経営者インタビュー

「お役に立てるのが最高の喜び」

株式会社 SouGo(そうご)

代表取締役社長

北條 裕子

父から継承した会社は、カミツレ事業をメインに

─ まず、北條さんのご経歴を教えていただいてもよろしいでしょうか?

東京都で生まれ、短期大学を卒業した後は、父が営んでいた印刷会社を継ぐため、経営者を育成する専門学校に進みました。会社の継承は、小さい頃から言われていたのでこのような経歴になっているんです。
専門学校卒業後、美容系の仕事を手掛ける印刷会社に一旦就職して経験を積み、株式会社SouGoに入社し、長年、企画開発部門を担当してきました。父から経営を引き継いだ現在では、「LIFEを、笑顔に。」という経営理念を掲げ、国産カモミール(カミツレ)を使ったスキンケアシリーズ「華密恋」の製造・販売や、カミツレエキスを活用した製品を企画・提案する「カミツレ研究所」を運営しています。
また、長野にある健康と自然に配慮した宿「八寿恵荘*」の営業も事業の1つです。
一方で、創業時からあった印刷事業は2021年3月に閉鎖をしています。

※2023年12月現在休業中

─ 小さい頃から会社の継承について、言われていたんですね!

現在、行われている事業の中で挙げていただいた、華密恋製品の特徴について教えてください。

華密恋(カミツレン)製品は、おかげさまで多くのお客様に使っていただいており、保湿成分には自社製造のカミツレエキスが高配合されています。実際に、お肌のコンディションがよくなったり、溜まったストレスをデトックスしてゆっくり眠れるようになったりするなど、いろいろなお褒めの言葉をいただいてきました。

大切にしているのは、3年がかりで作った経営理念

─ 御社の経営理念が非常に素敵で印象に残っているのですが、どのような想いで作られたんですか?

私たちが大切にしている経営理念「LIFEを、笑顔に。」は、3年がかりで作りました。
これは、皆さんに日々笑顔で生活してもらうことを提供したいという思いを表現したものです。

もともと弊社には、創業した父がつくった「あらゆる方々のお役に立ちたい」という考え方がベースの理念がありました。2012年に亡くなった父は私に一冊の本を残していますが、そこには彼の理念が記されています。

そんな理念を、私は入社した当初「古臭い」と反発していたのですが、今では、父を支えていた大切な考え方であり、彼なりに従業員にも浸透させたいという思いもあったんだと感じ、実際に、私はこれまでさまざまな局面で父の本を参考にしてきました。

会社を引き継いでしばらくは、父の経営理念を崩してはいけないと思っていました。それは事業の1つ、カミツレ研究所はもともと父が1982年に始め、作り上げてきたものであることや、印刷事業は閉鎖したものの、今ある事業も父の活動なくして存在し得ないものなので、大切にすべきものは、守っていかなければならないと考えていたからです。

─ お父様が作られた経営理念をなぜ変えようと決断したのでしょうか?

父の掲げていた理念はどこか堅いイメージがあることと、私の考え方とも合っていないと感じていたこともあり、このままでは会社の経営が上手くいかないと感じ始めていたことから、このタイミングで経営理念を一新し、自分のカラーをそこに反映しようと決意しました。

ただ、どこから変えていいのか分からず、手探り状態からのスタートでしたが、信頼できるコンサルタントの方に私が本当にやりたいことを聞き出してもらった上で、自分が持つ価値観や考え方に合う新しい理念を作り込んでいきました。

こうして作り上げた経営理念が「LIFEを、笑顔に。」ですが、今いる従業員に伝えた時はすんなりと理解してもらえたので、私の判断は間違っていなかったんだと思うこともできました。

がんの患者さんからの声が、やりがいにつながる

─ 北條さんが感じる仕事の魅力や、やりがいについて教えていただきたいです!

