、職員さんと利用者様を守らなければ」と思い、M&Aは早急に成立させるべく、スピード感を求めていました。
結果として、山本さんのおかげで1年もかからずM&Aを終えることができ、本当にありがたかったですね。
一番の心配は「仲介会社さんが本当に信頼できるかどうか」でした。
最近は、M&Aを巡るトラブルの話をよく耳にします。例えば、とある信用金庫さんがM&Aを進めた結果「株は1円で売却したが、債務は引き継がれなかった」という、ほとんど詐欺のようなケースや、中堅メーカーさんが倒産してしまうという話もありましたよね。「うちも同じような目に遭うんじゃないか」という不安は正直、常に頭の片隅にありました。
ただ、山本さんの進め方はとても一貫性がありましたし、過剰な期待をあおるような“派手な話”も一切されなかったんです。それが、私にとって何よりも安心材料になりました。最初から「こんなリスクもある」と丁寧に説明してくれた上で「こんなルートで動いていく予定です」と誠実に提案してくださいました。
特に印象的だったのは、決算が想定より下振れした時のことです。「これはもう駄目だ」と、諦めかけた瞬間もありました。そんな時、山本さんは「目先の数字は確かに落ちているかもしれませんが、この会社が持つ“歴史”や“想い”、そして“コアとなる価値”は消えていない」と、前向きな言葉をかけてくれたんですよ。
その言葉に支えられましたし、ご紹介いただいた譲受企業の社長さんも先入観を持たず、誠実に受け止めてくださった。結果として、信頼できる相手にバトンを渡せたと思っています。
山本さんにご紹介いただいた譲受企業の社長さんは、対応が非常にしっかりされていて好印象でした。法令に基づき、やるべきことを一つひとつ丁寧に、順序立てて進めてくださって。私たちのことを理解しようとする姿勢も、ひしひしと伝わってきました。
「この方たちは、本気で取り組んでくれている」と確信できてからは、私もそれに応えなければと思い、必死に動きましたね。お互いの歩み寄りによって、信頼関係を築けたのだと思います。
一番の決め手は「ここなら任せても大丈夫だ、私もバトンタッチする準備ができる」と心から思えたことですね。社長さんのお母さまがもともと精神科に勤めていて、そこから訪問看護ステーションを立ち上げられたということで、私たちと境遇がすごく似ていることも大きかった。
あちらの社長さんは、私よりも20歳ほど若い方です。「この方は今の時代の視点で、私が20年前に見ていた景色を見ておられるんだな」と感じました。この先、職員さんの待遇や利用者様へのサービスなど、安定した体制をしっかりと築いてくれると、強く思えたんですよ。
何よりも、まず感じているのは「ようやく落ち着いて、何が一番大事なのかを考えられるようになったな」という実感です。仕事にも家族にも、ちゃんと向き合えるようになりました。
現在は一社員として会社に残り、バリバリ働かせてもらっています。仕事の質も、以前よりも明らかに上がっていて、かえって職員さん一人ひとりの顔をよく見れるようになりました。日々のトラブルにも丁寧に対応できるようになり、楽しさすら感じています。譲受企業の社長さんとも仲良くさせていただいていて、本当に素敵な方と出会えました。
娘の調子も、少しずつ快方に向かっている気がします。これまでは私自身に余裕がなく、どうしても受け止めきれませんでしたが、今回身を引いて治療に専念する母とともに、会話や外出など、付き添えるようになりました。家族と笑顔で過ごせるのは、何よりもありがたいですね。
以前は本当に、何もかもが悪い方向に転がっていくような気がしていたんです。それが今は、全てが良い方向に回っている。M&Aのおかげで、人生の歯車がきちんと噛み合いはじめた、そんな感覚です。周囲からも「事業を譲ってから元気になった」と言われます。
山本さんと出会えていなかったら、この未来はなかった。本当にご縁に恵まれたM&Aだったと、心から思っています。
「仲介会社さんや担当者さんを、しっかり見極めてください」ということに尽きますね。
私たちの場合、精神科の訪問看護という非常に専門性の高い業種で、状況的にも厳しいタイミングでした。そんな中でM&Aを進めていくのは、山本さんにとっても相当ハードだったはずです。それでも、彼はいつでも真摯に向き合ってくれ、着実にゴールまで導いてくれました。
M&A仲介もビジネスですから、規模の大きな企業同士をつなぎ、それを自分の実績だとアピールされる方も多いと思います。今回のM&Aは規模が小さく、地味な作業の連続でしたが、それでも山本さんは困っている私たちの声を受け止め、細やかな部分まで丁寧に対応してくれるなど、本当に誠実な方でした。感謝の気持ちでいっぱいです。
このご恩に報いるためにも、私自身がこれからも、山本さんに恥じないような生き方をしていきたいと思っています。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
製造、建設、不動産、
医療・ヘルスケア、物流、ITのM&Aは
経験豊富な私たちがサポートします。