M&Aストーリー

株式会社 NAOSEL
ご成約事例

事業拡大へ、踏み出す決断。整骨院グループが選んだ成長のM&A

会社・事業内容等について

  • 代表 藤木さま個人のご経歴を教えてください。

    私は北九州の出身で、もともとはサラリーマンだったんですよ。ただ、会社勤めを続けていくうちに「もっと自分で何かをやってみたい」という思いが強くなり、起業を目指したんです。

    いろいろと可能性を模索する中で、目に留まったのが整骨院の業界でした。箱とベッドさえあれば開業できるというシンプルさに、事業としての可能性を感じましたね。そこで23歳の時に思い切って夜間の専門学校に入学し、柔道整復師の資格を取得。その後、別の院で1年間みっちり修行させていただきました。

    そして2016年、ついに1店舗目となる整骨院を立ち上げます。屋号に「NAOSEL(ナオセル)」と名付け、スタッフ3名からのスタートでした。

  • 会社の事業内容を詳しく教えてください。

    NAOSELは、整骨院を運営している会社です。社員数は60名で、現在は福岡県内に9店舗、熊本県内に6店舗、合計15店舗を展開しています。

    施術の中心となるのは、私たちが独自に展開する「IMリセット整体」です。身体の深層部にある“インナーマッスル”にアプローチし、根本的な不調の改善を目指します。ただ痛みを和らげるだけでなく、再発しにくい身体づくりをサポートすることにこだわっていますね。

    おかげさまで、2023年には延べ来院数が20万人を突破しました。多くの患者さまに支持をいただきながら、地域に根ざした整骨院グループとして成長を続けてきました。

  • 開業~今に至るまでを教えてください。

    2016年の開業当初は、健康保険を使って受けられる施術を中心にサービスを展開していました。そこから少しずつ自費治療にも対応しはじめ、より患者さんにとって価値のある施術メニューの拡充に努めました。

    また、2店舗目からは熊本にも進出し、福岡・熊本の両県で着実に店舗を拡大していきました。事業を進めていく中では「もっと多くの患者さんに必要なサービスを届けるにはどうすればいいか」と自問自答しながら、マーケティングや経営についても本格的に学び始めます。

    また、働き方改革にも積極的に取り組みました。その結果、給与水準の向上や離職率の低下といった成果を実現しつつあり、スタッフにとって安心して働ける環境づくりを心がけています。

M&Aに至る背景

  • M&Aを検討された「背景」や「経緯」を教えてください。

    M&Aを検討し始めたきっかけは、大きく2つあります。

    まず1つ目は「このまま走り続けたら後悔するかもしれない」という思いが強くなったことです。創業から約10年間ずっと仕事一筋でやってきて、家族や友人、趣味に割く時間はほとんどなく、それらを犠牲にしてきました。このまま突っ走るだけの人生では、どこかで後悔してしまう。そう思った時に、一度立ち止まって環境を整えようと考えたんです。

    2つ目は、経営者としての自分の限界を感じたことです。新たな施策を現場に浸透させ、組織全体に広げていく。そういったマネジメントの部分で、私の限界が見えてしまいました。会社がもっと早く発展できる機会があるのに、自分ひとりだけの経営ではそれを数年遅らせてしまう。スタッフたちの可能性も、私のせいで活かしきれない。そんな危機感がありました。

    そんな折、M&Aベストパートナーズ(MABP)の木田さんが弊社にお越しくださって。そこから少しずつ、話が本格化していったんですよ。

弊社との出会い

  • MABP担当アドバイザーの印象を教えてください。

    MABPの木田さんとは、2024年7月に初めてお会いしました。第一印象としては「とてもざっくばらんで話しやすい方」でしたね。かといって軽いわけではなく、仕事は非常にきっちりされていて、私の希望を叶えるために本当に奔走してくださるなど、本当に頼もしく感じました。

    今回のM&Aは「高く売れればいい」「誰かが引き継げばそれでいい」という単純な話ではなく、私の人生や会社、スタッフの将来に深く関わるものです。木田さんはその意図をしっかり理解された上で、複数の選択肢を提案してくださいました。

