M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
M&Aストーリー
株式会社平成ハウジング
M&A成約事例
譲渡企業
株式会社平成ハウジング
代表取締役 石槻 博之氏 インタビュー
もともと親の土木会社を弟が継いでいて、うちはそこから独立した建築会社です。
1988年に創業して、会社設立は1991年。
最初にやっていたのは、設計と施工です。
特に絞ることなく、なんでもやりますというスタンスでした。
苦労というのが分からなくて、目の前のやらなくちゃいけないこと、覚えなきゃいけないことをこなすのに精一杯だったんです。
基本的には、創業当時から変わらない感じで今までやってきました。
はじめは松下電器(現・パナソニック)で、サラリーマンをやっていました。
でも満足できずに、設計事務所をやりたいなと思って、松下電器を辞めて、すぐ建築士の資格を取るために学校に通いました。
その頃にはもう、うちの弟が親の会社を継いでいたので、そこの一角を間借りして建築部を作ったんです。
弟が会社の元請けの建設会社に声をかけてくれて、現場監督としての仕事を半年くらい学びました。
建物を持ち上げてそのままの状態で移動する引舞(ひきまい)っていうのをやって、それがとても面白いなと思って。
自分で間取りを考えるのが好きだったんですよ。
もともと絵を描いたり、モノを作ったりするのが好きだったのもあると思います。
いとこの友達が家を建てるっていうことで声をかけてもらって、それが最初の仕事ですね。
バブルの頃は仕事がたくさんあったから、なんでもやっていました。
それで1991年、結婚を機に、会社を設立したんです。
結婚が3月で、設立が5月。
それまでは間借りだったんで、これを機に独立しようと思ったんです。
妻は一緒に仕事をするっていうのは決まっていたから、結婚前に宅建の資格を取るとか準備はしていました。
妻とは、創業から役員として一緒にやってきたんです。
事務所にベビーカーを置いて、子どもを育てながら仕事をするという感じでした。
M&Aを考え始めたのは50歳のときで、7年前くらいです。
60歳で、息子が継ぐなら継がせる、万が一継がないときは株式譲渡と決めてたんです。
会社はすぐには変えられないので、10年ぐらいかかると思って、50歳のときに準備を始めたらすぐ仲介業者から電話が来て、査定だけしてもらっていました。
その時はまだ純資産も少なくて、節税をしてたんですよね。
税金を払うよりも、節税を優先していました。
その後だんだんと節税をやめて、今に至っています。
ほかの面でも準備は進めていて、建築部門とは別の菓子製造業を3年前に事業譲渡しました。
息子が継ぐにしても、事業譲渡するにしても、それが足かせになると思ったので。
うちには子どもが4人いて、今年の春に3番目の子どもが大学院を、4番目の子どもが大学を卒業したんです。
そんなタイミングで、たまたま安次嶺さんからの電話を取ったんです。
仲介業者からの電話はたくさんあって、いつも通り断ろうと思っていました。
でも建設業に特化しているって聞いて、話を聞いてみる気になったんです。
どのみちどこかに頼もうとしていたし、60歳までには決めたかったから。
建設業に特化してなければ、今のような話にはならなかったかもしれません。
仲介業者って、成功報酬のためにシナジーのない事業を紹介されることが多い印象で、あまり良いイメージがなかったんです。
実際に安次嶺さんに会ってみた印象は、いい意味で普通でした。
緊張感も警戒心も持たずに、普通に対応できましたね。
フラットに話すことができて、会社でこだわっているところや、要点などを包み隠すこともなく、はじめから安次嶺さんにお願いする気持ちで話していました。
最終的にニッソウさんに決めるまでは、3社と面談しました。
実はほかの会社とも最終交渉まで進めていましたが、最終的に「やっぱりやめます」となり、年末くらいに破談になったんです。
そんなときに、安次嶺さんが別件でニッソウさんの前田社長を訪問してヒアリングをし、私と合うんじゃないかと、平成ハウジングを紹介してくれたそうです。
