レッドオーシャンな業界の例と生き抜くための戦略について

著者
M&Aベストパートナーズ MABPマガジン編集部

経営者にとって、どの業界で戦っていくか選ぶことは永遠のテーマといっても良いでしょう。

競合の少ないブルーオーシャン市場で戦っていくことが楽とされますが、好きなことや得意なことで事業を始めた結果、それがレッドオーシャンな業界だったということもあるでしょう。

本記事では、レッドオーシャンな業界で生き残るための戦略について解説し、そこから撤退する場合の選択肢についても紹介します。

レッドオーシャンな業界の例

レッドオーシャンな業界の定義はありませんが、例えば「○○業」と聞いてぱっと思いつく企業名が数多くある業界は基本的にレッドオーシャンと言って良いでしょう。

ここでは主に日本国内に目を向けて、レッドオーシャンな業界の例をいくつか見ていきましょう。

飲食市場

マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、モスバーガーなど、ファストフードといえば名前が挙がる企業が多く、スターバックスやドトールなど、カフェチェーンと聞いて想起される名前が多いということは、参入障壁が極めて高い業界ということになります。

これらの大手と明確な差別化を行い、かつ知名度を上げる手段を持ち合わせていなければ参入することは難しいでしょう。

近年では健康志向やSDGsといった新たな価値観が生まれたことから、これらを取り入れる柔軟さも必要となります。

スマートフォン市場

Apple、Samsung、Huaweiなどといった、誰でも名前を耳にしたことのある大企業が熾烈な争いを繰り広げています。

もはや現代人とスマートフォンは切っても切り離せない関係性と言っても過言ではなく、新たな技術やツールが開発されると、まず間違いなくスマートフォンにも実装されるため、高い技術力と資金力を持つ巨大企業のみがシェア争いに参加できる環境となっているのです。

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飲料市場

コカ・コーラ、サントリー、キリンなどの有名な大手飲料メーカーが多数存在し、これから参入することはあまり現実的とは言えない市場です。

テレビCMやSNSを活用したマーケティング戦略はもちろん、他業界とのコラボレーション案件に困らないブランド力の高さも求められます。

健康食品業界

高齢化や健康志向の高まりを背景に市場規模が拡大していますが、既に巨大な食品製造ラインを有している日清グループや山崎製パンといった大手食品会社が手を付けており、新興勢力が入り込む余地はほとんどない状況となっています。

自動車市場

古くからトヨタ、MAZDA、日産などの大企業がシェアを奪い合い、ここ数十年で見るとフォルクスワーゲンなどの国外企業も参入してきている市場です。

国内外に自動車の製造ラインを格納できる広大な土地を、複数拠点持っていなければならないため、ここまで挙げてきた中でもきわめて新規参入が困難な市場といえるでしょう。

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eコマース業界

通販で買い物をするならどこ?と聞かれたら、日本国内ならAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで9割9分の人が完結してしまうのではないでしょうか。

商品ジャンルを絞るにしても、洋服ならZOZOTOWNやSHEINなどがあり、その他のジャンルでもBASEなどをはじめとした通販プラットフォームを活用している事業者も数多くいる状況です。

そうした中でファンを作るためには、SNSでの発信を頑張ったりニッチな層を攻めたりなど、戦略的に取り組んでいく必要があるでしょう。

白物家電業界

パナソニック、日立、東芝、シャープなど、古くから名のある大手企業が名を連ねます。直近10年ほどで新興勢力としてこの中に割って入ってきたアイリスオーヤマなどもありますが、これからここに食い込むというのは至難の業でしょう。

レッドオーシャンな業界で生き残るための戦略

冒頭でもお伝えしたように、レッドオーシャンであると分かっていても、その中で戦っていなければならないこともあるでしょう。

ここでは、レッドオーシャンな業界で生き残るための戦略について解説します。

レッドオーシャンの中にブルーオーシャンを見出す

成功しているライバル企業の戦略を分析し、自社の戦略に活かせないかどうか考えましょう。とはいっても、何も真似をしろということではありません。

基本的には他社の真似をしても二番煎じにしかならず、ある程度は売れてもベンチマーク先の競合より上へ行くことは難しいです。

分析を進めていくと、レッドオーシャンな業界の中に、意外と他の企業が手を出していないブルーオーシャンが隠れているということがあるかもしれません。

例えば、自動車業界の製造や販売は大手が独占していても、自動車を構成する部品は多数あり、その中の特定の部品を製造する工場が少ないというケースは十分に考えられます。

既存の市場をさらに細分化して分析し、自社の強みを活かせる売り方を模索するのか、競合の弱い部分をつくのか、はたまた敢えて競合にガチンコ勝負を挑むのか検討しましょう。

