M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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株式会社A社(非公開)
ご成約事例
出身は大阪で、私立高校を卒業しました。もともと航空機の開発に携わりたいという夢があり、大学では航空工学を専攻します。
在学中はバイクレースに夢中になり、卒業後はその流れでメーカーに就職しました。配属先は四輪部門でしたが、そこでエンジニアとして勤務した後、アメリカに駐在する機会を得ます。さらにその後、別のメーカーへ転職して経験を積みました。
そんな折、実家の樹脂成形工場を経営していた父から「戻ってこい」と声をかけられたんです。大企業しか経験のなかった私にとって、中小企業の実態は衝撃的でしたね。まさに「こんな世界があるのか」と、驚きの連続でした。
2011年に役員として入社してから、もうすぐ15年になります。2019年には代表取締役に就任しました。
当社では、日常生活のあらゆる場面で使われているプラスチック樹脂製品の企画からデザイン、製品設計、材料選定、金型製作、そして成形加工までを一貫して手掛けています。
具体的には、醤油のボトルキャップや洗剤・芳香剤の容器、さらにはマーカーの筐体や小学校の教材など、私たちの製品は身近なところで使われているんですよ。環境配慮型のバイオプラスチックにも対応できる体制も整えています。
この業界は非常にシビアで、100万個に1個でも不良品が出れば元請けから厳しく指摘を受ける世界です。特に、ボトルキャップは中身が漏れないよう、精密な構造と高い成形技術が求められます。その分、品質管理には細心の注意を払ってきました。
1963年に父が奈良県で創業した会社です。創業当初からプラスチック樹脂の成形加工を手掛けており、地域に根ざした中小企業として事業を続けてきました。
私が入社する直前の時期は、取引先の減少もあって経営が厳しく、赤字すれすれの状態でした。そこで入社後は、新規顧客の開拓に力を入れました。会社のためというより、自分自身の将来のために必死だったというのが正直なところです。ただ、その結果が最終的に業績につながりましたね。
私は常に「必ず感謝される仕事をすること」そして「相手の期待を上回る仕事をすること」をモットーにしてきました。おかげさまで、業績も安定して堅調に推移しています。
父に「会社を継いでほしい」と言われ、流れのままに事業を引き継ぎましたが、もともとは一人で自由に仕事をする方が性に合っているタイプなんです。
特に社長になってからは、先行きへの打開策が見つからず焦りばかりが生じる日々でした。休日でも早朝に目が覚めてしまって、今思えば、心のどこかで常に気を張っていたのだと思います。自分では自覚していませんでしたが、それなりのプレッシャーを抱えていたのでしょうね。
「将来の展望が現状の延長線上にはない」と感じるようになり、外部の力を借りて会社を存続・発展させる方法を模索するようになりました。
そんな中で浮かんできたのが、M&Aという選択肢でした。実は以前から、いくつもの仲介会社からDMが届いていて、手段の一つとして検討しようと思ったんですよ。
MABPの一山さんとは、最初は電話でやり取りをして、その後、初めて対面でお会いしました。
第一印象は「落ち着いていて貫禄のある方だな」というものでした。見た目からしてベテランだと思っていたんですが、実際にはもっと若くて驚きましたね。
年齢こそお若いものの、経験をしっかり積んでおられて、M&Aに関する知識も非常に豊富でした。話をしていくうちに「この人になら任せても大丈夫だ」と自然に感じられましたね。
実際、交渉の過程でも一山さんが本当に骨を折って動いてくださったおかげで、私はほとんど何もしていません。正直なところ、M&Aに関して「たいへんだった」という感覚はほとんどないんです。すべてがスムーズに進みました。
あとで分かったことですが、一山さんは高校の後輩だったんですよ。話がほぼまとまってから知ったのですが、そんな偶然もあって、より一層信頼してお任せできたのかもしれませんね。
きっかけは、3年前の2022年、一山さんから電話をいただいたことでした。たまたま車の中で電話を取ったのを覚えています。