前田社長から「ぜひとも実際に会ってみたい」とおっしゃってくださったことが面談のきっかけです。
5月くらいから色々進めて、ニッソウさんとの面談は夏頃から始まりました。
そのまま話はトントンと進んで、最終的にM&Aまでスムーズにいきました。
ニッソウの前田社長には、人情的なところがあると思いました。
威圧的な感じがなく、押し付けるような感じもなく、話しやすかったんです。
精神的に距離感が近い気がして、一緒にやっていけると感じました。
初回面談ではスーツを着ていなくて、親近感を抱きましたね。
それに前田社長のほうも、私の写真を見て「石槻社長は一二を争う人格者だ」って言ってくれたようで。
まずは、私に代表をそのまま続けてほしいと言ってくれたこと。
また、従業員は今の待遇のまま保証されることや、うちの弱点である集客や組織力を一緒に改善していこうというスタンスでした。
そしてなによりも、社長や役員の方々の人柄が良かったことが大きな要因かもしれません。
また面白いことに、ニッソウの前田社長と私は同郷だったんですよ。
しかもお互いの出身地が、車で15分くらいの距離という近さ。
同郷であることが、この決断において大きな縁だったと思いますね。
もし同郷でなければ、こういう話には発展しなかったかもしれません。
相手と一緒にやることでシナジーが生まれるかどうか、が第一。
シナジーが生まれるかどうかは、実際に当事者同士で話し合ってみないと分からないので、そこが大きなポイントでした。
あとは金額ですね。
いやらしい話かもしれませんが、30年以上会社を運営してきて、事業や株をすべて譲渡するとなると、なにで評価するかというと、もうこちらは金額しかないんです。
最初からシナジーと金額と、そういう絞り方でした。
最初は、ニッソウさんとの面談もあまり乗り気ではなかったんです。
リフォーム業界でBtoBに特化している会社ということで、自分たちと合うのか、お互いにメリットがあるのか不安でした。
契約直前にも「本当にこれでいいのか」っていう不安はありましたね。
前の事業譲渡のときもそうだったけど、寸前になると本当にこれでいいのかって考えちゃうんです。
でも一連の流れが慌ただしく進んでいって、とにかく実行するのみだったという感じでした。
結果的にニッソウさんとのご縁があって、今では良かったと思っています。
社員や地域との信頼関係も、ニッソウさんとの提携によって築けるのではと思います。
予定よりも2〜3年ほど前倒しで決断したけど、結果的にはそれが良かったと感じています。
もし3年後に同じ話があっても、うちの会社に買い手がついていたかどうかは分かりませんからね。
会社をしていると、自分1人ではどうしても守りに入っちゃう面が多いです。
チャレンジ精神も若い頃に比べればないし、この歳で資金を投入するのも怖い。
でもニッソウさんと一緒にやることで、そういった守りの姿勢を崩して、新しいチャレンジをしていけるんじゃないかという気がします。
まずは、長年の夢である10億円の売上を達成したいなと思っています。
私はなにかを生み出したり始めたりするのはどっちかというと得意ですが、組織を作って広げるのは苦手なんです。
ニッソウさんがもっている組織力で多店舗展開を進めれば、今まで見たことがない景色が見られるんじゃないかな、と思っています。
今回の決断が、未来にどのような景色を見せてくれるのか、楽しみです。
巡り合わせやタイミングが大事ですね。
どれだけ計画を立てていても、タイミングを逃すと結果が変わってしまう可能性がある。
そうしたチャンスをしっかりと掴むことが重要だし、今回良いタイミングを掴めたことはとても大きいと感じています。
今回のM&Aは、すべてが良い方向に進んだ結果だと思いますが、でもそれは偶然じゃなく、常になにかあったら掴もうとしていたからだと思いますね。
常にアンテナを張っていることでチャンスを掴むことができました。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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