スノーピークは20日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は最大約340億円。スノーピークが主力とするキャンプ用品などのアウトドア市場をめぐってはコロナ禍の収束に伴う需要の一巡に加え、海外ローカルブランドや異業種の参入で競争激化が予想される。中長期的な視点から事業構造の改革を進めるためには非公開化が望ましいと判断した。
TOB主体はベインキャピタル傘下の買収目的会社BCJ‐80(東京都千代田区)。スノーピーク株の買付価格は1株につき1250円で、TOB公表前日の終値988円に26.52%のプレミアムを加えた。
先週末、スノーピークのMBO計画が一部報道されたことから、週明け19日の同社株価は値幅制限のストップ高まで急上昇。20日の終値も1138円と2日続けてのストップ高となった。
買付予定数は2725万863株。下限は所有割合38.13%にあたる1453万9700株。スノーピーク会長兼社長で筆頭株主の山井太氏が所有する14.21%や同氏が関係する複数の資産管理会社などが所有する合計28.54%の株式についてはTOBに応募しない。
買付期間は2月21日~4月12日の36営業日。決済の開始日は4月19日。公開買付代理人はSMBC日興証券。スノーピークはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定した。
スノーピークは1958年に金物問屋の山井幸雄商店として新潟県三条市で設立。その後、登山用品を手始めとし、キャンプを中心にアウトドア全般に進出。1996年にスノーピークに社名変更。2014年に東証マザーズ市場に上場し、翌15年に東証1部に昇格(2022年4月に東証プライム市場に移行)。
山井太氏は創業家の2代目。2020年3月に娘の梨沙氏が同社社長に就任したが、2022年9月に梨沙氏の辞任に伴い、太氏が会長のまま社長に復帰した。
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