ベネッセホールディングスは10日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表。創業家がスウェーデンの投資ファンドのEQTと組んで、TOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。買付代金は最大2079億円。少子化による学生人口の減少や、入試改革に伴う旧来型の通信教育や模擬試験の需要低下など、国内教育市場をめぐる経営環境が厳しさを増す中、中長期的な視点で事業構造改革に取り組む狙い。TOBは2024年2月上旬をめどに始める。
買付主体はEQTが設立した買収目的会社ブルーム1(東京都港区)。ベネッセ株の買付価格は1株につき2600円で、TOB公表前日の終値1791円に45.13%のプレミアムを加えた。買付予定数は7998万331株。下限は所有割合49.56%にあたる4781万8900株で、創業家の資産管理会社2社の保有分17.11%(TOBには不応募)と合わせて66.67%となる。公開買付代理人には野村証券を起用する予定。
ベネッセはTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。TOBが成立すれば、東証プライム市場への上場が廃止となる見通し。
ベネッセは1955年に、中学校向けの図書や生徒手帳などの発行を行う福武書店として発足。現名誉顧問で元社長・会長の福武總一郎氏は創業者福武哲彦氏の長男。1962年に模擬試験事業(現「進研模試」)を始めた。その後、小中高生向けの通信教育講座(現「進研ゼミ」)を順次展開。1995年に社名をベネッセコーポレーションに変更した。
大証2部上場(1995年)を経て、2000年に東証1部に上場(2022年4月に東証プライム市場に移行)。2009年に持ち株会社制に移行し、現社名に改めた。
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