M&Aストーリー

医療法人社団尽誠会
ご成約事例

地方の歯科医院が成し遂げたM&A。25年で培った高度な特殊技術を次世代へ

会社・事業内容等について

  • 代表 佐久間さま個人のご経歴を教えてください。

    私の出身は新潟です。うちは医師の家系で、私も自然と同じ道を目指しましたが、医学部は合格には至らず、唯一受験していた岩手医科大学の歯学部に何とか滑り込みました。入学当初は医学部への編入も視野にあったものの、在学中に歯科医師として生きていく覚悟を決めました。

    卒業後は、多くの患者さんを抱える歯科医院で3年間ほど、勤務医として研鑽を積みました。月の半分は、歯科医院の空白地域に非常勤として入り、1人で現場を切り盛りしました。この時の診療経験が、私の歯科医師としての大きな糧となっています。

    その後は地元に戻り、2001年9月に「新栄町歯科医院」を開業しました。そこから25年にわたって、医院を運営してきました。

  • “新栄町歯科医院”について詳しく教えてください。

    新栄町歯科医院は、新潟県の北部に位置する胎内市にあります。診療科目は、一般歯科から矯正歯科、インプラント、レーザー治療にいたるまで、歯科治療全般を幅広く対応しています。

    当院には、0歳の小さなお子さまから100歳の高齢者まで、実に幅広い層の患者さまがお越しになります。保険診療がメインですが「一から予防医療に取り組む」という姿勢を大切にしてきた結果、親子4代で通っていただけるような深い信頼関係を築けました。神戸や海外といった、遠方から当院を頼って足を運んでくださる方もいらっしゃいますね。

    また、当院の大きな特徴として、脳外科や心臓外科などの高度な手術で用いられる「マイクロスコープ」を導入した精密治療が挙げられます。技術の習得には相応の時間と修練が必要ですが、妥協のない精密な治療を提供し続けていることこそが、当院の誇りです。

  • 開業~今に至るまでを教えてください。

    勤務医として経験を積む中で、自分が理想とする治療を妥協なく追求するためには、自ら開業する道しかないと考え、29歳で独立しました。不安もありましたが、地域の皆さまに温かく支えられながら、常に「患者さんが心から安心できる治療」を最優先に掲げ、運営してきました。

    私が目指してきたのは、地域の方々に真っ先に選んでいただき、そして人生を終えるまで寄り添い続ける「最後のかかりつけ歯科医院」です。その理想を実現するために、新しい技術や設備は常にアンテナを張り、積極的に導入することを心がけてきました。

    特に、私が得意とするマイクロスコープを用いた診療については、国内でもいち早くその技術を習得した自負があります。院内すべての診療用チェアにマイクロスコープを完備し、あらゆる治療において極めて精度の高い処置を追求できる環境を整えてきました。

    こうした長年の取り組みが実を結び、2025年には歯科医師向けの専門書籍を共著で出版させていただく機会にも恵まれました。

M&Aに至る背景

  • M&Aを検討された「背景」や「経緯」を教えてください。

    M&Aを意識し始めた背景には、地域医療が直面している厳しい現実があります。近隣の歯科医院では先生方の高齢化が進み、閉院を余儀なくされるケースが増えてきました。

    しかし、医院が減っても患者さんの数が減るわけではありません。その結果、当院に患者さんが集中し、以前よりは改善したものの、今なお「半年待ち」という状況が続いています。質の高い治療を提供したいという理想がある一方で、お待たせしすぎることで患者さんにはご不便をおかけしてしまう。このキャパオーバーな状態に、強い危機感を抱いていました。

    「継承問題」も大きな課題でした。私の子どもたちは別の道を歩み始めており、勤務医を育てようと試みましたが、地方ということもあってリクルートは困難を極めます。さらに、私が実践しているマイクロスコープを用いた特殊な治療は、教える側も学ぶ側も非常に大きなエネルギーが必要です。このままでは、いつか限界が来ることは明らかでした。

    そんな折、歯科医師会が主催する継承セミナーに申し込んだタイミングで、偶然にもMABPさんからのDMが目に飛び込んできました。情報を集めておいて損はないと思い問い合わせてみると、すぐさま担当アドバイザーの徳田さんと面談をすることになりました。

    実は他のセミナーや勉強会でも、M&Aの事例はよく耳にしていました。しかし、話はあっても成約までたどり着けないケースや、交渉中に先生が亡くなってしまうといった時間切れも少なくないと聞いていたのです。私には、それほど悠長に構えている時間はありませんでした。

    ところが、徳田さんは「うちは通常1年、早ければ半年ほどでクロージングまで導きます」とはっきり仰ってくださったんです。その言葉と人柄を信じて、依頼を決断したのが始まりでした。

弊社との出会い

  • MABP担当アドバイザーの印象を教えてください。

    担当の徳田さんに初めてお会いした時の印象は「若くて非常にエネルギッシュな、バリバリと仕事をこなす優秀な女性」というものでした。その第一印象通り、実際に交渉が始まってからも、本当に頼りになる「できる人」だと思いましたね。

