M&Aストーリー

株式会社アイワ警備保障
M&A成約事例

M&Aを通じて、より多くのものを守れる警備会社に。人材・資源・資金での協業をめざす

株式会社アイワ警備保障 代表取締役 伊原 三男

譲渡企業


株式会社アイワ警備保障


代表取締役 伊原 三男氏 インタビュー

M&Aに至る背景

  • 不動産経営を経て警備会社へ。後継者の不在に悩まされる

    株式会社アイワ警備保障の代表取締役、伊原三男氏は「はじめは、M&Aを何となくしか理解していませんでした。後継者がいないので、いつかは必要だと思っていながらも、なかなか動きだすことはなかったんです」と語る。

    アイワ警備保障は、代表取締役の伊原氏を含む5名の創業者によって、1992年に設立された警備保障会社だ。
    千葉県長生郡睦沢町に拠点をおき、創業から32年、現在では社員200名以上を抱えるこの会社が、今回のM&Aの舞台となった。

    バブル景気前までは不動産業も経営していたものの、不動産市場の不安定さを目の当たりにし、長期的な事業として選んだのが警備業だった。
    現在では、官公庁の入札を中心とした警備業に従事している。
    主な事業内容は、交通誘導、集金代行、県庁の受付や電話番の業務などで、地域社会の安全と秩序の維持に貢献している。
    伊原氏は「我が社の仕事はすべて、皆さまの暮らしを支える重要な役割を果たしていると自負しています」と胸を張る。

    企業としての基盤は安定していたが、後継者問題が浮上した。
    創業者一世代の引退が見え始め、次世代へのバトンタッチが課題となっていた。
    伊原氏は「私には娘がいますが、なかなかこの難しい時代に、子に継いでほしいと言い出すこともできず、ここまで来てしまいました」と当時を回想する。
    それでも企業や社員の未来に対する責任感から、M&Aの可能性を探ることにした。

    「黒田さんからお電話をいただき、初めてお会いした際に、M&Aは必要なことだと感じました」と伊原氏は言う。
    「黒田さんの見解により、M&Aがただの経営戦略ではなく、事業の継続性を保つための必要不可欠な手段であると認識したんです。それでM&Aを通じて、人材、資源、資金の面でのシナジーを追求する道を選ぶことに決めました」と続けた。

    伊原氏にとってM&Aは、単に事業を継承するためだけではなく、社会に対してより大きな価値を提供し続けるための“戦略的選択”として位置付けだ。
    こうして弊社の紹介を通じて、経験豊富なパートナー企業を見つけるための過程に進むこととなる。

  • アドバイザーが繋いでくれたM&A。重要視したのは、従業員を守ってくれること

    伊原氏は、M&Aで最も重視したポイントについて「とにかく私が去ったあとも、従業員のことを大事にしてくれることを重視して、探してもらいました。金額などの条件も重要ですが、それ以上に従業員を大切にしてくれる企業とのつながりを求めました」と語る。

    この点において、今回M&Aに至った譲受企業は過去の共同プロジェクトを通じて信頼関係が築かれていたこともあり、理想的なパートナーだった。
    「実際に相手には、スピーディーに対応いただいて、現従業員についても守ってもらえるということで話がまとまりました。現場での丁寧さ、従業員への思いを強くもった企業であり、これ以上ないと言えるほど良い相手だったと思います」と伊原氏は振り返る。

    MABPでは、M&Aアドバイザーとして不動産業・建設業を得意とする黒田が就いた。
    伊原氏は「M&Aアドバイザーである黒田さんには、初めて会ったときから非常に良い印象を持っています。彼は人の話をじっくり聞くことができる人で、豊富な知識と過去の成功事例に基づくアドバイスが、この大きな決断を下すうえで大きな助けとなりました。
    若いけれど、色々なことを経験されていることも理解できました」と黒田の第一印象を語る。
    彼なら大丈夫だと確信した伊原氏は、黒田に仲介を任せることにした。