差別化戦略

顧客を獲得するには「なぜ、その商品(サービス)を購入(契約)したのか」という理由付けが欠かせません。

そこで重要になってくるのが差別化戦略です。レッドオーシャンな業界に新興勢力が入り込んだケースでは、まず間違いなく差別化に成功しています。

例えば、カフェが人々の間で、“落ち着いた雰囲気の大人の空間”というイメージが出来上がっていたところに、明るい照明でポップな雰囲気のカフェがオープンしたら、既存のイメージでカフェへの入店を躊躇っていた人も足を運びやすくなるでしょう。

このカフェの人気が出てくると、“落ち着いた大人の空間”だったカフェのイメージが、“気軽に利用できる憩いの場”のように書き換わる可能性があります。

このように、時に新たな定義を作って自分たちのポジションを確立するなど、競合とは違った形で自社のバリューを提供できる方法を常に考えましょう。

コスト戦略

シェアの拡大が難しい場合、売り上げの現状維持や微増を目指しつつ、生産プロセスや供給チェーンの最適化、購買条件を合理化するなどしてコストを削減することで、利益率を向上させるといったことも考えましょう。

また、規模拡大の際は既存の店舗や事業所の近くに新規出店することで、広告費や人件費を少しでも節約するといったテクニックがあります。

マーケティング戦略

顧客が商品やサービスの購入に至るまでの行動を簡単に表すと、下記の4ステップに分けられます。

  • 認知:商品やサービスの存在を知る
  • 信頼:「この相手から買いたいな(買っても良いな)」と思う
  • 検討:本当に買うのか、買うならどの商品にするのか考える
  • 購入:実際に商品を買ってもらう

既に名の知れた企業は信頼がある状態からのスタートになりますが、そうでない場合は認知してもらうところから地道にやっていかなくてはなりません。

あなたが商品を購入する立場だったとして、得体の知れない売り手から「とにかくうちの商品を買ってくれ」と言われて買いたくなるでしょうか?

しかし残念ながら、認知と信頼をすっ飛ばしてこのような売り方をしている日本の企業は多いです。商品やサービスの質は良いのに、マーケティングを失敗していて販売機会の損失になってしまっているのです。

まずは商品を売ることではなく、顧客に自社の商品やサービスを知ってもらい、継続的に購入してもらえるよう信頼関係を結ぶことが重要になってきます。

具体的な方法としては、SNSやWEBサイトなどでユーザーに役に立つ情報を発信したり、店舗がある業態の場合は、無償で商品やサービスの体験をしてもらったりといったことが挙げられます。

レッドオーシャンな業界から撤退するという選択肢

ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャンとは、競争の少ない新しい市場を開拓することを意味しており、レッドオーシャンとは対照の言葉であるといえます。

競争相手が少ないというのが最大のメリットであるものの、そもそもニーズ自体が少ない市場であることも少なくありません。

既存の需要に応えるというよりは、潜在的な需要を掘り起こしたり、新たな需要を作り出す活動に近いものがあります。

ブラックオーシャン戦略

レッドオーシャンやブルーオーシャンはビジネスにおいてよく使われる言葉として認知されていますが、それに続く新たなものがブラックオーシャンです。

深海のように他の誰も足を踏み入れておらず、非常に参入障壁が高く、挑戦することすら困難な市場のことを指しています。

具体的には特殊な医療技術や先端的な化学分野、伝統工芸や希少技術を活かした産業などが挙げられます。

自分が得意な、あるいは元々知見を持っている分野がブラックオーシャンに該当していた場合に、はじめて参入を検討することが許されるというイメージです。

M&Aの検討

レッドオーシャンな業界で揉まれたものの活路を見出せず、事業をたたむことを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?

すっぱりと廃業するのも一つの手ですが、何らかの形で自分が大切にしてきた事業が存続していく方法を模索しているのであれば、M&Aという選択肢があります。

また、事業の規模にもよりますが、売り手側にとっては数百万~数千万円売却益を得られることもメリット。事業が自分の手を離れても存続して人の役に立ち続け、なおかつ手元にお金が残る方法です。

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まとめ

レッドオーシャンな業界では、激しい価格競争と多数の競合他社の存在により、生存戦略が企業の命運を分けるといっても過言ではありません。

差別化やコストの最適化、マーケティング、さらにはレッドオーシャンの中にブルーオーシャンを見出し、自社のポジションを確立するなど、一筋縄ではいかない努力が必要になるでしょう。

万が一レッドオーシャンな業界での競争から撤退をお考えであれば、M&Aという選択肢をご検討ください。

著者

MABPマガジン編集部

M&Aベストパートナーズ

石橋 秀紀

ADVISOR

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