    実は以前にも、他の仲介会社さん経由でM&Aを検討していたんですよ。ただ、もう一歩が踏み出せなくて。そんな私に、木田さんは「一歩踏み込んでみないと分からないので、まず動いてみましょう」と声をかけてくれたんです。それで気持ちが吹っ切れて「動きさえすれば、この悩みもなくなる。やるだけやってみよう」と思えた。私にとって、彼の言葉は本当に大きかったですね。

    あと、これまでに複数の仲介会社の担当者とお会いしましたが、木田さんが一番「欲」を感じなかったんです。個人的にそこが気に入って、最終的に木田さんにお願いすることに決めました。

M&Aの決断

  • ご成約までの経緯を教えてください。

    MABPの木田さんに初めてお会いすると、すぐに話が具体化して、合計4社とのTOP面談に臨みました。今回の相手企業とのTOP面談は2025年2月7日で、そこから契約締結に至ったのが同年5月27日、そして6月16日には無事にクロージングを迎えています。

    交渉においては、木田さんが私の考えを丁寧に汲み取り、それをしっかり言語化した上で相手企業に伝えてくださいました。そのおかげで、TOP面談の段階から先方さんは私たちの事業に深い関心を寄せてくれていて、話がスムーズに進みましたね。

    とはいえ、終盤には交渉がご破談になりかけるような場面もありました。でも、そこで妥協せず、自分の中で大事にしたいポイントは譲らなかった。最終的には木田さんのフォローと粘り強い交渉によって、全てが良い方向に着地したと思っています。

  • M&Aの際に重きを置いた点を教えてください。

    今回のM&Aで最も重視したのは「これからも自分が経営方針をグリップできるかどうか」という点です。

    というのも、これまで近しい幹部スタッフたちとは信頼関係を築きつつ、コンセンサスを取りながら経営方針を決めてきました。だからこそ、M&A後もその流れを維持しながら、私自身が経営の舵取りを担えることが大前提だったんです。

    私がゼロから築き上げてきたNAOSELは、今まさに飛躍のための土台を整えたタイミングにあると感じています。次のフェーズとしてどこまで会社が成長していけるのか、当事者として間近で見届けたいという気持ちも強かった。そのため、100%出資を求める企業は、最初から選択肢に含めなかったんです。

    一方で、経営権をある程度保持しながらのM&Aは簡単ではない、とも思っていましたので、交渉には「それが叶わないのであればご破談でも構わない」という覚悟で臨んでいましたね。

  • M&Aの際の心配や懸念されていた点を教えてください。

    今回のお相手はファンド系の企業さんだったこともあり、一番の懸念は「イグジット後の経営への関与がどうなるか」でした。

    今回、お相手の企業さんは、株式の一定数を引き続き保有できるという破格の条件をご提案くださいました。これは私の意向に配慮してくださったもので、非常にありがたい話です。

    ただ、ファンドである以上、将来的にイグジットがあるのは避けられない。それも1回だけで終わるとは限らず、2回目、3回目があるかもしれない。その中でも、自分の経営者としての影響力、そして資本的な意味での存在感を維持できるのか。そんな不安は大きかったですね。

    この点については、MABPの木田さんと何度も協議を重ね、時には一緒に悩みながら、相当なエネルギーをかけて話を詰めていきました。

  • 譲受企業 マラトンキャピタルパートナーズ株式会社さまの第一印象について教えてください。

    今回の相手企業となった、マラトンキャピタルパートナーズさんとお会いした際、まず感じたのは「本当にこの事業に興味を持ってくださっているんだな」という雰囲気でした。

    ファンドという立場ではありながら、決して上からの視点ではなく、NAOSELという会社がどんな想いで運営されてきたのか、どんな価値を提供しているのかといったことについて、丁寧に理解しようとされていましたね。

    そして、私たちがこれまで積み上げてきた土台に対して、今後さらにどう発展させていくかという展望にも、まるで自分たちのことのようにワクワクしてくださっているのが伝わってきました。そういった真摯な姿勢から「この方々となら、これから一緒に走っていける」と感じたんです。

