M&Aストーリー
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
M&Aストーリー
有限会社マイティ(えばら薬局)
M&A成約事例
譲渡企業
有限会社マイティ(えばら薬局)
代表取締役 立田 安徳氏 インタビュー
会社は調剤薬局として運営しています。
基本的に処方箋をメインにして、患者さんにお薬をお渡しする形です。
一般医薬品やOTCも少しだけ取り扱っていますが、メインの業務はあくまでも処方箋に基づいた調剤です。
1999年に会社を設立しました。
妻が薬剤師で薬局をやりたいという気持ちを持っており、私も妻の思いを支えたいと思っていました。
それで、1999年に薬局を立ち上げたわけです。
開業当初から事務員が2名、薬剤師が2.5〜3名体制で運営していました。
薬価の改正があるごとに仕入れコストが上がっている影響で、売り上げは一定しているものの、利益が圧縮される状況が続いてきましたね。
それでも、場所の移転もなく、今の体制で順調に続けてこられたと思っています。
実は大学には行かず、高校卒業後すぐに就職しました。
最初の職場は電気部品を扱う会社で、そこで経理の仕事を5年ほどしていました。
やはり商業高校出身ということもあって、事務関係の仕事が多かったですね。
その後、薬局を開業するまでの約20年間で、経理以外にも営業など、5つほどの仕事を経験しました。
さまざまな分野で幅広い職務に携わったことが、結果として現在の経営に役立っていると思います。
そうですね、だいたい5年ほど前から経営の面で少し厳しさを感じるようになってきました。
そのころから、いろんな会社からダイレクトメールや封書がちらほら届いていて、次第に届く数も増えていったんです。
ただ、後継者候補に娘もおりましたし最初はそこまで真剣に考えていませんでした。
「興味本位で一度話を聞いてみようかな」と思ったタイミングでちょうどご連絡頂いたのがM&Aを検討し始めるきっかけになりましたね。
ダイレクトメールが来て、それと同時に丸山さんから電話がありました。
正直、いつもならこういった電話は断っていたんですよ。
そのときはちょうど事務の子が電話を取ってくれたんですが、たまたま電話で話をしたんです。
そして2023年の11月末くらいに、コンビニで丸山さんと初めてお会いして話をしました。
最初は少し堅苦しい印象でしたね。
やっぱり大手の会社の方ということで、構えてしまう部分もありました。
でも、話していくうちに思っていた以上に話しやすい方だなと感じました。
しっかりした印象もあり、安心感が湧きました。
丸山さんは初回からずっと同じスタンスで接してくれました。
普通なら、接する回数が増えると少しずつ距離が近くなり、馴れ馴れしくなりがちですが、丸山さんは常にプロフェッショナルな態度を保っていて、その点も信頼感に繋がりましたね。
「なれ合い」にならないことで、かえって安心感を持てました。
やはり、相手のオーナーが薬剤師だったことが大きかったです。
薬局の経営について理解がある方だと感じましたし、業界特有の事情や、門前の病院との長年の関係性も継続してくれるとお話しされていたので、その点での安心感がありました。
それに、こちらの条件や希望についても、ほぼ満足のいく形で受け入れてくれました。
M&Aを考え始めた当初は不安もありましたが、細かい条件面までしっかり確認し合えたことで、信頼して任せられると感じました。
最初の打ち合わせが2023年11月末頃で、その時にM&Aに向けた基本的な話をしました。
そこから1年かけて、じっくりと条件を調整しながら進めていきました。
年内にできればなというある程度の期限は意識していました。
長引けば、それだけ人員の確保も難しくなりますので、2024年9月末に契約を締結できたのは理想的なタイミングでしたね。
まず一番に挙げたのは、門前にある病院との関係性を継続していただけることです。
設立以来、長年にわたって築き上げてきた関係で、門前にある病院とのやり取りがスムーズに続くことは、薬局の安定運営にとって欠かせないんです。
また、病院側も私たちの薬局のことを信頼してくれている部分があるので、病院と薬局の信頼関係を崩さずに守ってもらえることが、M&Aにおける最優先事項でした。
他の条件ももちろん重要ですが、まずは門前にある病院との関係性を継続するという点を確約していただける相手であることが成約の大きな決め手でしたね。
M&Aを進める上で、一番心配だったのは情報の漏洩でした。
M&Aに関する情報が水面下で動いている段階で外部に漏れてしまうと、取引が進まなくなる可能性が高いと考えていました。
特に、地域密着型の薬局として、門前の病院との信頼関係があるため、M&Aの情報が外部に知られることに対して懸念がありました。
情報が漏れることで、従業員や取引先にも動揺が生じ、業務への影響が出ることも避けたかったため、徹底して慎重に進めていました。
実際に、いくつかの買い手候補と面談を行いましたが、最初のお相手は経営に関する視点が数字面で見ている側面が強く、薬局業務への考え方等、不安を感じたため断念しました。
最終的には、2社目の薬剤師オーナーと信頼関係を築けたことで、安心して進められました。
初対面では、オーナーが薬剤師であったことから、業界に対する理解が深く、薬局の経営に必要な知識や経験を持っていることに安心感がありました。
業務の実態や医療機関との連携についても理解があり、スムーズに運営を引き継いでくれるだろうという期待を持てたのが大きかったです。
オーナー自身の人柄も魅力的で、誠実で堅実な印象を受ける一方で、「一本筋が通っている」という強い信念を感じました。
さらに、行動力もある方で、多店舗経営に積極的に取り組んでいることから、広い視野を持ちながら着実に事業を拡大していく力があると感じました。
このような信念と行動力を併せ持つオーナーであったため、譲渡先として非常に信頼できると確信したんです。
M&Aを終えた今、やはり自分自身の時間ができたことが大きな変化だと感じています。
これまで経営に追われていた日々が少し楽になり、気持ち的にも余裕が生まれました。
年齢や健康を考えると、今がちょうどよいタイミングだったと改めて実感しています。
おそらくあと数年遅れていたら、ここまでスムーズには進まなかったかもしれません。
また、周囲の従業員は、私が抜けたことで少し負担が増えたと聞いており、その点は心残りです。
ただ、こうした変化も新しい体制が整えば次第に改善されていくでしょうし、これからの成長を見守りたいと思っています。
患者さんや地域の方々に引き続き信頼される薬局であってほしいと願い、安心して任せられると感じています。
M&Aを検討されている経営者の皆様へ、私から一言お伝えしたいのは「まずは話を聞いてみる」ということです。
私自身、5年ほど前からいくつかのM&A提案が届いていましたが、最初はあまり真剣に向き合っていませんでした。
しかし、タイミングが合い、実際に話を聞いてみたことで新たな選択肢が広がりました。
結果的に、私にとってはとても良い決断だったと感じています。
また、話を聞く中で「他社とも比較してみること」も重要です。
担当者や企業によって提案の内容や進め方が異なるため、自分に合ったパートナーを見極めることが大切だと思います。
他の会社からも連絡がありましたが、自分にとって信頼できる相手と話を進めていくことで、納得のいく結果が得られました。
ぜひ、迷っている方も一度は話を聞いてみて、自分にとって最善の道を見つけてほしいと思います。
M&Aを実施する目的や背景は多岐にわたって存在するため、
ひとつとして同じ案件や事例は存在しません。
製造、建設、不動産、
医療・ヘルスケア、物流、ITのM&Aは
経験豊富な私たちがサポートします。