    また、意外な共通点があったことも心の支えになりました。実は私も徳田さんも大のネコ好きで、M&Aに向けたやり取りの合間に、チャットでネコ談義に花が咲くことがよくあったんです。精神的な負担が大きい交渉の中でも、こうした日常的な会話でふっと肩の力が抜ける瞬間があって、私としては本当に助かりました。

    何より驚かされたのは、その圧倒的なスピード感です。私が疑問に思ったことや困っていることを相談すると、夜遅い時間であってもすぐに既読がつき、徳田さんは驚くほどの速さで的確なレスポンスを返してくださいました。

    「いつでも連絡が取れる、すぐに答えが返ってくる」という安心感があったからこそ、迷うことなく最後まで進んでいけたんだと感じています。

M&Aの決断

  • ご成約までの経緯を教えてください。

    MABPの徳田さんと初めてオンラインで面談をさせていただいたのは、2025年の6月です。そこからは本当にスムーズで、半年も経たないうちに相手企業さまとのトップ面談に臨みました。

    具体的には、2025年10月15日に初回TOP面談を行い、そこからわずか2ヶ月後の12月15日には無事に契約を締結。そして12月24日には成約式を執り行うという、非常に理想的なスケジュールで進んでいきましたね。

    私は今回のM&Aを進めるにあたって、交渉のスピード感を重視していました。徳田さんはそんな私の要望をしっかりと汲み取ってくださり、全てのステップにおいて精一杯応えてくれました。

  • M&Aの際に重きを置いた点を教えてください。

    もちろんスピード感も重要な要素でしたが、それ以上に「私が退いた後もこの医院が存続すること」を第一条件に掲げていました。長年通ってくださっている患者さんや、私を信じてついてきてくれたスタッフたちが、路頭に迷うようなことだけは絶対に避けたい。その一心でしたね。

    それと同時に、自分自身の「次のステージ」についても思い描いていました。今まで心血を注いできたマイクロスコープなどの特殊な技術を、後進にしっかりと伝えていける環境が欲しかった。これまでもセミナー等で教えてきましたが、今後はさらに「技術の継承」に注力することが、私自身の新たな生きがいになると考えていました。

    また、これは本音の部分ですが、私自身は経営に向いているタイプではないと自覚しています。理事長として組織を切り盛りする重圧から解放され、ナンバー2・3といった立ち位置で、一人の歯科医師として自由に、そして純粋に治療に打ち込みたいという気持ちが強かったんです。

    患者さまとスタッフの安心を守りつつ、自らの技術を次世代につなげ、私個人も一人の臨床歯科医に戻れる。そんな願いを叶えてくれる譲受先を、切に望んでいました。

  • M&Aの際の心配や懸念されていた点を教えてください。

    M&Aを進める上で、実務的な心配や懸念を感じることは全くと言っていいほどありませんでした。それは、担当してくれた徳田さんが、常に先回りしてフォローしてくださったおかげです。

    ただ、実務面とは別に、私自身が非常に頭を悩ませ、激しく葛藤した局面がありました。それは、最終的な候補先として複数の魅力的な法人が挙がった時のことです。

    どちらの条件も甲乙つけがたく、当時の私の心境は、例えるなら「同時に複数人から告白された」ような状態でした(笑)。「どちらと一緒になるのが、当院にとって最善なのだろうか」と、本当にどうすればいいのか分からなくなるほど思い悩みましたね。

  • 譲受企業 医療法人進心会さまの第一印象について教えてください。

    進心会の理事長さんと初めてオンライン面談でお会いした際、非常に印象的だったのが、お相手の先生方も私も「白衣」のまま画面越しに向き合っていたことです。

    お互いに診療の合間、まさに「現場」から直接話をしていたわけで、その光景だけで「この先生も、臨床を何より大切にされている現場主義の方だ」というのが瞬時に伝わってきました。

    その後、実際にお会いして詳しくお話を伺う中で、さらに大きな衝撃を受けました。先生が掲げる将来の目標を伺うと「日本で一番大きなグループを目指し、すべての都道府県にクリニックを展開したい。歯のことで困ったことがあれば、日本のどこにいても進心会のクリニックが助けになれるような体制を作りたい」と仰っておられたんです。

    実はこの言葉を聞いた瞬間、私は鳥肌が立つような思いでした。というのも、今から15年ほど前に通っていた勉強会で、私が尊敬するメンターの先生が語っていた夢と全く同じだったからです。「どこにいても、誰もが同じクオリティの治療を受診できる環境を作る」というその考え方に深く感銘を受け、私の心にずっと大切に刻まれてきた言葉でした。

    それと一字一句違わない壮大な理想を語る先生を前にして、驚きとともに「この方となら、同じ方向を向いて歩んでいける」という確信を得ましたね。

  • 決め手(決意)となったポイントを教えてください。

    まずは、進心会さんが大きな組織力を有するグループであったことです。私が守りたかった「医院の永続性」や「スタッフの雇用維持」を考えた際、安定した経営基盤を持つグループの一員になることは、大きな安心材料となりました。