  • 決め手(決意)となったポイントを教えてください。

    4社の中からマラトンキャピタルパートナーズさんに決めた最大の理由は、あらかじめ私が描いていたM&Aの条件に、全て合致していたからです。

    経営方針に対して一定の裁量を持たせてもらえること、スタッフや既存の体制を尊重してもらえること、そして何よりも、今後の成長フェーズにおいて私自身が引き続き関わり続けられること。これらを全て受け入れてくださったのが、マラトンキャピタルパートナーズさんでした。

    こうして理想的な形でパートナーが見つかったことに、私は強いご縁を感じています。

M&Aの振り返りと展望

  • M&Aを終えられて、感想を教えてください。

    今回のM&Aによって一定の株式を譲渡しましたが、引き続き株主として経営を担うという状態は維持できました。いずれ「このあたりで卒業しよう」と決意するその時まで、しっかりと経営を続けていきたいですね。

    私たちが提供しているサービスは、今後の日本にますます必要とされる分野です。健康産業の一端を担っているという自負もあります。これからも、スタッフさんたちがやりがいを持って働ける環境を、さらに広げていきたいと思っています。

    また、家内も「これまでずっと一人で経営してきて、本当に苦労していたのを見てきた。今回のM&Aで、ようやく一緒に支えてくれる仲間ができた」と、心から安心している様子でした。私自身も、信頼できるパートナーと新たなフェーズに進めることを、とても心強く感じています。

  • 今後の展望をお聞かせください。

    令和に入って「人生100年時代」というキーワードが広く浸透しました。整骨院業界を含め多くの企業がその課題に向き合い、それぞれメッセージを発信しています。ただ、私は「整骨院だけでは、健康寿命は延ばせない」と感じているんです。

    日々忙しくされている方々にとって、健康情報はなかなか届きづらい。だからこそ私たちは、患者さんに向けて「健康リテラシーを育てる場」を提供したいと考えています。フランチャイズ展開しながら、整骨院を入り口に、より多くの方に「健康的な人生」を届けていきたいですね。

    私自身、これまで「痛みが取れた、ありがとう」と言っていただいた患者さんが、数年後に再発し、最終的には手術が必要な状態になってしまうケースを何度も見てきました。そういった現実を前に「点」ではなく「線」として、患者さんの人生に寄り添う必要性を痛感しています。

    さらに、この取り組みをスタッフさんにとっても意味あるものにしたい。ただ治療するだけでなく、患者さんに健康意識を届ける存在として育っていくこと。その成長を、企業として全力でサポートしていきたいと思っています。

    患者さんにとっても、そんな想いを持ったスタッフがいる整骨院なら、きっと安心して通っていただけるはずです。

  • M&Aを検討されている経営者様に一言アドバイスをお願いします。

    今回のM&Aがなければ、この会社をさらに飛躍させていくのは難しかったと思います。私たちのように、ファンドから経営支援を受けながらスケールアップしていくという道があることを、もっと多くの方に知ってもらいたいですね。

    もちろん、M&Aと聞くと、最近ではネガティブな報道もあって、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、全てがそうではなく、私のように、患者さんや世の中、そしてスタッフたちのためにプラスとなるM&Aも数多く存在します。

    M&Aは、会社と理念をより多くの人に届けるための成長戦略の1つです。そういう視点で、ぜひ一度、前向きに検討して欲しいと思います。

会社情報

企業名
株式会社NAOSEL
代表者
藤木 誠士
所在地
熊本県熊本市東区東野3-20-3
M&Aで達成した内容
事業発展、資金調達
詳細業種
整骨院事業、脱毛サロン事業
ホームページ
https://naoselofficial.online/company/

担当アドバイザー

担当アドバイザー

人と企業のあゆみに思いをはせ、誠の気持ちで対応する。
主任 木田 涼介
得意業種
ヘルスケア
資格
  • 事業承継・M&Aエキスパート
  • M&Aストーリー

    M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
    ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。

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