信頼と挑戦が導いた陸上人生~MABPマーヴェリック設立への道~

2025-10-17
社員インタビュー
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箱根駅伝への夢が原動力に

これまでの経歴について教えていただけますか?

小さい頃から走るのが好きでしたが、特別早くはなかったんです。でも、陸上は努力すれば結果が出るスポーツだと感じていました。高校でも入学当初は女子選手よりも遅かったくらいなんですが、『練習すれば強くなる』という思いを信じ続けて、少しずつ成長していきました。
大学で目指したのは、やはり長距離選手が目指す一番大きな大会・箱根駅伝です。当時は将来、プロになることや社会人で活躍することなんて全く考えていませんでした。ただ『箱根に出たい』という思いだけで、関東の大学に進学したいと考えていました。最初に声をかけていただいたのが青山学院大学で、原さんに誘われたことがきっかけで進学を決めました。

入学当初の目標は?

箱根駅伝への夢はあったものの、最初は本当に『4年間で1回走れればいいな』くらいの気持ちでした。ただ、2年で2区、3年で5区と走らせてもらい、優勝も経験できました。4年生の時も自分が走って優勝することができ、想像以上、夢にも描いていなかった結果を大学で出せました。大学時代を通して改めて、『努力は報われる』ということを強く実感しました。

元々、子どもの頃から箱根駅伝を目標にしていたのですか?

そうですね。ただ、子どもの頃は夢のような目標でした。中学の卒業文集にも「将来の夢は、箱根駅伝に出場すること」と書いていました。でも具体的な目標というより『夢』として描いていた感じです。かなり遠い目標でしたが、努力を積み重ねることで、夢が現実に変わっていく過程を自分で経験できたのは大きかったです。

プロとして挑んだ限界への挑戦

大学卒業後はどのような道に進まれたのですか?

社会人になって2年間、実業団で活動しました。その時、東京オリンピックが間近に迫っていたので、全力で挑戦したいと思い、実業団を辞めてプロになる道を選びました。合宿や海外遠征も経験し、特にケニアでのトレーニングは自分の価値観や限界を広げてくれました。毎日が挑戦の連続で、ランナーとしての人生を全力で歩んできたと感じています。

なるほど、目標に向かって徹底的に挑戦されてきたんですね。

はい。結果がすぐに出るわけではありませんでしたが、努力の積み重ねが自分を強くしてくれる。そう実感できるのが陸上の面白いところです。振り返ると、努力し続けることが自分の人生を切り拓く力になったと感じます。

陸上×企業成長、チーム立ち上げの決断

MABPマーヴェリックの設立経緯について教えてください。

プロとして活動していた2023年の初め、ちょうどパリオリンピックの選考の半年前くらいのタイミングでした。その時、松尾副社長からSNSでダイレクトメッセージをいただいたんです。内容は『陸上界で何か一緒に取り組みをさせてほしい』というもので、正直最初はびっくりしました。

松尾副社長からのメッセージがきっかけだったんですね…!

そうなんです。ただ正直、他の会社からも似たようなオファーはありましたが、どこも自分のやりたいことやタイミングとなかなか噛み合わなかったんです。当時はオリンピックを目指していた時期でもあり、次のステップをどうするか考えている最中でした。でも松尾さんとは話を重ねるうちに、共感できる部分がどんどん大きくなっていきました。

松尾副社長も箱根経験者なので、共感できる部分は多かったのではないでしょうか?

はい。松尾さんも箱根を経験されていて、会社の成長と陸上界への恩返しを考えて声をかけてくださいました。特に印象的だったのは、松尾さんの『陸上選手はもっと報われるべきだ。それは報酬面でもしっかり報われるべきだ』という言葉です。結果を出した選手が正当に評価され、報われる世界を作りたいという思いが強く伝わってきて、私も心から共感しました。
また松尾さん自身も、陸上界の現状には課題を感じていて、『結果を出しても報われにくい』選手がいる現状にずっと問題意識を持っていたんです。業界全体に目を向け、選手が適切に評価される仕組みを作りたいという思いが根底にありました。
その話を聞いていく中で、単に個人をサポートするだけではなく、チームとして取り組む方が意味があると感じました。さらに、会社の知名度向上の観点でも、駅伝は日本文化に根付いていて大きな影響力があることから、『ニューイヤー駅伝で強いチームを作り、陸上界を変えていこう』というビジョンで意見が一致しました。こうして、2023年からMABPマーヴェリックの立ち上げがスタートした形です。