私が魅力に感じる、やりがいに感じているのは、弊社の製品は一般のユーザーさんのほか、がんの患者さんにもご愛用いただいており、がんと闘う人たちにも我々の事業がお役に立てているのは本当に嬉しく、やりがいを感じております。

─ がんの患者さんにご愛用いただくことになったきっかけがあれば教えていただけないでしょうか?

弊社製品をがんの患者さんに紹介したきっかけは、父が喉頭がんを患ったことなんです。
大学病院では医師に切除を勧められましたが、母は「切ったらこの人の人生が終わってしまう」といろいろ代替手段を探し回り、最終的に漢方の先生にたどりついたんです。

その漢方の先生が、カモミールのエキスを当時研究していました。
そして父は漢方で病気を寛解させることができたので、この経験を基にさっそくカミツレの製品化を大手化粧品メーカーに提案しましたが、オーガニック栽培である点が相当難しいと判断されて受け入れてもらえず、それなら自社でやると、父が印刷事業の傍らスタートさせたのがカミツレ事業なんです。

また、母が切り盛りしていた八寿恵荘では、乳がんの患者さんをカミツレエキス入りの濃厚なお風呂に入っていただいたところ「すごく状態がよくなった」と好評でした。
乳がんになってから10数年もお風呂に入れないでいた方が、華密恋の入浴剤を入れた宿のお風呂には入れるとみんなで泣いて喜んだということもありました。
そこで、乳がんの患者会に華密恋製品を紹介し、それがきっかけで始まった患者さんによる八寿恵荘のお泊りツアーは10年ほど続いています。

がんの患者さんが放射線治療を行うと、ひどい乾燥肌になってしまう方が多いそうで、中には湿疹が出て、途中で放射線治療を中止しなければならないケースもあるのですが、華密恋製品には保湿効果があるため、最後まで治療ができると病院の先生方にも好評でした。

─ お父様の実体験から、カミツレ事業はスタートしていったんですね。

例えば、がんの患者さんを支援する活動などにも注力されているのですか?

そうですね。がん治療の研究を応援するプロジェクト「deleteC」さんとコラボしております。
ピンク色のオリジナルパッケージで製品を展開し、売り上げの一部はdeleteCさんに寄付して、がんの研究に役立ててもらっているんです。
その他にも、がん関係のイベントにはこれまで積極的に参加してきましたし、これからも参加していきます。
乳がんのイベントでは「すごくよかった」と直接製品を褒めてもらえたこともあり、とても嬉しかったですね。

もっと多くの方に製品を使ってもらいたいので、今後はPRにも力を入れていきたいです。

苦労したのは、オーガニック栽培への理解

─ 経営者になってから一番苦労したエピソードを教えていただきたいです。

カミツレの事業で一番苦労したのは、オーガニックに対する農家さんの理解ですね。
製品の特性上、化学肥料を使わず自然の力を活かして生産された、オーガニックなカモミールを原料にしなければならないのですが、カモミールの農家さんは化学肥料を使った方が生産性は著しく上がるんです。それが理由である時期、化学肥料を使われてしまったことがありました。

生産量を上げて、少しでも原料を高く買ってもらいたいという農家さんの気持ちは分かりますが、弊社の経営理念や製品のコンセプトからは外れてしまいます。
自社農場もあるのですが、製品づくりのために必要となる量のカモミールは自社農場だけではとても生産できないです。
オーガニックを強いて、農家さんに「それなら生産を止める」と言われると困ってしまいますし、製品を愛用いただいているお客様にも迷惑がかかります。

対応には本当に苦慮しましたが、最終的にはカモミール農家の方々と一緒に、有機野菜をつくる別の農家さんを訪問して無農薬で育てる大切さを訴えました。
その結果、農家さんには「絶対に化学肥料を使わない」とご協力いただけるようになったんです。

また、今は天然由来成分のみの製品づくりを達成していますが、父がやっていた時は製品の一部に合成成分が含まれていました。
それを100%に変えようとした時も、膨大な時間と労力がかかっています。

今ではオーガニックについて世間の認知が進んでいますが、製品の生産を支えてくださるステークホルダーの方々の理解を得てここまでくるのには、相当苦労しましたが、そのおかげで華密恋製品を多くのお客様にご愛用いただくことができているので、本当に感謝しています。

従業員と同じ目線で築く信頼関係

─ 普段一緒にお仕事されている、従業員の方々との距離感や接し方で気をつけている点はありますか?

