M&Aストーリー M & A Story
最後まで目的をぶらさず、 目標を達成することができた。

最後まで目的をぶらさず、 目標を達成することができた。

会社名
株式会社Liv-up
業種
不動産業
M&Aで達成した内容
M&Aアドバイザー
山口 大輝

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M&Aに至る背景他社に先駆けてDXを導入し、次のステージへと進む。

M&Aに至る背景
内藤雅之氏は以前、建売分譲事業を行う不動産会社に勤めていた。求められる以上の実績をあげ、多くの部下を指導する管理職の立場として充実した日々を送る内藤氏だったが、心の中では葛藤を抱えていた。ビルやマンションを建てたほうが、この土地本来の価値を発揮できるのではないか─。顧客である土地オーナーに対し、戸建住宅以外の選択肢を提示できないことがもどかしかった。そして、その思いが次第に強まり、一度きりの人生、自分のやりたいことに挑戦してみようと、独立開業を決意することになる。

2003年、東京都港区にて有限会社アーバンビジョンを設立。翌年には株式会社に組織変更し、港区や渋谷区、目黒区、世田谷区、品川区といった高い資産性を確保できるエリアにおいて、高品質で安価な居住用不動産(戸建住宅)および収益用不動産(アパート)の開発分譲事業、さらにはリノベーション事業などを展開する。その後、2019年にTOKYO PRO Marketに株式上場を果たし、2020年に現在の株式会社Liv-upに商号変更した。
M&Aに至る背景
自分のやりたいことができれば満足で、5年くらい会社がもてば上出来なんじゃないか。そんなふうに考えていた内藤氏にとって、ここまでの成果はある意味想定外だった。特に不動産業界が猛烈な逆風にさらされることになったリーマン・ショック時には、同業他社が不良債権処理に苦しみ次々と倒産するなか、滞留在庫と借入依存の問題を早々にクリア。ピンチをチャンスに変え、そこから一気に成長の階段を駆けあがった。

はたから見れば順風満帆だった。しかし、決して浮き足立ってはいけないと、内藤氏は折に触れて自分自身を戒めた。現状維持なら問題ないが、次のステージを見据えると課題は山積みである。ここ数年で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が急速に広まっていた。不動産業界はデジタル後進業界ではあるものの、それに甘んじることなく、他社に先駆けてDXを導入し強みに変える必要があった。ただ、自分を含め社内にDXに明るい人間はいない。であれば、外部の力を借りてその課題を解決しようと、内藤氏はM&Aを検討しはじめる。

M&Aの決断所有と経営を分離し、自身は会社経営に専念する。

M&Aの決断
M&Aに対しては、ポジティブとネガティブ、両方のイメージがあった。たとえば大手企業のブランド力を手に入れることができれば、新規事業の立ち上げや資金調達がしやすくなり、また、顧客からの信用も得やすいだろう。その一方で、仮に自社の株式や事業を譲渡することを想定した場合、譲受側である親会社の売上や利益を優先するようなM&Aは、内藤氏の望むものではない。あくまでDX分野における自社の成長が目的であり、その目的を達成するためには、M&Aの相手先として同業の会社は考えにくかった。

内藤氏がM&Aを検討しはじめたのは、上場前の2017年ごろのことである。合併や買収のニュースが出れば、それがどんな会社で、どんな効果を狙ったものなか、用語解説を含め情報を収集。そのほかM&Aで成功した企業経営者が書いた本を読むなど、関連知識を蓄えていった。

取引をしている金融機関から、証券会社を紹介されたことは一度や二度ではない。さまざまなM&A仲介会社からも毎月のようにダイレクトメールが届いていたが、それでも具体的な行動に移すことはなかった。そんななか、2020年2月にMABPの山口大輝との面談が実現したのは、巡りあわせの要素が強い。この人なら要望を正しく理解し、それに則った提案をしてくれるのではないか。明確な根拠はなかったものの、内藤氏は自身の直感に従い山口と会うことを決めた。
M&Aの決断
内藤氏が提示したM&Aの目的は、次の2点である。まずひとつは前述の通り、DXによる業務効率化。そしてもうひとつが、所有と経営の分離だ。自分がお金を出しているのだから、ちゃんと社員に給料を払って事業を継続できてさえいれば、とりあえず文句はないだろう。極論すれば経営者の独断で物事が進み、ガバナンスは形骸化してく。そんな甘えや妥協が生まれやすい状況を打破し、早々に個人商店の域を超えたかった。第三者の資本が入ることになれば、与えられたミッションに対する向きあい方も当然変わってくる。内藤氏は会社経営に専念したかったのだ。

しかし、目的が明確なだけに、M&Aの相手先を見つけるマッチングはかなり難航した。というよりも、交渉のテーブルにつく前に内藤氏が断りを入れるケースが多かった。山口があらゆる手を尽くし、Liv-upが譲渡企業の株式会社グリッドパートーナーズと株式譲渡契約を交わしたのは、初面談から2年近くが経過した2021年11月のことである。

M&Aの振り返りと展望心強いパートナーの存在があったからこそ。

M&Aの振り返りと展望
今回のM&Aでは、Liv-upの上場や不動産関連許認可の維持のため、同社が存続会社となる、いわゆる逆さ合併が採用された。そのほか、グループ会社の株式譲渡や吸収合併など、スキームは複雑を極めたが、内藤氏は山口の強力なサポートを受けながら、一つひとつの壁をクリアしていった。

グリッドパートーナーズは、CRE(企業不動産)やM&A戦略・実行に関するアドバイザリー業務、不動産および未上場企業への投資を行っている。特に企業のDX化に注力し、内藤氏の希望通りのものがそこにはあった。最初の取り組みとして、労務管理をアナログからデジタルに変更。脱ハンコを実現し、稟議書の承認をオンラインで完結できるようにした。このことは業務効率化だけではなく、社員のITリテラシー向上にも寄与している。また、所有と経営の分離を図り、オーナーと経営者の意見交換を密に行うことで事業成長につなげたい、という思惑も、徐々にではあるが達成されつつある。

以前に比べ、M&Aは身近な存在になった。M&A=ハゲタカ・身売り、といったネガティブなイメージはほとんどなくなり、成長のためのツールとして利用される事例が増えている。それゆえ、M&Aの目的を明確にすることが、ますます重要となる。社内にどんな課題があり、それを解決してどんな姿を目指したいのか。現実をシビアに見つめつつ、建設的な議論をしなければならない。

とはいえ、経営者は孤独だ。組織の在り方やビジョンについて、相談できる相手はなかなかいない。そんなときMABPにできるのは、まさに社名の通り、M&Aを検討する経営者のベストパートナーになることである。「山口さんの存在があったからこそ、最後まで目的をぶらさず、目標を達成することができた」と、内藤氏は濃密な2年間を振り返った。

お客様プロフィール

お客様プロフィール

株式会社Liv-up

代表取締役社長内藤 雅之 氏

2003年、東京都港区にて有限会社アーバンビジョンを設立(その後、2004年に株式会社に組織変更、2020年に株式会社Liv-upに商号変更)。港区や渋谷区、目黒区、世田谷区、品川区など高い資産性を確保できるエリアにおいて、高品質で安価な居住用不動産(戸建住宅)および収益用不動産(アパート)の開発分譲事業、リノベーション事業を展開する。TOKYO PRO Market上場。資本金1,000万円。従業員20名。東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル24階

M&Aストーリー

M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。

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