なるほど。会社からのオファーだったとしても、実業団を立ち上げたご本人が駅伝を経験していて、かつ陸上への熱い思いを持っているというのは、珍しいケースですよね。

そうですね。自分自身もプロとして活動を続けるかどうか悩んでいた時期だったので、タイミング的にもすごく良かったです。駅伝への思いと会社のビジョンが合致したことが、チーム立ち上げに向けた大きな後押しになりました。

ゼロから作る勝てるチームの舞台裏

立ち上げはどのように進めたんですか?

まずはチームの目標を設定しました。ニューイヤー駅伝に出場するだけでなく、優勝を目指せるチームを作る、というところからスタートしました。ここが決まると、必要な環境や報酬制度、選手スカウトの基準も見えてきます。トレーニングルーム、水風呂やサウナまで兼ね備えたクラブハウスの構想など、選手が最高のパフォーマンスを出せる環境を一つひとつ整えていきました。

本当にゼロからのスタートだったんですね。

はい。正直、ゲームにあるような『サッカーチームを作ろう!』の陸上版みたいな感じで、リアルにゼロから作っていきました。松尾さんと最初に話したのは、出場だけで満足するのか、それとも上位、さらには優勝を狙うチームにするのかということです。そこが決まると、どんな選手をスカウトし、どんな報酬制度を作り、どんな環境を整えるかが明確になります。

選手のスカウトや関係者との調整も大変だったのでは?

最初は『MABPマーヴェリック』というチームの存在を、大学の監督さんたちに知ってもらうところから始めました。チームのビジョンや、成長できる仕組みをしっかり説明し、信頼関係を築くことが大事でした。挨拶回りだけで3〜4か月かかりましたね。1日1件ずつ、監督さんの都合に合わせて訪問し、スケジュールを調整していました。選手面談も2〜3回行い、入部前に意思や意欲をしっかり確認しました。結果を出しているチームならスカウトは簡単ですが、最初は選手も先輩がいない環境で不安があります。そこを一人ひとり丁寧に説得し、信頼を作っていくのが一番大変でした。

クラブハウスはどのように準備したのですか?

まず、土地探しから始めました。松尾さんがランニング中に良い場所を見つけてくださることもありました。「ここどうですか?」って、現場で提案されるんですよ。それを内覧して、1から建てるか既存の建物を改造するか検討しました。私は以前、寮生活の経験があるので、プライベートも確保しつつ、選手が集中できる環境が必要だと考えました。トレーニングルームや水風呂、交代浴ができるサウナまで、必要なものは全て1から決めました。ドアの取手の形からシャワーの数まで、細かい部分も松尾さんと週2回ほど打ち合わせを重ね、スピード感を持って作り上げました。だからこそ、今のクラブハウスには特別な愛着がありますし、選手にも掃除や整備を手伝ってもらっています。

チーム作りで大切にしていることは何でしょうか?

選手自身の意思を尊重することです。実業団の世界は結果がすべてなので、選手が主体的に考え行動できる環境を作ることがスタッフの役割です。迷ったときには選択肢を提示し、進む道をサポートします。押さえつけるのではなく、選手自身の意思を引き出すことを大切にしています。

神野さんは普段、選手たちにどんな思いで接していますか?

私自身が監督という立場ですが、まず一人の人間として関わるようにしています。食事を一緒に取ったり、深く話したり、時にはサウナに一緒に入ったり。選手がいろいろな情報を得て、「こういう人間になりたい」と自分で思えるヒントを提供できればいいなと考えています。成績だけでなく、人としても成長できる環境を整えること、それがスタッフとしての役割だと思っています。

選手と共に歩む成長の瞬間

選手の変化は感じますか?

