行動量こそが最強の武器
パイロット志望から営業との出会い
ご経歴について教えてください。
私は宇都宮で育ち、中学1年までは栃木県にいましたが、中学2年からは父の転勤で神奈川県に移り、その後関東で過ごしました。高校1年生の頃、映画『トップガン』を観てトム・クルーズに憧れたのがきっかけで、学生時代は本気でパイロットを目指していました。
結果的に、自分がパイロットの道に進むことはありませんでした。
まず、自衛隊の航空学生への応募を考えましたが、私が不在時に自衛隊の方が自宅に挨拶に来たことがあったんです。両親にとってはとても嫌だったらしく、強く反対されました。その後も諦めきれず、大学2年時には、自衛隊ではない民間の航空大学校(エアラインの養成学校)を受験しましたが、すでに肺の病気(肺気胸)を2度患っていたこともあり、ご縁はなく、別の道を模索することにしました。
大きな夢から別の道への切り替えはどのようにしてできたのですか?
営業という強みを見つけられたことが大きかったです。
パイロット以外の進路を考え始めた大学1年の冬頃、たまたま大学の知人の紹介で、新聞の訪問営業のアルバイトを始めました。この営業で、多くの営業担当者の中でも上位の成績を収めたことで、「自分の強みは営業にある」と気づきました。
その後も、不動産、光通信、広告代理店といった複数の営業アルバイトを経験し、どの仕事でも半年から1年でトップレベルの結果を出していました。
もちろんベテランの営業担当者もいた中で、学生の身でそこまで成果を出すために何を意識しましたか?
一番徹底していたのは、「できる人の真似をすること」です。業種によって「できる人」の特性はバラバラですが、それぞれのやり方を徹底的に真似ることで、どの業種・商材でも通用する「カメレオン営業」スタイルを確立しました。
営業の極地・M&A業界への転身

新卒で証券会社へ進まれたそうですね?
パイロットへの憧れは消えませんでしたが、最終的には営業で勝負したいと考えました。当時、営業で自分の力を極められる場所として考えたのが、「数字が人格」と言われる世界であった証券会社でした。1年目に新規開拓件数で全国1位を達成したり、5年間の勤務の中で営業本部長賞を2度受賞したりしました。
M&Aアドバイザーへの転職を決めた理由は何ですか?
転職を考えたのは主に2つの軸からです。
1点目は成果に見合った報酬です。実績が評価されて3年目に本社勤務となった際、外資系の証券会社へリクルートされる話があったんです。そこで今よりも給与水準が高い世界があることを意識しました。2点目は、営業としての力をさらに伸ばしたいということ。
当時M&A業界が伸びており、高いリターンが得られる可能性があると考え、M&A業界を志願しました。
数あるM&A会社の中で、M&Aベストパートナーズ(以下「MABP」)を選んだ決め手は何でしたか?
当初は大手M&A会社を中心に受けていましたが、エージェントを通じて当社を紹介されました。当時は設立間もない時期(2019年冬頃)で「0→1の経験ができる」環境であったこと、そして「生き残れたら裁量を持てる可能性が大きい」こと、最後に、他の中介会社と比べても「バック率が高い」ことから、自分が求めているものがすべて叶えられると感じたことが決め手でした。
社員第2号としてのスタートと、MABPの自由な風土
MABP入社当初の環境や、会社の雰囲気はどうでしたか?
私は2020年3月に、アドバイザーとしては社員第2号としてMABPに入社しました。MABPの環境は、規律が厳しかった以前の証券会社時代とは全く違います。本当に自由な風土が特徴であり、「やりたい人はやる」という文化で、窮屈な締め付けがないところが良かったと感じています。
入社当初は、私を含めてまだ7人体制で手探りの時期でした。今や、社長と副社長を除くとアドバイザーの中では最古参です。
どのようにしてM&Aアドバイザーの業務を習得したのですか?
正直なところ、M&Aに関する知識は全くありませんでした。当時の社長には失礼ながら、面談をしながら知識を身につけていったのが実情です。面談を通じて様々な疑問が生まれるため、そこから学ぶことを繰り返していきました。
最強の武器は「行動量」

M&Aアドバイザーとして、ご自身の最大の強みは何だと考えますか?
