M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
M&Aストーリー
品田飼料工業有限会社
M&A成約事例
譲渡企業
品田飼料工業有限会社
代表取締役 品田 敏典氏 インタビュー
当社は飼料製造・販売を行っており、主に家畜用飼料の製造をしています。
富良野で飼料事業を始めたのが、今から28年前、私が47歳の頃です。
実は、父親が穀物関係の会社を経営していて、父の影響もあったんですよ。
ただ、私は父親とは別の道を選びたかったので、一代一業の考え方で、まったく新しい飼料事業に取り組むことにしました。
ですから、創業時から、自分で事業を立ち上げて、経営を続けてきました。
飼料だと帯広や旭川が多いんですが、富良野を選んだ理由は、ライバルが少なく、無駄な情報が入ってこず製造に集中したいといった自分のスタイルに合っていたからです。
私は「5年先、10年先はわからない」と常に考えています。
安定なんてないと思っているので、常に挑戦し続けるつもりでやってきました。
飼料事業は自分で始めたものだから、次の世代にそのまま引き継ぐつもりはありません。
次男も会社に入っていますが、同じ仕事を継がせようとは思っていません。
コロナ禍になった2020年頃ですね。
私も感染してしまって、それ以降、体調が思わしくありませんでした。
その後、今年の初めから本格的にM&Aについて勉強を始めて、仲介会社とも面会するようになりました。
28年も経営してきて、体力的に限界を感じ始めたのが一番大きな理由です。
現在、私は75歳で、77歳くらいまでには引退したいと考えています。
ただ、次男がいるものの、完全に引き継ぐつもりはなく、外部から新しい血を入れるのも選択肢だと思ったんです。
次男が会社に入っていることは事実ですが、将来同じ仕事を続けるかどうかは分かりません。
息子には息子の道がありますし、私としても同じ事業を無理に継がせたくはありません。
それに、私が引退した後も、事業を続けるためには新しい視点やアイデアが必要だと思っています。
M&Aを通じて、事業の発展と従業員の安定を図りたいと考えました。
会社創業以来、前事業の負債があって苦しい時期もありましたが、私はそれを苦しみとはあまり感じていませんでした。
会社を育てること自体が楽しかったんです。
今では借入れは無くなり、自己資本のみでの運営が出来ており、私の代では会社は完成形に近づいていると思います。
M&Aを通じて事業が次のステージに進むことが、私にとっての楽しみでもあるんです。
1社目とは正直、あまりフィーリングが合いませんでした。
ただ、2社目の仲介会社であった御社との出会いは運命的でした。
具体的な提案や支援体制がしっかりしており、これなら会社を託せるかもしれないと感じたんです。
少し勉強するつもりで会い始めたのですが、最初の印象が良かったこともあり、そこから話が進みました。
確かに、最初は断りました。
自分が育ててきた会社を他者に託すことに不安があったのは事実です。
ただ、相手の熱意やビジョンを聞く中で、私の考えを理解し、事業を発展させようとしていると感じたんです。
それならば、一緒に仕事を楽しみながら新しい可能性を見つけられるのではないかと思うようになりました。
株はこれまで100%私の持ち分でしたが、少しずつ次男に移行しています。
ただ、次男には子供がいないことや、将来的にどうなるか分からないことがあるので、M&Aを含む別の選択肢も考えざるを得ませんでした。
初回訪問から5か月後のヒアリングでは、承継先として次男が最有力候補とされていましたが、長期的な視点でのリスクも共有しました。
やはり、自分が立ち上げた会社ですから、なかなか簡単には手放せないという思いはありました。
77歳くらいでの引退を考えているものの、「まだもう少しできるのではないか」との気持ちも正直ありました。
しかし、そんな時に偶然、仲介会社から連絡が来て、M&Aという選択肢を具体的に考え始めたんです。
当初は、M&Aというのは自分には縁遠い話だと思っていました。
ただ、会社を次世代に引き継ぐ方法として、新しい視点を取り入れることが大切だと考え始めたんです。
私は「新しい血」を遠くからでも取り入れたいと思っていましたから、ちょうど良いタイミングだったとも言えます。
跡取りという考えは頭にありませんでした。
息子が会社に入っていますが、同じ事業を無理に継がせようとは思っていませんでしたし、別の道を選ばせてあげたいと思っていました。
だからこそ、外部からの新しい力を取り入れる方が事業の発展には適していると考えたんです。
今回成約した相手の会社とは、これまで特に接点はありませんでしたが、「新しい血」を会社に迎えるという観点からすると、かえってその方が良いのかもしれないと感じました。
相手方の社長と話していく中で、「楽しみながら仕事をする」「儲けではなく利益を出す」といったこれまで大切にしてきた信念を共有できると直感しました。
やはり、事業を楽しんでくれることが一番だと思います。
私自身、仕事を楽しみながらここまでやってきたので、次に引き継ぐ人にも同じように楽しんでほしい。
M&Aによって事業が発展し、従業員も安心できる環境を作れれば、それが私にとって一番の成功だと思います。
今までと違った視点を持ちながらも、事業を楽しむことを大切にしてほしいと思っています。
私自身、苦しい時期もありましたが、それ以上に仕事を楽しんできました。
だからこそ、次の経営者にも、同じように仕事を楽しんでもらいながら、新しい視点で会社を発展させてほしいと願っています。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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