はい。やっぱり少しずつ意識が変わってきているのを感じますね。例えばストレッチやケアの時間も、参画前に比べて確実に増えてきていますし、駅伝に向かう気持ちも日に日に強くなっています。最初の頃はまだ駅伝の意味や自分の役割を意識しきれていなかった選手も、今では『自分の役割は駅伝で結果を出すことだ』としっかり認識して動いてくれていて。テレビ出演やイベントで応援してくださる方と触れ合う経験では、まだ緊張している様子も見られるんですが…(笑)
それでも、経験を重ねる中で対応力やコミュニケーション力を少しずつ身につけて、自分たちで考えながら行動できるようになってきています。

なるほど。経験を通して成長する場を提供しているんですね。

そうですね。ランニング教室やイベントなど、現場での経験は本当に学びになります。準備も大事ですが、実際にやってみて反応を見ながら進め方を調整することが、成長につながります。マーヴェリックの選手たちは、こうした多様な経験を積むことで、他の企業に入るよりも多くの学びを得られていると思います。それが、選手一人ひとりの成長にも、チーム全体の成長にも大きくプラスになっていると感じます。

特に印象に残った出来事はありますか?

夏合宿ですね。ここ最近の中で一番印象に残っています。全員が怪我なく合宿を終え、基礎をしっかり作ることができました。その過程で選手自身が自己ベストを更新したり、練習で成果を出したりして、成長を目の前で実感できた瞬間は、本当に嬉しかったです。夏合宿を経て、タイムトライアルでも自己ベストを出す選手が出てきて、チーム全体の雰囲気も一段と良くなっています。こうした経験の積み重ねが、チーム全体の精神的な成長にもつながっていると感じます。

陸上が教えてくれた感謝と責任の心

陸上から学んだことは何ですか?

やっぱり一番大きいのは、人に支えられていることの大切さですね。選手生活を通じて実感するのは、『やってもらって当たり前』ではなく、感謝の気持ちを持つことの重要さです。僕自身も、以前は『やってもらって当たり前』みたいに思ってしまう時期もあったんですけど、支えてもらうからこそ自分の活動ができるっていう意識を持つことが、人としても社会人としても大事だなと思います。例えば、練習や駅伝に取り組む中で、ちょっとしたことでも『ありがとう』と言えたり、遅れたら『すみません』と素直に言えたりすること。初歩的なことかもしれませんけど、そういう心がけが自分を支えてくれる周りの人との関係にもつながりますし、チームとしても、社会人としても大事な基盤だと思います。

選手にも陸上を通して大事にしてほしいことはありますか?

やはり人に支えられていることへの『感謝の気持ち』を忘れないでほしいですね。支えてくれる人がいるからこそ、自分たちは練習もできるし、競技にも打ち込める。そういう感謝の気持ちを持てる選手は、自然と紳士的に行動できるし、応援してくれるファンの方たちにも喜んでもらえる。逆に、そういう気持ちをないがしろにすると、どんどん離れていってしまうので…。マーヴェリックの選手には、そういう部分も大事にしてほしいですね。

全力で挑む今が未来を拓く

今後の挑戦や新しい取り組みは?

競技面では、これまで実績を上げてきた強いチームに挑戦して、結果を出すことですね。それと同時に、陸上を通じて会社にも貢献したい。ファンを増やし、会社の方にも『このチームがうちにあるんだよ』って自慢できるような、誇れるチームを作りたいと思っています。

陸上の経験がチームや会社への貢献につながるんですね。

そうですね。応援してくれるファンの方ひとりひとりを喜ばせることができれば、その人がまた誰かを連れてきてくれるかもしれない。そうやって応援の輪が広がっていくんです。逆にないがしろにすると、ファンも離れてしまいますし、応援してくれる人に感謝することはチームとしてもとても大事です。

若い世代に伝えたいことは?

僕は『10年後どうなりたいか』を考えるよりも、まずは目の前のことに全力で向き合うことが大事だと思っています。今できることに集中して取り組む。その積み重ねが後の道を切り開くんです。チャレンジしたいことがあれば、恐れず挑戦してほしい。先のことを考えるのももちろん大事ですが、それ以上に今全力で頑張ることが、将来につながると思います。
もし陸上やチーム活動に興味があるなら、迷わず飛び込んでほしいです。先のことを考えるのも大事ですが、まずは目の前のことに全力で取り組むこと。自分の可能性を広げ、思いもよらない道につながります。チャレンジする勇気を持った仲間と一緒に、共に成長できることを楽しみにしています。

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