M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
M&Aとは
サービス紹介
M&Aストーリー
株式会社しげた
ご成約事例
私は新潟県柏崎市の出身で、実家は両親ともに薬剤師として薬局を営んでいました。そんな環境で育ったこともあって、自然と薬学の道に進みたいと思うようになり、千葉の大学で薬学を専攻します。
卒業後は、実家とは別の環境でしっかり経験を積みたいと考え、新潟市内の薬局に就職して3年間ほど勤務しました。調剤の流れや患者さんとの向き合い方など、薬剤師としての基礎を徹底的に学んだ期間だったと思います。
その後、10年ほど前に柏崎市へ戻って、実家の「しげた薬局」に入局しました。それからは、地元の地域医療により近いところで、今日まで働いてきました。
当社は、新潟県柏崎市にある調剤薬局で、JR東柏崎駅のすぐ近くに構えています。隣接する内科医院の「門前薬局」として、患者さまの生活に寄り添った調剤と服薬サポートを行っています。町の方々が気軽に相談できる薬局として、地域医療の一端を担ってきました。
私が薬局を継いでからも、ずっと大事にしてきたのは「地域の薬局であり続ける」という両親の思いでした。地元の人たちが安心して相談できる場所であること、そして、この街に根付いた薬局であることを大切にしながら運営してきました。
両親の代から長く通ってくださっている患者さんも多く、顔を覚えて声をかけていただけることが何より励みです。感謝の言葉をいただいた瞬間や、頼りにしてもらえていると感じた時には、「続けてきてよかったな」と心から感じます。
地域とともに歩む薬局として、そんな日々の積み重ねを大切にしてきましたね。
M&Aを意識し始めたのは、今から5年ほど前です。まだ本格的に検討する段階ではありませんでしたが、頭の片隅でぼんやりと、可能性の一つとして浮かんでいました。
実際に検討を始めたのは、昨年の2024年です。ちょうどその頃、世の中でもM&Aの話題をよく耳にするようにもなりましたし、同エリアでも「●●薬局さんがM&Aをした」という話も話題に上がっていました。
以前は2店舗で経営していましたが、父の勇退を機に、長年続けてきた本店を閉める決断をしました。そこから、もう一つの店舗に患者さんを集約して運営するようになったのですが、そのタイミングで「これからどうしていくべきか」と深く考えるようになりました。
母には、将来的に廃業という選択肢も頭にあったようです。ただ、地域に根ざしてきた薬局として、簡単に灯を消すわけにはいかないという思いも強かった。隣接する医院の先生が診療を続けられている限り、こちらも責任を持って薬局を続けるという使命感もありました。
そして何より、共に働いてくれている従業員の将来を守りたいという気持ちがありましたね。
経営は順調だったので、このままM&Aをせずに経営を続ける選択肢もありましたが、さらに先の未来のことを考えた結果、他の薬局と一緒になって経営をした方が従業員のため、家族のため、門前ドクターのためになると考え、M&Aに踏み切りました。
MABPの徳田さんは、話の進め方がとても具体的でした。多くの仲介会社は「これから探します」というスタンスで話をされることが多いのですが、徳田さんは最初から「譲受企業として、こういった会社がありますよ」と実名を挙げて提案してくれたんです。こちらとしても、M&Aをすぐイメージできたので、その点がとても大きかったですね。
また、気持ちの面でも寄り添ってくれる方でした。私たちにとって、M&Aは人生の中で最も大きな決断です。徳田さんは「一社だけで決めてしまうのではなく、数社を比較検討された方が、きっと納得のいく判断ができますよ」と親身になってアドバイスくださいました。
交渉を進めるのは大変だったとは思いますが、面倒がらずにこちらの将来を考えてくれた。その徳田さんの姿勢に、心から信頼を感じました。
徳田さんとの最初の接点は、一本の電話でした。その時は「まだ先の話かな」というくらいの軽い気持ちで、正直そこまで具体的には考えていませんでしたね。
実際にお会いしたのは、2025年3月24日です。母も同席しての初めての打ち合わせでしたが、この時点でも「まずは話を聞くだけ」というスタンスでした。
