アイロムグループは13日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米投資会社ブラックストーンの傘下企業が6月中旬をめどにTOB(株式公開買い付け)を始める。買付代金は292億6600万円。アイロムは製薬業界向けのSMO(治験施設支援機関)事業とCRO(医薬品開発業務受託機関)事業を経営の両輪とする。再生医療をはじめとする新技術の開発、グローバル化の進展など、医薬品開発をめぐる環境変化が加速する中、長期的・持続的な事業改革を可能にする体制づくりを目指す。
TOB主体はブラックストーンが設立した買収目的会社のビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディング(東京都港区)。買付価格は1株につき2800円で、TOB公表前営業日の終値1850円に51.35%のプレミアムを加えた。
アイロムはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定した。TOBが成立すれば、東証プライム市場への上場が廃止となる。
買付予定数は1045万2172万株。下限は所有割合53%にあたる641万6400株。アイロムの筆頭株主で社長の森豊隆氏は所有する39.48%の株式のうち、25.8%をTOBに応募する。残りの14%近い株式はTOB成立後に売却する。そのうえで、森氏はアイロムを傘下に置く親会社に再出資し、議決権45%を保有する予定。
アイロムは1997年に設立し、製薬業界向けに薬の効果や安全性を調べる臨床試験を受託し、代行支援を行うSMO事業に乗り出した。さらにCRO事業に展開し、両事業で売上高の8割以上を占める。2003年ジャスダック市場に上場。2005年東証1部に上場(2022年4月に東証プライム市場に移行)した。
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