    伊原氏は「最初は譲受希望する会社があるかどうか、心配でした。買収監査中は期間にして数ヶ月でしたが、とても長く感じたのを覚えています。成約までできるのか心配でした」と当時の不安を語る。
    しかしこれらの不安は黒田との定期的な相談と支援によって、次第に解消されていった。

    M&Aは単なる企業の買収・合併ではなく、事業の持続可能性を高め、従業員にとってより良い未来を築くための選択である。
    その分重要になるのは、単に金額などの条件面だけでなく、関わる人の言葉を信頼できるか、相手に委ねることができるかという納得感だ。

M&Aの決断

  • 信頼できる譲受企業と、人材・資源・資金での協業をめざす

    伊原氏は、譲受企業の担当者と初めて会ったときの印象をこう語る。
    「その誠実な人柄に、非常に感銘を受けました。相手は売上の規模が大きく、コンプライアンスが徹底されている点も印象的でした。この会社ならば、私たちの企業文化とも相性が良いと感じ、安心して事業を託すことができると確信したんです」

    譲受企業は創業以来、安全産業の一員としてマンパワーによる警備業務を主体に、そして人々の「生命・身体・財産」を守ることを使命に、地域社会に役立つことを信条として取り組んできた。
    そんな企業姿勢もどこかアイワ警備保障と一致するところがあり、好印象だったのだろう。

    伊原氏は「M&Aの決定にあたり、もっとも重視したのは協業による相乗効果です。これまで当社だけで対応できない業務は外注していましたが、協業を通じて、外注していた業務の内製化が可能になります。業務を内製化することで、当社の収益向上に繋がり、社内リソースの有効活用にもつながると確信しています」と、M&Aに至った経緯を語る。

    今回のような実績と信頼性を兼ね備えた企業とのM&Aが、アイワ警備保障のさらなる事業展開や持続可能な成長のきっかけとなる。
    その後もアイワ警備保障とトスネットの交渉は順調に進み、無事にM&Aの契約を結ぶに至った。

    伊原氏は「将来に向けて、相手との強固な関係を築き、ともに成長していくことを期待しています」と将来の展望を述べる。

M&Aの振り返りと展望

  • 顧問として会社を見守りながら、次のステップへ

    M&A成約後の感触について、伊原氏は「実感はまだ浅いですが、大きな一歩を踏み出した安堵感はあります。少し肩の荷が降りた、といったところでしょうか」と語る。

    譲受企業には、M&Aを通じて得た人材、物資、財務などのリソースの効率的活用、そして事業拡大を期待しているという。
    さらに「従業員が安心して働ける環境を維持することが、なによりも重要だと考えています」と伊原氏は語った。

    伊原氏はM&A成約後も、アイワ警備保障の顧問として会社の経営に携わっていく予定だ。
    顧問という立場から会社の方針と成長を見守り、必要に応じてアドバイスや支援を提供することになる。
    伊原氏は「会社が持続可能な成長を遂げ、業界内でのさらなる地位を確立できるよう、支援を続けていくことが私の願いです」と今後に対する思いを語った。

    最後に伊原氏は「私の経験と知識が、引き続き会社の資産として活かされることを期待しています。そして協力関係が、双方にとって有益なものになるよう努めていきます」と締めくくった。

    アイワ警備保障は、MABPの仲介によってM&Aを無事に終えた。
    MABPとしては引き続き両社の推移を見守りつつ、発展ストーリーを伺っていきたい。

会社情報

企業名
株式会社アイワ警備保障
代表者
伊原 三男
M&Aで達成した内容
後継者不在、外注業務の内製化
詳細業種
警備業務

担当アドバイザー

担当アドバイザー

オーナー様を支える存在、「縁の下の力持ち」に拘る
次長黒田 紘章
得意業種
建設 不動産
資格
  • 事業承継・M&Aエキスパート
  • 宅地建物取引士
  • M&Aストーリー

    M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
    ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。

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