NTTデータグループは5日、ソフトウエア開発のジャステックに対して完全子会社を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。買付代金は最大342億4600万円。エンジニア人材の獲得競争が激しさを増す中、長年のビジネスパートナーであるジャステックを傘下に取り込み、堅調な需要環境にある国内ITサービス市場での競争力強化につなげる。
TOBは傘下の中核事業会社のNTTデータ(東京都江東区)を通じて行う。ジャステック株の買付価格は1株につき1940円で、TOB公表前日の終値1445円に34.26%のプレミアムを加えた。買付予定数は1765万2744株、下限は所有割合66.67%にあたる1176万8500株。ジャステック創業者で筆頭株主の神山茂氏(前会長)と同氏の資産管理会社は所有する合計23.53%の株式についてTOBに応募することになっている。
ジャステックはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定した。TOBが成立すれば、同社の東証プライム市場への上場は廃止となる。買付期間は4月8日~5月23日の31営業日。決済の開始日は5月30日。公開買付代理人は大和証券。
ジャステックは神山氏が1971年に設立。1989年に株式を店頭登録。2000年に東証2部に上場後、2003年に東証1部に昇格した(2022年4月に東証プライム市場に移行)。2023年11月期業績は売上高207億円、営業利益30億6000万円、最終利益22億1000万円。
NTTデータはジャステックと40年に及ぶ取引関係にあり、金融分野を中心に公共・社会基盤分野や法人分野で協業を進めてきた。こうした中、昨年7月に神山氏(当時会長)から所有する全株式について売却の意向が伝えられたという。
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