最大の強みは「行動量」です。学生時代の営業アルバイトの頃から、誰よりも早く出社し、誰よりも遅く帰ることで、顧客との接触絶対数を多くすることを意識していました。
証券会社時代も同様で、通常の営業活動に加えて、地元の電柱にポスターが張られているようなお祭りなどにも積極的に参加して、地域に馴染むことを意識していました。
M&A仲介は数字やスキームだけでなく、経営者の想いや背景を深く理解することが不可欠です。そのため、接触頻度を重ねたり地域のことを見聞きしたりすることで、本音を引き出すことを意識しています。
本来ならプライベートな時間をも仕事の一部に割いてこられたんですね。
そうですね。ただこれは私にとって趣味に近い感覚であり、あまり仕事として苦痛に感じることがないですね。長時間働くエネルギーにも溢れていて、夢中になれました。
M&Aアドバイザーとして特に大切にされていることは何ですか?
「正直ベースで向き合うこと」を大事にしています。M&Aの仕事は譲渡企業様、譲受企業様との付き合いが長くなるため、繕って接しても化けの皮は剥がれると考えています。そのため、自己開示を含め、持てる情報全てをさらけ出すことが、信頼関係を築く上で最も重要だと感じています。これはアルバイトなど営業を始めた頃から重要だと感じていましたが、M&Aアドバイザーになってからより強く再認識しました。
M&Aという仕事のやりがいをどう感じていますか?
仕事のやりがいとしては、自分の行動の結果、クロージングした際にオーナー様や、特にその奥様泣いて喜んでくれたケースが数件あったことです。その経験が、この仕事に尽きるなと感じた瞬間でした。
また、M&Aは後継者不在の問題を解決する役割だけでなく、最近では、「自社成長のためにはM&Aを活用しないと生き残っていけない」という成長型M&Aが日本でも徐々に浸透してきています。日本という大きな単位で見たときに、とても影響力と意義のある仕事だと感じます。
古株として仲間の育成に貢献
若手アドバイザーが増える中で、チームや組織にどのように貢献していますか?
私はアドバイザーメンバーの中で最も古株です。最近は若手アドバイザーが増えてきたため、過去の経験や注意点を共有することが、私にできる貢献だと考えています。
若手は上司に対して質問をしづらい壁があると感じているため、他のアドバイザーの案件の進捗を確認してみて、トラブルを抱えていると感じたら、能動的に連絡を取ってサポートする活動を行っています。これは、自分が若手の頃に「そうだったら良かった」、という思いから続けています。
ご自身の成長のために、現在取り組んでいるチャレンジは何ですか?
体力の維持です。現在35歳ですが、年齢を重ねるにつれて体力の衰えを感じており、それが仕事にも影響し始めているため、定期的に運動をするようにしています。非公式ですが社内の「筋トレ部」にも参加し、同僚と毎日何かしらのトレーニングを報告し合っています。
成果主義の極地で最高の景色を見る
今後のキャリアビジョンを教えてください。
当初は独立したいと考えていましたが、今は目の前にあることに集中しています。目の前に良い選択肢があれば掴み取りたいと考えており、またMABPは、その後のキャリア選択肢を色々提示してくれる会社なので、そこで良いものがあれば乗るかもしれません。今は特定のものに固執せず、出会いがあれば掴み取りたいという気持ちです。
M&Aアドバイザーを目指す方へ、メッセージをお願いします。
まず、本心でお伝えしたいのは、M&A仲介は「甘い業界ではない」ということです。今、非常に優秀な人がたくさん入ってきているため、それを理解し、覚悟を持って入ってきてほしいと思っています。
その上で、この業界の良い面をお伝えすると、M&A業界はやった分だけ必ず帰ってくる「成果主義の極地」です。外資系生保のプルデンシャル生命などと比べても、はるかにリターンが大きいと実感しています。
さらに、仕事を通じて知識が増えるだけでなく、普段会えないようなオーナー層との「人脈」が得られます。これは、将来独立を考えている人にとっては最高の選択肢となる、生きた糧になると私は思っています。
証券会社に居続けた場合と比べても、給与が上がっても自由度が低く、締め付けられたままだったでしょうが、MABPでは本当に自由に裁量を持って働かせてもらっています。この環境で、ぜひ一緒に最高の景色を見たいと思っています。
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