決まり事として、オフィスでは従業員に私をファーストネームで呼んでもらっています。これは、お互いに同じ目線で接してもらうようにしているからです。

社長・従業員として一線を引くのではなく、距離を近く感じてもらい、コミュニケーションを図れるような雰囲気を作ることで信頼関係を築くこともできますし、何より自分の考え方にも合っていると感じますね。
ある程度時間はかかりましたが、今ではみんな「裕子さん」と呼んでくれています。

社員に顔色を窺わせるような、そんな経営者にはなりたくないので、今の従業員との距離感はこれからも大事にしていきたいと思っています。

休日もついオフィスに……平日のランチでリセット

─ 毎日ご多忙な日々を送られている北條さんですが、休みの日はどのように過ごされていますか?

休日と言っても、普段できないことをしようと、オフィスにはつい来てしまいますね。また、2週間に1回は経営者向けの外部セミナーでスキルアップにも励んでいるので、休日もなんだかんだ仕事をしていることが多いかもしれないです。

コロナ前は子どもたちと一緒に海外にも出かけていましたが、残念ながらこの数年は、人が羨むような素敵な過ごし方はできていないのが現状です。

そのかわり、平日のランチタイムにちょっと高めのホテルランチをゆっくりと楽しんでいます。美味しいものを食べることで、リセットできている気がするんですよね。

ただ、今後は海外旅行などに行って、しっかりとリフレッシュしたいと思っています。子どもたちをおいてまでは行けないですけどね。

今後はPRに注力して、自社製品を広めたい

─ 今後の展望について教えていただけますか?

今後は、自社製品をもっと広く展開することで、みんなを笑顔にしたいと思っています。
製品には自信がありますがPRが苦手で、まだまだ日本全国の皆さんに紹介できていないなと感じています。
自社の通販サイトを伸ばしたり、OEMでカミツレを使った製品を作っていただいたりして、製品を必要としている人たちのお手元に届くようにしたいですね。

また、カモミールの全草(花・葉・茎)を余すことなく、最大限に活用しているのはまだまだ弊社だけです。
カモミールのエキスを絞ったあとの残りかす(残渣・ざんさ)は、発酵させると肥料になるのですが、残りかすを使った肥料でお野菜を作ると、特に玉ねぎが甘くできるようなので、ぜひ農家の皆さんに使っていただきたいです。

八寿恵荘では、食事に使う調味料にもこだわっており、常備品のオーガニックタオルや枕カバーなどと一緒に販売もしていますが、今のところ華密恋のショッピングサイトでしか販売しておりません。
スキンケアや入浴剤はもちろん、ライフスタイルに関わる八寿恵荘の製品も、もっとオンラインで展開していきたいです。

製品を作るのは得意な私たちですが、伝えるのは苦手です。
これからはPRが得意な方とタッグを組んで、さらに弊社の製品を多くの方々へ広めてまいります。

会社情報

企業名
株式会社 SouGo(そうご)
代表者
代表取締役社長 北條 裕子
所在地
〒135-0007 東京都江東区新大橋1丁目8-2 5F
設立
1959年4月
事業内容
ハーブの栽培、医薬部外品の製造・販売、化粧品の製造・販売 食料品の加工・販売、茶類・清涼飲料水の販売 農畜産物の生産・加工・販売、農業体験農園の運営、旅館業
ホームページ
https://www.sougo-eco.co.jp/

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