    もう1つが、不思議な「縁」です。実は、理事長さんのお父様が、私の地元の歯科医師会に所属されていたのです。いわば同郷のような親しみやすさがあり、見ず知らずの相手ではなく、どこかでつながっているという安心感が、私の背中を強く押してくれました。

    そして何より最大の決め手となったのは、やはり先ほどもお話しした「ビジョンの共鳴」です。
    私がかつて感銘を受けたメンターと同じ夢を語る先生の姿を見て、心から「この方の夢や目標をお手伝いしたい」という感情が湧き上がってきました。

    おこがましいかもしれませんが、その壮大な理想の実現に一人の歯科医師として貢献したいと思えたことこそが、最後の決め手になりましたね。

M&Aの振り返りと展望

  • M&Aを終えられて、感想を教えてください。

    今回のM&Aを振り返って強く思うのは、担当の徳田さんには本当に助けられたということです。私の要望を最大限に叶えてもらう形で、最高のゴールができたと感じています。

    実は、徳田さんと初めて面談をさせていただいた際、私はあらかじめ「M&Aの目的」や「譲渡を通じて実現したいこと」を自分なりに言語化し、資料としてお渡ししていました。自分が何を大切にし、どのような未来を描きたいのかを、最初から明確に伝えておきたかったのです。

    徳田さんはその拙い資料に込められた私の想いを、余すことなく汲み取ってくださいました。そして、私の考え方を大前提に据えた上で、理想的なお相手を粘り強く探してくださったんです。

    常に私の期待に応えようと奔走してくださる姿を間近で見ていたからこそ、最後まで何の不安もなく、絶対的な信頼を置いて進めることができました。徳田さんと出会い、彼女を信じて任せたことが、最大の成功要因だったと確信しています。

  • 今後の展望をお聞かせください。

    これからの私の使命は、一人の臨床医としてマイクロスコープを用いた精密な診療を究め続けるとともに、その技術をセミナーなどを通じて広く伝承していくことだと考えています。

    理事長の冨田先生も「グループ内のどこであっても、必要とするならセミナーの環境を準備する」と仰ってくださいました。新心会さんには現在、100名を超える歯科医師が在籍していて、この先生方がマイクロスコープを自在に使いこなせるようになれば、グループ全体、ひいては日本の歯科医療のレベルを底上げすることにつながります。

    マイクロスコープを活用した診療は、治療のクオリティを飛躍的に高めるだけではありません。歯科医師自身の身体的な負担を軽減し、無理のない姿勢で診療を続けられるため、結果として「現役として長く活躍できる期間」を延ばすことにも寄与します。

    少し大きな話に聞こえるかもしれませんが、精度の高い治療が普及し、優れた歯科医師が長く健やかに働ける環境が整うことは、巡り巡って日本国民一人ひとりが享受できる利益に直結すると、私は本気で信じているんです。

    自分一人の医院では成し得なかったこの壮大な夢を、進心会という素晴らしいプラットフォームの上で実現させていく。その目標に向かって、これからも邁進していきたいですね。

  • M&Aを検討されている経営者様に一言アドバイスをお願いします。

    アメリカでは、DSO(デンタル・サービス・オーガニゼーション)というビジネスモデルが確立されています。これは単独の歯科医院ではなく大きなグループを形成し、そのスケールメリットを活かして人事や採用、物品購入、そして技術の継承などを組織全体で支援し合う仕組みです。

    これまでのように個人で医院を切り盛りしていると、もし私が病に倒れれば、通院中の患者さんも長年連れ添ったスタッフも、一気に路頭に迷わせてしまう。しかし大きなグループの一員であれば、互いに補完し合い、大切な医院を次の世代へ確実につないでいけます。

    もちろん小さな医院にも強みがありますが、一方で「組織が大きくないと実現できないこと」は確実に存在します。特に50〜60代の先生方は、私と同じように「この先の未来をどう描くべきか」と一度は考えたことがあるはずです。今やM&Aは、私たちのようなクリニックにとって不可欠な選択肢の1つだと思っています。

    正直なところ、私自身も最初は「M&Aなんて都会の話か、よほど大きな医療法人の話だろう」と思い込んでいました。それどころか、小さな医院が大きなグループに入れば、いいように飲み込まれ、最後は捨てられてしまうのではないかという、強い不安さえ抱いていたのです。

    しかし、今回の成約を通じてその不安は払拭されました。グループの傘下に入りながらも、1つの独立したクリニックとして存在価値を認められ、お互いに刺激し合いながら高め合っていける。そんな新しい歯科経営のモデルケースとして、関係が進んでいくことを心から願っています。

会社情報

企業名
医療法人社団尽誠会
代表者
佐久間 利喜
所在地
〒959−2632 新潟県胎内市新栄町2−54
M&Aで達成した内容
事業成長、法人譲渡、後継者問題の解決
詳細業種
歯科医院経営
ホームページ
https://shineicho-dc-implant.com/

担当アドバイザー

担当アドバイザー

経営者様に寄り添い、素敵な未来に向けて伴走させていただきます。
主任 徳田 菜帆
得意業種
ヘルスケア
資格
  • 事業承継・M&Aエキスパート
  • M&Aストーリー

    M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
    ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。

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