アウトソーシングは8日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表。創業者の土井春彦会長兼社長が米投資ファンドのベインキャピタルと組んでTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。買付代金は最大2211億円。アウトソーシングは製造系・技術系派遣で業界最大手。海外を含めた積極的なM&Aでグループ事業が急拡大する中、より効率的な内部統制・ガバナンス(組織統治)体制の構築などの経営課題に対処するには非公開化が必要と判断した。TOBは2024年1月下旬にも始まる。
TOB主体はベインキャピタルが設立した買収目的会社BCJ‐78(東京都千代田区)。アウトソーシング株の買付価格は1株につき1755円で、TOB公表前日の終値1172.5円に49.68%のプレミアムを加えた。買付予定数は1億2600万2664株。下限は所有割合66.63%にあたる8396万1300株。アウトソーシングはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決定した。
土井会長・社長は所有する12.51%の株式をTOBに応募し、非公開化の手続きが完了後に5%を上限として再出資する予定。また、土井氏は新経営体制の下で執行を伴わない会長職に専念し、成長戦略やビジョンの策定などを通じた大局的な観点から経営に関与するという。
アウトソーシングの2023年12月期業績予想は売上高11.5%増の7700億円、営業利益34.1%増の305億円。国内トップに立つ製造系・技術系派遣をはじめ、コールセンターや物流などサービス系も幅広く手がけ、近年は海外での事業展開を活発化。積極的なM&Aによる業容拡大で知られ、グループ子会社は230社を超える。
アウトソーシングは1987年に土井氏が工場での製造ラインの業務請負を目的として中部綜合を静岡市に設立したことに始まる。1997年にアウトソーシングを設立して既存事業を継承。2004年にジャスダック市場に上場。東証2部を経て2013年に東証1部に上場した(2022年4月に東証プライム上場に移行)。
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