ところが、徳田さんの説明を聞き、家族で話し合う中で、次第に気持ちが前向きに変わっていきました。従業員の将来のこと、そして「町の薬局として続けていきたい」という思いから、M&Aは現実的な選択肢だと感じられるようになったからです。
その後は具体的に話が進み、同年5月20日にはTOP面談、そして9月17日に契約という流れで、スムーズに締結まで至りました。振り返ると、あの時の「とりあえず話を聞いてみよう」という判断が、大事な転機になったのだと思います。
私が最も重視したのは「これまでの体制や、働いてくれている従業員の環境をそのまま維持できるか」という点でした。地域に根ざした薬局だからこそ、日々来てくださる患者さんとの関係性や、従業員が安心して働ける空気感は絶対に壊したくありませんでした。
急ぐ必要はありませんでしたが、徳田さんの進め方にはほどよいスピード感があって、不安になる場面は一度もなかったですね。条件面や金額面といった大事な話を詰める時も、私の判断だけでなく「家族全員がしっかり納得してから意向を示す」という形で進めてきました。
そんな私の姿勢に対して、徳田さんは丁寧に寄り添ってくださいました。
M&Aは人生を大きく左右する決断ですし、私自身これまで経験したことのない世界でした。なので「一体どんな流れで進んでいくんだろう」「自分はちゃんと対応できるのだろうか」といった漠然とした心配はありました。
そんな中で支えになったのが、徳田さんのこまめなフォローでした。私は業務が立て込んでいて電話に出られないことも多かったのですが、それでも根気強く連絡をくださり、必要なことを丁寧に伝えてくれたんです。そのおかげで、気づけば不安はほとんど解消されていましたね。
無事に契約までたどり着けたのは、徳田さんのサポートがあったからこそだと感じています。
実は、譲受企業の石川薬局さんとは日頃からお付き合いがあって、石川社長のお人柄もよく存じ上げていました。とても穏やかで、誠実さがにじみ出るような方なんですよね。そんな背景もあって、もともと信頼関係はできていました。
ただ、だからといって最初から「石川薬局さんに決めよう」と思っていたわけではありません。徳田さんのアドバイスもあり、きちんと他の企業さんもフラットに見た上で判断しました。
最終的には、石川薬局さんとご一緒することになって「やっぱりここが一番良いな」と素直に思えましたね。
最終的に決め手になったのは「地元の皆さんに、これからも寄り添い続けたい」という思いでした。地域の患者さんに支えられてきた薬局だからこそ、どこか遠い企業ではなく、同じ柏崎で根を張っている企業にお任せしたいと強く感じていました。
石川薬局さんであれば、土地勘もあるし、地域医療への理解も深い。長くお付き合いのある安心感もあって「ここなら、うちの患者さんも従業員も守ってもらえる」と自然に思えたんです。
やはり「地元の企業に託したい」という私の思いが、譲受企業選びの決め手となりました。
ようやく区切りが見えてきて、ホッとした気持ちが大きいですね。日々の仕事はこれまでと変わりませんが、経営をお任せすることになって、社員や患者さんのことを四六時中考え続けていた生活から、時間的にも精神的にも余裕ができるだろうと感じています。
私ごとですが、趣味で続けている「ウイングサーフィン」に使える時間も、これからは少し増えそうです。風をつかんで水面を走るあの感覚は、私にとってとても大事なリフレッシュの時間なので、また存分に楽しみたいですね。
中央町薬局は、これまで家族で守ってきた地域の薬局です。経営体制は変わっても、その思いは変わりません。これからも、地域に根ざした薬局として歩み続けていきたいですね。
いちばん大事なのは、自分たちと同じ方向を向いているお相手を選ぶことだと思います。私たちで言えば、石川薬局さんのように「地域の方に寄り添い続けたい」という考え方がしっかり一致しているかどうか、そこを重視しました。
M&Aの面談では、数字や条件だけでなく「この会社と一緒にやっていけるか」「うちの社員や患者さんを大事にしてくれそうか」といった感覚も含めて、じっくり吟味することが大切です。時間はかかりますが、その分だけ納得のいく結論につながると私は感じています。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
製造、建設、不動産、
医療・ヘルスケア、物流、ITのM&Aは
経験豊富な私たちがサポートします。