漢方薬大手のツムラは、投資会社レノによる養命酒製造へのTOB(株式公開買い付け)で「薬用養命酒」事業を取得することを発表した。買付期間は2026年2月25日~4月8日までで、決済の開始日は2026年4月15日を予定している。ツムラの事業取得価額は約68億円。TOBの買付価格は1株4050円で、公表前営業日の終値4595円に対して11.86%のディスカウントとなる。買付総額は最大で約375億9000万円。買付予定数は上限を設けず、下限は190万3900株(所有割合13.67%)。筆頭株主の湯沢は応募しない。
レノはアクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏系の投資会社で、湯沢は村上氏の娘婿の野村幸弘氏が実質的に保有している。
養命酒製造はTOBに賛同する一方、応募の可否は株主の判断に委ねる方針。TOB成立後は株式併合などを通じて2026年6月ごろに非公開化を実施し、その後、同7〜8月にレノが保有株式を筆頭株主の湯沢へ譲渡する流れとされる。現預金や株式、債券、不動産といった簿価約394億円の非事業性資産の分離などを経て、湯沢の保有株(33.34%)を含めた全株式をツムラが取得する。
ツムラは、天然物由来の医療用漢方製剤で国内首位級のメーカーで、一般用医薬品や健康食品などセルフメディケーション領域の拡大を目指していたため、今回の事業取得により、ヘルスケア領域の強化と事業ポートフォリオの多柱化を図る狙いがある。養命酒製造にとっても、ツムラの研究開発力や営業基盤の活用による中長期的な企業価値向上が期待される。
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