M&A仲介会社というと、東京の企業が多いイメージを持っていたのですが、話を伺うと一山さんは大阪を拠点に活動されているとのこと。それなら一度お会いしてみようと思い、2回目は対面でお話をしました。
その時はまだM&Aの話ではなく、仕事の取引先としてある企業を紹介していただいたんです。残念ながらその話は流れたんですが、その後も2年ほどは、一山さんとやり取りを続けていました。
その間にも、他のM&A仲介会社から営業の電話や案内は数多くありましたが、比較検討はしませんでした。感覚的に「お任せするなら一山さんに」と思っていたからです。
そして2024年7月17日、一山さんからご紹介いただいた譲受企業さんとTOP面談しました。実は同時期に、個人でM&A仲介をしている方とも話をしていたのですが、一山さんの方はお相手の企業情報や条件、金額など、すべてが具体的に提示されていたので、そのままお任せしたんです。
そこから先はとてもスムーズでした。2025年10月10日には契約を締結し、同月29日に成約式を迎え、正式に譲渡が完了しました。
正直に言えば、最も重視したのは譲渡金額でした。自分なりにやり切ったという思いもあって、あとは会社の価値をしっかり評価してもらえるかどうかを基準に考えました。
とはいえ、複数の企業との比較検討はしませんでした。交渉は、一山さんから紹介してもらった一社に絞って進めました。一山さんは信頼していましたから、迷う必要はなかったんです。
譲渡後の体制や社員の処遇、事業内容などについても、こちらから細かく注文をつけることもしませんでした。先方にお任せするのがベストだと感じていたからです。
社員に対しても、M&Aに関する説明や特別なアクションはとっていません。いきなり話をしても、すぐには理解が追いつかないだろうと思ったので、まずは静かに受け止めてもらおうと。
いろんな意味で、できるだけ波風を立てずに進めることを意識しましたね。
TOP面談で初めてお会いした時は、率直に「若いなぁ」という印象を持ちました。
南都キャピタルパートナーズさんは南都銀行の出資を受けている会社ということもあり、しっかりとした基盤を持たれている一方で、現場の担当者の方々はまだ若く、これから経験を積んでいく段階なのだろうと感じました。
当社のような製造業は、実際にやってみないと分からない難しさや泥臭さがある世界です。これからいろいろと、ご苦労される部分も出てくるのではないかと思いましたね。
今回のM&Aは、私一人の判断で進めたものではありません。創業者の父も株主であり、最終的な決断には彼の承認が欠かせませんでした。
実はその父が、以前から南都銀行さんと深いつながりを持っていたんです。南都キャピタルパートナーズさんはそのグループ会社にあたるので、父にとっても信頼できるお相手だった。その関係性があったからこそ、父もすぐに理解を示してくれたのでしょう。
最終的には、そのご縁が一番の決め手になって、本当に自然な流れで今回のM&Aにつながったように感じています。
まずは、とにかくホッとしましたね。これまでずっと、従業員の生活や会社の将来を背負いながら経営してきましたが、ようやくその責任から離れることができました。
最近では、休日に早朝から目が覚めることもなくなり、睡眠時間も増えました。潜在意識のどこかで、ずっと緊張していたんだと思います。ようやく心身ともに落ち着いて、健康的に過ごせるようになりました。
これから1年間は引き継ぎのため会社に残りますが、その後はゆっくりと次の人生を考えたいと思っています。
M&Aというと大ごとのように感じる方も多いと思いますが、実際のところ、信頼できるアドバイザーに出会えれば、後は一任できます。私自身も、一山さんという頼れるアドバイザーに巡り合えたことで、特に大きな不安もなく最後まで進められました。
比較検討もしていませんし、結果的に父と縁のあった先方と話がまとまった。同時期に知人を通じた話も進んでいましたが、一山さんの方はスピード感があり、最初から具体的な条件を提示してくれた点が印象的でした。
振り返ってみて感じるのは、やはりM&Aの成否を分けるのは「信頼できるアドバイザーと出会えるかどうか」だと思いますよ。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
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